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私立中高進学通信

2024年12月号

今こそ心の教育

山脇学園中学校

「中高時代に受けたかった授業」を目指して
心に届く校長先生の道徳の時間

正門を入ったところに佇む、彫刻家・佐藤忠良氏による「帽子立像」の前で。
西川校長と微笑むY・Cさん(左)とE・Yさん(右)。

女性が社会で協働する
礎を築くために
講堂で行われた西川校長の道徳の授業で、モニターに映し出された校歌と校章。同校が大切にする「志」は、「富士の如く高く、北極星の如く見失うことのない道しるべ」と定義されています。講堂で行われた西川校長の道徳の授業で、モニターに映し出された校歌と校章。同校が大切にする「志」は、「富士の如く高く、北極星の如く見失うことのない道しるべ」と定義されています。

「自ら求め、深く学ぶ(自主・探究)」「志を抱き、未来を拓く(立志・展望)」「互いに思いやり、仲間とともに創る(互恵・協働)」という3つを教育目標に掲げる山脇学園。2024年に創立121年目を迎えた同校では、校長先生による道徳の授業が伝統となっています。2021年に校長へ就任した西川史子先生も、年間10回程度、中1生に道徳を教えています。

「道徳では、社会のルールやマナーを教えることも大事だと思います。ですが山脇生なら、社会に出て協働するための礎を知っておいてほしい。これは“社会で幸せに生きるために”と言い換えてもよいかもしれません」(西川史子校長先生)

 授業は、初回の「建学の精神」から、「自分の人生を主体的に生きるために」「人生を豊かにする3つの心得」など同校における教育の根幹をなすものがテーマです。音楽の教員でもある西川先生らしく音楽を取り入れたり、アニメや絵本を題材に学んだりもします。

「生徒には楽しく授業を受けてほしいと思います。授業の後には感想を提出してもらいますが、ぎっしりと書いてくれる生徒もいます。この前は『自分は行事でどう貢献するか』をテーマに、先輩たちの行事動画を鑑賞しました。『私はリーダーシップをとるのは苦手だけど、リーダーをフォローすることで貢献したい』と書く生徒もいるなど、それぞれが自分に照らし合わせて考えてくれたようです。生徒に送った授業の資料を保護者の方が見てくださり、『共感しました』とお声がけいただくこともあります」

他人の評価にとらわれない
確かな心を育む

 先日は絵本を使って「レッテルとメガネ」というテーマで話をしたと言います。

「『You Are Special』という海外の絵本を教材に使いました。主人公は周りからいつもたくさんのシールを貼られます。きれいな金ピカのシールもあれば灰色のシールもあるのに、主人公は灰色シールばかり貼られて自己存在感を失っていきます。周囲からだけではなく、時には自分で自分に灰色シールを貼ってしまうこともあるよね、と話し、それを剥がすというワークショップを行いました」

 厳しい中学受験を終えて入学した中1生たちに、このワークショップはとても“刺さった”ようです。

「人から金ピカのシールを貼られたらうれしいのですが、シールの色に固執してしまうのは本意ではありません。一番望ましいのはシールの色にとらわれず、ありのままの自分を受け入れ生きることです。話をした後に、ビートルズの『Let It Be』をみんなで聞きました。完璧ではなくても、なりたい自分になろうというメッセージです」

 ほかにも、「みんなで同じものを見ていても、同じように感じているわけではなく、実は一人ひとり異なるメガネをかけてものを見ている。だから人によって感じ方が違うけれど、それが当たり前」という話をしたそうです。

「思春期の彼女たちには、『自分にはできない』という思い込みを剥がし、新しいステージに上がってほしい。私が中高時代に誰かに伝えてほしかったことを今、授業で伝えています」

女性だからこそ
伝えられる道徳がある
「羽ばたき」をイメージしたモニュメントが美しい白塔。同校のシンボルをバックに立つ西川史子校長先生。「羽ばたき」をイメージしたモニュメントが美しい白塔。同校のシンボルをバックに立つ西川史子校長先生。

 今後は高1に道徳の授業を行うことも考えているという西川先生。先輩として後輩を指導する立場となる高1生に、もう一度自分を見つめ直してほしいと話します。

「時代は違えど同じ女性として社会に出て働くと、悩み、苦しむことが出てきます。人生の選択を迫られる局面もあるでしょう。自分の幸せを選択するにあたって、この授業が問題解決の一助になればと考えています」

「女性だからこそ伝えられる道徳もある」と話す西川先生は、働きながら子育てをした経験を生徒に伝えられることに、喜びを感じると言います。

 同校は「豊かな人間性をもって活躍する女性の育成へ」という指針のもと、「非認知スキルの育成」にも力を入れています。「非認知スキル」とは、IQや学力テストなどのように点数化できない内面的なスキルのこと。具体的には、想像力、創造力、粘り強さ、コミュニケーション力、自制心など、心や社会性に関する力のことを指します。同校では、自分の学びを発表して力を試す「マイ・ステージ」や、共感しながら協働する「ドラマエデュケーションプログラム」などの取り組みで人間性を高めています。

「『うちの子は引っ込み思案だから……』と話す保護者の方がいらっしゃると、私は『お子さんは必ず変わります』とお答えしています。生徒の胸中に、自分はこうなりたいという『志』の種がきっとあるはず。その種は本校できっと芽を出します」

校内にある海外生活がイメージできる空間「イングリッシュアイランド」で語らうネイティブ教員と生徒たち。英語の授業だけでなく、ネイティブ教員によるイベントも開催されます。特に盛り上がるハロウィーン・イベントでは、多くの生徒が集まってパーティーを楽しみます。
3月に行われたYSE(ヤマワキサイエンスエキスポ)でのポスター発表の様子。同校では学内外で自分の学びについて発表することを「マイ・ステージ」と名付け、奨励しています。
中1生に聞きました!
先輩の活躍を見て行事が楽しみに

Y・Cさん

「英語の勉強が楽しくて、将来は英語を使った仕事がしたいです」「英語の勉強が楽しくて、将来は英語を使った仕事がしたいです」

 先日、道徳の時間に先輩方の体育祭や合唱祭の動画を観て、自分もこんなふうにみんなと協力し合ったり一緒に歌ったりできるのかと思ったら、これからの学校生活がますます楽しみになりました。

 山脇学園は英語やサイエンスに力を入れているので、小学生時代には考えもしなかったことがたくさん経験できます。将来の目標も見つかると思うので、ぜひ一度、学校説明会にお越しください。


自分がご機嫌だと周りも明るくなる

E・Yさん

「読書が好きなので、ビブリオバトルではファンタジー物語を紹介したいです」「読書が好きなので、ビブリオバトルではファンタジー物語を紹介したいです」

 校長先生の道徳の時間に、「自分自身をご機嫌にしよう。もし不機嫌でも周りに悟られないようにしよう」と教わりました。毎日そう心がけるようにしていたら日常が少しずつ変わっていき、自分も周りも以前よりもっと明るくなったように感じます。

 受験生の皆さんは今、勉強で大変かもしれません。でも、山脇学園に入ったら楽しい生活が待っているので、とにかく今は頑張ってください!

(この記事は『私立中高進学通信2024年12月号』に掲載しました。)

進学通信 2024年12月号
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