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私立中高進学通信

2023年1月号

卒業生が語る私の成長Story

女子美術大学付属中学校

栄誉ある賞に輝いた誇りを胸に
女子美術大学に進んだ卒業生たち

金岡さん、西坂さん、尾﨑さんが写っている写真です。

女子美術大学 洋画専攻1年 金岡玲音さん(左)、
女子美術大学 立体アート専攻1年 尾崎結衣さん(中央)、
女子美術大学 ヴィジュアルデザイン専攻1年 西坂有希さん(右)。
金岡さんは同校の『絵画コース』を、西坂さんは『デザインコース』を、尾﨑さんは『工芸・立体コース』を卒業しました。
なお『工芸・立体コース』は2020年度に新設されたばかり。その第一期生である尾﨑さんは、同コース初の受賞者です。

2022年、女子美術大学付属高等学校の卒業制作展で『100周年記念大村文子基金(※)女子美美術奨励賞(最優秀賞)』を受賞した3名の卒業生にお話を伺いました。毎年、同校の各コースから1名だけが選ばれる栄誉ある賞です。


※『100周年記念大村文子基金』……女子美術大学創立100周年の記念事業の一環として、大村智理事長夫妻からの寄付をもとに、文子夫人の名前を冠して創設した基金。卒業生・在校生の制作・研究活動の奨励などを主な目的とした褒章事業を行っています。

手を動かして
描き続けること
受賞作『これから』と指導担当の浜田先生と金岡さんが写っている写真です。受賞作『これから』と指導担当の浜田先生。
「金岡さんは自分をしっかりもっていました。この作品からは、そんな金岡さんらしさが心に響いてきます」(浜田先生)

 絵画コースの金岡さんの受賞作品は油絵で、タイトルは『これから』です。

「このひらがな4文字の次にどんな言葉が続くのだろう。絵を見ている人が、そんな想像を巡らすことができるようなタイトルにしました。
 絵は地下鉄の先頭車両の運転席から見える光景を描いています。車両の前に立つ後ろ姿も、上履きを履いた足もすべて私のものです。後ろ姿の私はエスカレーターに乗っています。私はエスカレーター式に高校や大学に進学しました。しかし、大学から先の道は自分で切り拓いていかなければなりません。その決意を絵に表しました。
 私の背後には絵画など私の過去の作品が置かれています。また、私の前にはホームドアやエレベーターなどがあり、無限の選択肢を表しています」

 絵が好きだった金岡さんは同校に入学して、周りの誰もが絵が上手だったことに驚いたそうです。焦りを感じた金岡さんは家でも電車の中でも絵を描きました。気がつくと絵が生活の中心になっていたのです。その姿勢を「とにかく手を動かすこと」という言葉で語っています。周囲の生徒から強い刺激や影響を受けて成長した金岡さんは「これから一生、描き続けていきたいと思っています」と目を輝かせます。

 金岡さんを指導した浜田涼先生(美術科)は次のように話します。

「絵を描くには苦しみも伴います。その苦しみを楽しみに変えてきた金岡さんの姿が、上履きを履いた足のカタチに象徴されています。これからも絵が大好きだという気持ちをずっともち続けて、大きく飛躍してほしいと願っています」

ある芸術家との
出会いが私を変えた
受賞作『17歳の運命』と指導担当の並木先生と西坂さんが写っている写真です。受賞作『17歳の運命』と指導担当の並木先生。
「絵は写実的に描くものだと思い込んでいた私は、草間彌生さんの作品に出会って、抽象画を描けばいいのだと気づきました」(西坂さん)

 西坂さんの受賞作品は『17歳の運命』です。

「私が17歳の時の感情を絵で表現してみました。左上が“喜び”を、左下が“悲しみ”を、右上が“苦しみ”を、右下が“発見”を表しています。絵の中心には顔があり、その上に未来に続く階段があり、下には天の川が流れています」

 芸術を愛する家族に囲まれて育った西坂さんは、ある作品と出会って衝撃を受けます。

「自分の魂を表現している草間彌生さんの作品を見て感動し、より自由な発想で絵を描ける、女子美術大学付属のデザインコースに進みました。
 この学校の素晴らしさは、先生方も周りの子たちも、あらゆる個性を認めてくれることです。そんな恵まれた環境のなかで、私は絵を描くことに集中できました」

 西坂さんの将来の目標は、広告のデザインをすることです。西坂さんを指導した並木憲明先生(美術科)は次のように話します。

「西坂さんは非常にピュアです。そのピュアな性格ゆえに、自分が見たまま感じたままの言葉で思いを語ろうとします。『17歳の運命』は、こうした言葉では相手に伝わりにくい西坂さんの世界観を作品に昇華した “解読書”であると私は考えています。
 しかし、デザインの仕事をする以上は自分が手がけた作品のコンセプトを相手にわかりやすく伝えなければなりません。大学でその技法も磨いてほしいと思います。また、ピュアである部分をどこまでも大切にしてほしいと願っています。そのピュアさを貫き通せる圧倒的なパワーをもった作品を創り上げることを期待しています」

「自分らしさ」が
会心の作品を生む
受賞作『evolution』と指導した中村先生と尾﨑さんが写っている写真です。受賞作『evolution』。指導した中村先生と。
「これ までの私の作品を見直していたら、自分が人の顔や骨格の造形を好きであることに気づいたんです。そこで顔を作品にしようと決めました」(尾﨑さん)

 工芸・立体コースの尾﨑結衣さんの受賞作品は木彫の頭部。タイトルは「進化」を意味する「evolution」です。

「クスノキの塊をノミやノコギリで彫り出して制作しました。テーマは未来への希望です。うろこは過去からの脱皮を、2本の角は困難を乗り越えようとする強い意志を、閉じた目は幸せな気持ちに浸っている様子を表現しています」

 尾﨑さんは、同校で創作活動に携わるうち、手で素材に触れながら立体的な作品を創り出すことに喜びを見いだすようになったそうです。そんな尾﨑さんが高2の時に誕生したのが『工芸・立体コース』でした。このコースで尾﨑さんが学んだことは「自分らしさ」を大切にすることだと話します。

「周りの評価を気にして作った作品よりも、自分が好きなように作った作品のほうが不思議と評価が高いことがわかりました。作品に自分らしさが現れるからだと思います」

 現在、尾﨑さんは大学で制作に打ち込むとともに、海外の留学生と触れ合い、異文化体験をする『JOSHIBI国際交流チーム』のメンバーとして活動しています。

 尾﨑さんを指導した中村幸喜先生(美術科)は次のように話します。

「卒業制作を見ると、尾﨑さんに確かなデッサン力がついていることがわかります。しかも一つの木材から像の全体を彫り出す“一木”にこだわり抜きました。大学で海外の学生たちとの交流も糧にして、そのこだわりや自分らしさを追求してほしいと思います。そして海外で活躍できるアーティストに育ってほしいと願っています」

進学通信 2023年1月号
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