Oops! It appears that you have disabled your Javascript. In order for you to see this page as it is meant to appear, we ask that you please re-enable your Javascript!
LINEで送る

スクールポット中学受験版 - 首都圏版学校情報検索サイト スクールポット中学受験版 - 首都圏版学校情報検索サイト

X フェイスブック

私立中高進学通信

2025年1月号

心豊かに 芸術・情操教育

跡見学園中学校

「本物に触れ、豊かな心を育てる」
跡見流リベラルアーツの深奥

習字の授業風景。気持ちを静め、書の伝統に基づき書写能力の向上を図り、効果的に表現できる力を身につけます。

習字の授業風景。
気持ちを静め、書の伝統に基づき書写能力の向上を図り、効果的に表現できる力を身につけます。

2025年に創立150周年を迎える跡見学園。建学の精神を受け継ぎながら本物の美を探求している同校で、その根幹を成す「跡見流リベラルアーツ」についてお聞きしました。

明治時代から
芸術教育に力を入れる
保健主任・芸術科/成清美朝先生保健主任・芸術科/成清美朝先生

 1875(明治8)年、女子教育のパイオニア・跡見花蹊あとみかけいが開校した跡見学園。書家であり画家でもあった花蹊は、実業が重要視された明治時代に芸術の有効性を説き、自身も日本画や跡見流書道の手本を1万点以上残しました。

「本校は2025年に150周年を迎えるにあたり、将来構想プロジェクトを導入しました。『自らの美意識のもとに新たな価値を生み出し、周りを幸せにする女性』を育成するために、『跡見流リベラルアーツ』『本物の美の探求』『探究型創造学習』を3本柱に据えています」(保健主任・芸術科/成清美朝先生)

 その中で最も特徴的な「跡見流リベラルアーツ」では、伝統文化から作法を学び、自分なりの美意識を育むことを目標としています。

「『跡見流リベラルアーツ』とは、自分らしくしなやかに生きていくための術であり、本校が創立以来培ってきたものの再定義といえます。
 本校の『ごきげんよう』の挨拶や身だしなみ、お作法、書道など、日々の学校生活を通してまず基本の『型』を身につけ、そのうえで『型』を破る術を獲得してもらうことで、自分らしく生きるしなやかな個性を育てます」(成清先生)

 同校では創立150周年を機に、中学の習字の時間を、段階的に「跡見流リベラルアーツ」に統合していきます。それに伴い、中学・高校を通じて、跡見流書道を現代流に落とし込み、さまざまな書も学ぶようにカリキュラムの改変を進めています。前任教員に替わり、2024年度から習字・書道を担当する矢部先生は言います。

「本校の書道で重視されるのは、ただ字をうまく書くことだけではありません。正しい姿勢で集中して書に取り組み、作品を提出する際の礼儀作法までを含めた一連を学びと捉えています」(芸術科/矢部絵里先生)

 また、同時間での学びの一つに「折形」があります。折形とは600年以上続く武家社会の礼法の一つで、特別な和紙を目的別に使い分ける日本の文化。こうした日本に息づく伝統文化の学びが得られるところに、伝統校の特徴が表れています。

木彫、陶芸、日本画など
集中して取り組む体験を
芸術科/矢部絵里先生芸術科/矢部絵里先生

「本校では、時間をかけて物事にじっくり取り組むことを大切にしています。中1の美術では木彫に取り組み、家庭で使う鍋敷きを作ります。高校の工芸科の授業では陶芸が体験でき、高1では手びねりやひもづくりにて、美術室に設置された窯で焼き上げます。ほかにプラスチックや革工芸、ガラス工芸など、中高の美術であまり見られない体験もできます」(成清先生)

 高2では、こちらも中高の美術では数少ない日本画に取り組みます。

「本校では花蹊時代から日本画を教えていました。鉱物でできた岩絵の具を自分で作るところから始めて、時間をかけて取り組みます。部活動では糸を紡いで大きな作品を制作する繊維工芸部も人気で、手仕事に興味を持つ受験生が本校を選ぶ理由の一つにもなっていると聞きます(成清先生)

 最後に、「跡見流リベラルアーツ」を通して生徒に学んでほしいことを、2人の先生にお聞きしました。

「本校で貴重な中高時代を過ごし、自分が本当に美しいと思うものを見つけてほしいですね。高1の探究授業では、映画・絵画・アニメなど自由なジャンルから自分が美しいと思うものを選び、どこが美しいのかをクラスメートの前で説明し、小論文にまとめる授業を行っています。みんなと意見を交わし、他者が感じる美に触れることで、自分のもつ美の世界が広がります」(成清先生)

「書道はさまざまな書体・書風を学び、いろいろな技法を身につけるだけでなく、礼儀作法も身につけることができる精神修養の場です。中高6年間という感性豊かな時期に本校の『跡見流リベラルアーツ』に触れることで、自身を成長させることができるはずです」(矢部先生)

生徒が皆敷を折っている様子。皆敷とは、料理や食材を盛る際に、器の上に敷くものの総称です。生徒が皆敷を折っている様子。皆敷とは、料理や食材を盛る際に、器の上に敷くものの総称です。
相手のことを大切に思い、考えながら折り、美しい箸置きなどが完成しました。相手のことを大切に思い、考えながら折り、美しい箸置きなどが完成しました。
中1「美術」の鍋敷き制作。彫刻刀を使って片面に模様を彫刻し、自宅で使えるように仕上げます。中1「美術」の鍋敷き制作。彫刻刀を使って片面に模様を彫刻し、自宅で使えるように仕上げます。
高1芸術選択「工芸」の授業風景。授業で陶芸に挑戦できるのも、同校ならではです。高1芸術選択「工芸」の授業風景。授業で陶芸に挑戦できるのも、同校ならではです。

日本画の授業風景。自分が使う絵の具を手作りするという、得難い経験ができます。日本画の授業風景。自分が使う絵の具を手作りするという、得難い経験ができます。
高2の芸術選択「美術」の時間に取り組んだ日本画の作品。それぞれ自分でモチーフとなる花を選び、時間をかけて描きました。高2の芸術選択「美術」の時間に取り組んだ日本画の作品。それぞれ自分でモチーフとなる花を選び、時間をかけて描きました。
「能狂言鑑賞教室」での、謡曲仕舞同好会による仕舞の様子。実際に能舞台に上がって舞う、滅多にできない経験です。「能狂言鑑賞教室」での、謡曲仕舞同好会による仕舞の様子。実際に能舞台に上がって舞う、滅多にできない経験です。

(この記事は『私立中高進学通信2025年1月号』に掲載しました。)

跡見学園中学校  

〒112-8629 東京都文京区大塚1-5-9
TEL:03-3941-8167

進学通信掲載情報

進学通信 2025年1月号
紹介する学校
共学校 共学校   女子校 女子校   男子校 男子校
この号のトップに戻る 進学通信一覧を見る
ページトップ