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私立中高進学通信

2025年1月号

私学だからできるオリジナル教育

開智日本橋学園中学校

中2生が主体的に企画・運営
主体性が飛躍する『TBC』

1日目の夜は、中2実行委員が交流を深めるために考案したアクティビティ『ジャンケン列車』で盛り上がりました。入学したばかりの中1生は、同学年と中2の先輩たちの両方と顔見知りに。

1日目の夜は、中2実行委員が交流を深めるために考案したアクティビティ『ジャンケン列車』で盛り上がりました。
入学したばかりの中1生は、同学年と中2の先輩たちの両方と顔見知りに。

入学式の数日後に行われる『TBC(Team Building Camp)』は、同校が大切にする“本物の主体性”を育てる宿泊行事。企画・運営を担い、中1を導いた中2実行委員の活動を紹介します。

生徒に委ねることで
行動する力を育てる

『自分で考え判断し主体的に行動する』をモットーに掲げる開智日本橋学園。探究型の学びだけでなく、学校生活全般においても生徒が主体的に考え、行動する教育が貫かれています。

 入学式の数日後に行われる中1・中2合同の宿泊行事『TBC』もその一つ。栃木県那須の宿泊施設を訪れ、学年混合の約10名の班に分かれてアクティビティや探究活動を共に行い、交流を深めます。入学したばかりの中1生の不安を解消するため、中2生がリードするよう、ペアで活動します。

「中1生は学校の雰囲気に慣れ、中2生には先輩としての自覚を促すねらいがあります。班ごとに中2生が中1生に探究学習の基本を教え、見本として探究発表を行うのですが、少人数のため中1生も質問しやすく、議論も活発になり、中2生も細かい点まで指導し、とても充実した3日間となりました」とTBCを担当した中2学年主任の石渡崇嗣先生は話します。

 TBCの3日間で行う企画の立案や運営は、中2の実行委員18名が中心となって進めます。

 2学年計320名が約10名ずつに分かれた、32班という大所帯を束ね、安全に進行するには大変な工夫が必要ですが、石渡先生はアクティビティの企画だけでなく、全体の時程の計画や統括・運営も、実行委員会の裁量に任せました。

「致命的な失敗に至りそうな時や緊急時は教員が関わりますが、それ以外は生徒に委ねています」と石渡先生。

 直接指示することはせず、生徒が自ら気づき、考えて行動できるようヒントを出して促します。

 生徒たちは昨年のTBCの反省点を踏まえ、入浴時間を2回に分けて、混雑や時間の無駄を省く、複雑な宿泊施設で迷わないよう誘導の人員を配置するなど、きめ細かに対応策を練り上げました。特にしおりの最終ページに掲載した『早見表』は大好評で、先生方もTBCの最中に活用していたそうです。

「TBC前日の対面式で、グループごとに行動を確認しながら『早見表』に予定を書き込みました。去年は集合場所が把握できず遅れる生徒がいましたが、今年は全員が遅刻せず集合できました」(実行委員長K・Mさん)

 事前には、5日間をかけて本番さながらのリハーサルを行い、そのかいあって見事にTBCを運営しました。

「人と違っていい」
「失敗してもいい」が
主体性を育む

「TBCは年々ブラッシュアップされ、教員が関わる場面がどんどん減っています。自主的に考え行動する探究型の学びが浸透している証でしょう」と石渡先生は分析します。そして、そんな自主的な行動力の土台となるのが、探究型授業で経験する「挑戦してうまくいかなくても、方法を変えて再挑戦すればいい」という心理的安全性の担保と、正解のない課題について議論し、思考を深める『哲学対話』の授業で育む「人の意見と違っていい」という価値観だと、校長の近藤健志先生は、力を込めます。

「そうした環境のもと、生徒は本物の主体性を身につけます。実行委員だけでなく、中2全員が、中1のお手本となるよう主体的に行動してくれました。中2の背中を見て、中1も大きな成長を遂げます。これからの活躍が楽しみです」(近藤先生)

現地では、生徒への伝達や注意喚起は実行委員長のK・Mさん(左)が行います。副委員長のK・Rさん(中央)、副委員長のY・Tさん(右)も寄り添い、サポートしながら運営を進めていきました。現地では、生徒への伝達や注意喚起は実行委員長のK・Mさん(左)が行います。副委員長のK・Rさん(中央)、副委員長のY・Tさん(右)も寄り添い、サポートしながら運営を進めていきました。
TBC前日にはオリエンテーションがあり、中1・中2混合グループでTBCのスケジュールや複雑な宿泊施設の見取り図などをしおりで確認。これも実行委員会のアイデアです。この事前確認も当日に活かされました。TBC前日にはオリエンテーションがあり、中1・中2混合グループでTBCのスケジュールや複雑な宿泊施設の見取り図などをしおりで確認。これも実行委員会のアイデアです。この事前確認も当日に活かされました。
探究活動のノウハウを伝授するのも、TBCの目的の一つ。グループごとに分かれ、中2生が探究スキルを細かに説明し、中1生は真剣にノートを取り、まるで大学のゼミ合宿のような雰囲気。探究活動のノウハウを伝授するのも、TBCの目的の一つ。グループごとに分かれ、中2生が探究スキルを細かに説明し、中1生は真剣にノートを取り、まるで大学のゼミ合宿のような雰囲気。
生徒インタビュー
組織の動かし方を学びました

実行委員長 K・Mさん

 昨年のTBCが楽しくて、実行委員の先輩にあこがれて委員長に立候補しました。「全員が楽しく後悔のないTBCにしたい」という強い思いがあり、改善点の一つひとつを実行委員全員が納得するまで話し合いました。決定するまで大変でしたが、会議の進め方、組織の動かし方を学べたと思います。

 石渡先生が「Kは言葉で人を動かすのが得意だから、委員長として、みんなの前で堂々と話しなさい」と言ってくださったおかげで、自信をもって話せるようになりました。達成感を感じると同時に、中1からも中2からも「楽しかったよ」と言葉をかけてもらい、心からうれしかったです。


やりがいと自分の成長を実感

副実行委員長 K・Rさん

 TBCの目標はつながりを作ること。班決めのやり方を改善したことで、中2同士も交流が深まりました。特に私は4年間クラス替えのないGLC(※)に在籍しているため、実行委員になって他クラスとも深く交流ができて本当に良かったです。

 委員長をフォローしたり、アクティビティがスムーズに進んでいるか常に気を配ったりなど、全体を俯瞰し、周りを見る力がついたと思います。そんな私を見て校長先生が「素晴らしい縁の下の力持ちだね」と褒めてくださったのもうれしかったです。自分の成長を実感できました。

※GLC…高い英語力を保持する生徒向けのグローバル・リーディングコース。高1までクラス替えなしで海外大学進学も視野に入れた学びを実践しています。


ここまで生徒に任せてくれるんだ!

副実行委員長 Y・Tさん

 開智日本橋を志望したのは、学校説明会で『本当の自主性を育てます』と聞いたからです。入学してみて、「ここまで生徒に任せてくれるんだ」と驚きました。『3日間の実行委員の動きが可視化できると動きやすいのでは?』と石渡先生から助言を受け、Excelで実行委員18名全員の動きを記載したシフト表を作成し、それが当日とても役立ち、うれしかったです。自分たちが運営しているというやりがいは何物にも代えがたい経験です。企画力、マネジメント力など社会で役立つスキルが身についたと思います。

先生からひとこと
3日間で中1も中2も驚くほどの成長
中2学年主任・TBC担当/石渡崇嗣先生中2学年主任・TBC担当/石渡崇嗣先生

 TBCは、目的・目標決めから全て実行委員の生徒が行います。20回以上実施した実行委員会議には私も参加しましたが、「今明確にしなくてはいけないことは何?」など、必要に応じて次の行動を促す程度で、生徒の強みを褒めて伸ばすことを大切にしています。

 TBCでは中1生も個人発表をするのですが、中2生がフィードバックとして「定量的な数値を使っていてよかった」「サンプル数が多く信頼に足る」といったコメントをしており、探究力が着実に身についていると感じました。中1もその影響を受け、論理的な発言をするようになり、3日間で驚くほど成長しました。

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