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私立中高進学通信

2025年1月号

地域とつながる協働活動

佐野日本大学中等教育学校

小学生をサポートする
『学習ボランティア』が活躍

『学習ボランティア』では、子どもたちと触れ合うことの喜びや楽しさを実感できます。そのため、このボランティアに2年連続で参加する生徒も多いそうです。

『学習ボランティア』では、子どもたちと触れ合うことの喜びや楽しさを実感できます。
そのため、このボランティアに2年連続で参加する生徒も多いそうです。

2024年に11回目を迎えた『学習ボランティア』。夏休みに同校の3年生(中3)と4年生(高1)の希望者が近隣にある佐野市立石塚小学校を訪れ、小学生たちの勉強をサポートする地域貢献活動です。

世界に羽ばたく人材の育成
第一歩が地域社会への貢献

「本校は、ここ佐野の地から世界に羽ばたく人材の育成に努めています。その第一歩とすべく地域社会への貢献に力を注いでいます」(生活健康指導部・社会科/中井啓之先生)

 そうした地域貢献の一つが『学習ボランティア』です。佐野日本大学中等教育学校の近隣にある市立石塚小学校では、夏休みに児童たちを学校に集め、宿題などに取り組む学習会を開いています。2014年に石塚小学校から、同校にこの学習会のサポート依頼があり、『学習ボランティア』がスタートしました。2024年の夏休みには、7月と8月の2回にわたって同校の生徒が石塚小学校を訪れています。

 学習サポートを行う時間は9時から10時25分までで、その間に休み時間が入ります。まず生徒が自己紹介。その後、勉強している小学生たちの輪に加わり、アドバイスをしたり、わからない箇所の質問に答えたりなどお手伝いをします。

「参加した生徒のほとんどが、子どもたちとの触れ合いにやりがいを感じていて『また行きたい』と笑顔で振り返っています。こうした喜びの声が生徒の間に広まっているようで、毎年募集をするたびに、多くの生徒が積極的に参加してくれています」(中井先生)

地元から信頼を得られてこそ
国際社会へ貢献できる人材に

 石塚小学校には障がいをもつ児童のための特別支援学級もあり、この学級の『学習ボランティア』も同様に行われています。

「担任の先生が『この子はこうすると落ち着くんだよ』など、一人ひとりの性格について細かく教えてくださいます。こうしたアドバイスを参考に、本校の生徒は小学生一人ひとりのペースに合わせて学習をサポートしていました。生徒たちが小学生たちとすぐに打ち解けている様子が目に入り、引率した私もうれしく感じました。特別支援学級でのボランティアでは、より細やかな対応が求められるため、多くの学びや気づきがあると思います」(生活健康指導部・音楽科/日景浩美先生)

 そのほか、コロナ禍以降は休止になっていますが、有志の生徒が近隣にある神社の清掃を行うなど、地域に向けたボランティアも行われていました。コロナ禍では「シトラスリボンプロジェクト(※)」の一環として、多くの生徒が佐野厚生総合病院で働く医療従事者に励ましや感謝の手紙を送ったそうです。

「地元の方々からの信頼を得たことを端緒に、日本社会、ひいては海外へとスケールを広げ、やがては国際社会へ貢献できる人材になれると本校では考えています」(中井先生)

※シトラスリボンプロジェクト…コロナ禍で生まれた差別や偏見を耳にした愛媛県の有志がつくったプロジェクト。

小学生たちと真剣に向き合いながら、学習をサポートしていく生徒たち。
「初めて参加する生徒も最初こそ緊張しますが、次第に打ち解けて、表情が輝いてきます」(日景先生)

学習ボランティアに参加した2人に聞きました
小学生と楽しく心を
通わせることができました

H・Rさん(4年生)

H・Rさん(4年生)

 人に教えることが好きなので、昨年から参加しています。今年は1日目に小4生の、2日目に小3生の学習サポートを担当しました。小3生のみんなとはすぐに打ち解けられましたが、初日の小4生とは最初に少し壁を感じてしまいました。それでも、休み時間に小4生の1人が、「クラスにこんな楽しい友達がいるんだ」と笑顔で話しかけてくれたんです。これをきっかけに後半では子どもたちと楽しく心を通わせることができました。教えるのが難しかったのは算数です。小数点の切り上げなど、合っているかどうか確認しつつアドバイスをしました。貴重な経験になったと感じています。


漢字の読みはヒントを出して
考えてもらいました

C・Hさん(4年生)

C・Hさん(4年生)

 私は1日目が小6生、2日目が小3生の担当でした。算数の文章問題を一緒に解いたり、分数の通分についての質問に答えたりしました。難しく感じたのは、漢字の読みの問題です。答えをすぐに教えてしまうわけにはいかないので、「音読みだとこう読むよね」とヒントを出して考えてもらうようにしました。教えることがとても楽しかったです。特に小3生とは仲良くなれたと思います。下校時にたまたまその子たちと帰り道が一緒になり、笑顔で私の名前を呼んで手を振ってくれて、とてもうれしかったです。来年もまた参加したいと思っています。

生徒の成長を近隣の方々に
応援してもらうことも目的です
中井啓之先生(生活健康指導部・社会科)

 このボランティアに何回か生徒たちを引率して私が気づいたことは、生徒たちが学校では普段見せない面を見せてくれることです。楽しそうに小学生へ話しかけながらも、その姿勢や態度には思いやりや気遣いが感じられます。自分よりも年下の小学生と接することで、相手の立場になって考えたり、行動したりすることの大切さを知って実践しているのです。この『学習ボランティア』は、石塚小学校の先生方にも喜んでいただいています。こうした地域貢献を通して、本校の生徒たちを近隣の方々に知っていただき、その成長を応援していただくことも目的です。

わかりやすく伝えるためには
深い理解が必要なことに気づけます
日景浩美先生(生活健康指導部・音楽科)

 今回のボランティアには、私が引率しました。生徒は膝立ちになって小学生と目線を合わせて話しかけたり、文字を指でなぞりながら音読したりして、小学生の心に寄り添っていました。そんな姿を目にして、生徒は多くの人と触れ合うなかで成長していくのだと改めて気づきました。また、算数の問題の解き方をアドバイスする際、中学で習う方程式を使えば簡単に解けるのですが、相手は小学生ですから別の解き方を用いなければなりません。物事を人にわかりやすく伝えるためには、深い知識と理解が必要であることに生徒は気づいてくれたと思います。

進学通信 2025年1月号
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