Oops! It appears that you have disabled your Javascript. In order for you to see this page as it is meant to appear, we ask that you please re-enable your Javascript!
LINEで送る

スクールポット中学受験版 - 首都圏版学校情報検索サイト スクールポット中学受験版 - 首都圏版学校情報検索サイト

ツイッター フェイスブック

私立中高進学通信

2024年1月号

未来を切り拓くグローバル教育

昌平中学校

世界水準の学び!『IB国語』で
本質を捉え論理的思考力を育成

世界水準の『国際バカロレア(IB)』教育を実践する同校。
中1の国語の授業にもIBの学びを導入し、論理的思考力を育てています。

自由闊達な雰囲気にあふれる中1『IB国語』の授業。講義の際にも生徒からの質問や意見をすくい上げ、多角的な学びを促しています。

哲学対話のように展開
思考を深める力を磨く

 論理的思考力や探究力を身につける国際的な教育プログラムとして、世界の多くの国や地域で実践されている『国際バカロレア』(以下IB)。昌平では11~16歳を対象とするIBの中等教育プログラム(以下MYP)を中学全生徒の学びに導入し、中学3年間、探究学習をベースにした全教科横断型の授業を実践しています(※)。

 大学入試が知識重視型から思考力や表現力を問う試験内容へと移行する昨今、同校が実践する学びは、まさにこれからの社会で生き抜く力を養う学習方法と言えます。今回は、グローバルな社会を生き抜くための『IB国語』の授業を取材しました。

 取材当日の中1『IB国語』では、『新たな表現の媒体を獲得することで、自身のものの見方にどのような影響が起こり得るだろうか』をテーマに授業が進められていました。指導するのはMYPコーディネーターであり、国際教育部副部長・国語科の岩瀬丈先生です。

 生徒たちは雑誌や新聞、LINEやインターネットのスクリーンショットなど、あらかじめ自分で選んだ素材を持参し、「X(旧Twitter)ではさまざまな人の意見を知ることができるので、政治への関心が高まり、批判的思考もできるようになった」「LINEを使い始めた時、敬語から離れた言葉遣いや友達同士で通じる言葉遣いなど、言語感覚が多様化した」など活発に意見を発信。日頃の授業でディスカッションに慣れているため、さまざまな意見が積極的に飛び交います。

 岩瀬先生が「“既読スルー”という言葉はLINEが登場して生まれた新しい概念ではないかな?」など、多様な視点から質問を投げかけます。すると、生徒たちはさらに思考を深めて意見を出し合うという、哲学対話のような授業が繰り広げられました。

「ディスカッションや発表がメインとなるIBの授業では、生徒が自ら考え、学びを深めることが重要です。教員は答えを提示するのではなく、時にはあえて反論を交えながら、『なぜ?それはなぜ?さらに、それはなぜ?』と質問を繰り返すなど、生徒の思考を深めるためのファシリテーター役を務めています」

※IB教育の実践に加え、2019年度より『国際ディプロマプログラム』(以下DP)の認定を受け、
高校『IBコース』では海外大学の受験資格が得られるカリキュラムを展開しています。

定期テストでは
中1から600字の論述

 授業の後半では、翌週に控えた中間考査に向けて、論述問題の演習が行われました。IB国語のテストでは、漢字や文章読解の問題に加え、600字程度の論述問題が出題されます。授業ではその類題を実際に書いてみる演習が行われました。

 テーマは『情報を伝える上で、“何を書くか” ではなく “どのメディアを使うか” が一番重要である。この意見に対して、反論も提示しながら自分の考えを説明しなさい』『情報の伝達は字数が多ければ多いほど効果的である。この意見に対して、反論も提示しながら自分の考えを説明しなさい』の2つ。生徒たちはどちらかを選択し、文章で持論を展開していきます。

 中1生にとっては難度の高い類題ですが、生徒たちは手慣れた様子で書き進めています。同校ではどの教科においてもディスカッションを通して多角的な意見を吸収し、考えを深めてから文章を書く機会を多く設けています。そうしたIBの学びにより、生徒たちは中高にとどまらず大学受験や社会に出てからも必要とされる論理的思考力や文章力、表現力を着実に身につけていくのです。

意見交換の時間を十分にとることで、テーマに対する“概念”について、さらに多角的な視点からの深堀りをしていきます。意見交換の時間を十分にとることで、テーマに対する“概念”について、さらに多角的な視点からの深堀りをしていきます。
岩瀬先生が一言投げかけると、そこからまたさらに議論が発展。意見交換をすることで、全ての生徒が“考えを深める”体験を積んでいきます。岩瀬先生が一言投げかけると、そこからまたさらに議論が発展。意見交換をすることで、全ての生徒が“考えを深める”体験を積んでいきます。

生徒はテーマに対する自分の考えをGoogleドキュメントに書き込み、クラスメートと共有。多様な見方を知り、思考の幅を広げていきます。生徒はテーマに対する自分の考えをGoogleドキュメントに書き込み、クラスメートと共有。多様な見方を知り、思考の幅を広げていきます。
IB教育を半年間受けた中1生たちは、反論を提示しながら自分の考えを説明するという難度の高い課題にも、慣れた様子で集中して取り組んでいます。IB教育を半年間受けた中1生たちは、反論を提示しながら自分の考えを説明するという難度の高い課題にも、慣れた様子で集中して取り組んでいます。

学びのねらい
“正解のない問い”の答えを自らが導き出す力を培っています
教頭・国際教育部部長/前田紘平先生教頭・国際教育部部長/前田紘平先生

 同校のIB教育を先導し、国際バカロレア機構アジア太平洋地域DLDPプロジェクトコーディネーターも務めている教頭・国際教育部部長の前田紘平先生にも、同校が進める学びのねらいについて伺いました。

「IB教育のねらいは、多様な文化の理解と尊重の精神を通じて、より良い、より平和な世界を築くことに貢献する、探究心、知識、思いやりに富んだ若者の育成です。先行き不透明な現代社会において、ますます必要とされる教育と言えるでしょう。
 2015年度に中学が、2019年度に高校がIB認定校となり、生徒の個性を伸ばし、“失敗”を前向きな挑戦として受容する昌平らしさと相まって、才能にあふれたユニークな生徒が多く育ってきました。MYPを経て、高校ではロボットの研究開発に没頭し、推薦入試で東京大学に合格した生徒もいます。
 IB校にもさまざまなカラーがありますが、のびのびと学べる自然豊かなこの場所で、生徒一人ひとりの個性を伸ばしながら“昌平ならでは”のIB教育を推進し、グローバル化した社会でリーダーシップをとれる人材を育成していきます」

先生からひとこと
“正解のない問い”の答えを自らが導き出す力を培っています
国際教育部副部長/岩瀬先生国際教育部副部長/岩瀬先生

 本校では、『IBの学び』と『知識・技能の学習』を融合させることで、大学入試にも対応できる高い学習効果を生み出しています。IBで培った論理的思考と批判的思考は、膨大な文章を読み解く必要がある共通テストにも、今後より増えるであろう論文試験にも有効です。

 実際に最難関大学へ進む生徒も増えており、“正解のない問い”の答えを人からの借り物ではなく自らで導き出そうと奮闘するなかで、生徒の主体性が養われていると実感します。それが、彼らのこれからの人生につながっていくと信じています。

生徒インタビュー1
どんどん自分の“考え”が広がっていくIBの授業は楽しい!
Oさん(中1)Oさん(中1)

 IBの授業は、考えて発表することを繰り返し、全員でひとつのテーマについて話し合うなかでいろいろな意見が出る点がとても面白く、さらに深堀りしていくことで自分の思考もどんどん広がります。普段考えないようなことを考え、知らなかったことを知ることができてとても楽しいです。文章を書くことが多いので、論理的思考力も文章力も鍛えられます。

 思考する機会が増えたことで、それを行動につなげたいと思うようにもなりました。自由研究で川の水質を調べた際、都心の川はごみが多いことがわかり、先輩が行う校外活動に参加し、一緒にごみ拾いをしました。昌平は生徒の主体性を大切にして、校外活動も応援してくれる学校です。自由な校風とIB教育のおかげで、いろいろ挑戦してみようと思えるようになりました。

生徒インタビュー2
筋道を立てて考える力・書く力・表現力が身についているのを実感
Sさん(中1)Sさん(中1)

 文章を書いたり、自分の考えを論理立てて話したりするスキルは将来必要だと思うので、IBを通してそうした力を身につけたくて、昌平への入学を決めました。

 どの教科も、発表に向けてたくさん文章を書くし、テストも記述が多いです。最近も地理で『ヨーロッパでは稲作ができるか否か』というテーマについて書きました。ヨーロッパの農業形態の変化を考察して書いたのですが、自分の考えを整理して書く作業は難しいですがとても面白く、論理立てて文章を書く力も表現力も高まっているのを感じます。

 必ず“概念”を意識するのがIBの特徴です。概念とは、物事を認識して言語化することだと思っています。その力が思考をより深めてくれていると感じていて、期待していた以上の力がついているのを実感しています。

進学通信 2024年1月号
紹介する学校
共学校 共学校   女子校 女子校   男子校 男子校
この号のトップに戻る 進学通信一覧を見る
ページトップ