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私立中高進学通信

2024年1月号

未来を切り拓くグローバル教育

芝浦工業大学附属中学校

中3全員が4都市から選択
2週間のアメリカ教育旅行

進化しながら約30年間継続している同校の海外教育旅行。
現地大学での講義やホームステイ、アクティビティを通して、
生きた英語と現地の文化を学びます。
AWS Skills Centerを訪問した際の写真です

世界的な企業の本社が集結する『シアトル・コース』の生徒はAWS(Amazon Web Service)Skills Centerを訪問。
午前の授業で学んだ内容を踏まえ、Amazonスタッフと英語で積極的にコミュニケーションを図りました。

時代に合わせて
教育旅行の内容が進化
菅原聡先生の写真です菅原聡先生(社会科)

 異文化体験と国際理解を目的に、『海外教育旅行』を約30年間実施してきた芝浦工業大学附属。中3全員がアメリカに滞在し、ホームステイをしながら現地の大学で学ぶ2週間のプログラムです。シアトル・デンバー・セントジョージ・ソルトレイクシティの4都市から滞在先を選択できるのが特徴で、いずれも午前中は大学で英語の講義を受講。午後は校外学習やアクティビティを行うという密度の濃いカリキュラムです。

「都市ごとに専門の旅行会社と提携し、時代に合わせて内容をアップデートしてきました。長年の取り組みから現地の大学やスタッフとの信頼関係が構築されているため、サポートがしっかりしているところが強みです」と、海外教育旅行の探究学習を担当した菅原聡先生(社会科)は話します。

 全員参加とホームステイを2週間経験する点も同校のこだわり。同じく担当の金森千春先生(数学科・探究科)は次のように話します。

「海外に興味がない生徒も、英語が苦手な生徒も、必ず参加します。そんな彼らも現地での生活を経て帰国すると『楽しかった』との感想を口にします。なかには『留学したい』と言い出す生徒もいるほどです。全員の視野を広げ、成長を促せるという点でも意義があると考えています」

Amazonやビル&メリンダ・ゲイツ財団へも訪問
金森千春先生の写真です金森千春先生(数学科・探究科)

 2023年9月の海外教育旅行に参加した中3生は、2021年の共学化初年度に入学した共学1期生です。これまでとは異なり、女子生徒に合わせて生徒主体で服装のルールづくりを行い、現地の校外学習も探究学習を絡めてブラッシュアップしました。

「コースごとにテーマを設け、現地特有の社会課題を事前学習で学び、背景を理解したうえで現地の関連施設を訪問しました。
 例えば、『グローバル企業とスタートアップ』をテーマのひとつとするシアトルでは、『ビル&メリンダ・ゲイツ財団』で社会課題に取り組む話を聞いて、英語でデザインシンキングをしたり、『移民』をテーマのひとつとするデンバーでは、事前学習で地理や歴史、移民問題を学び、現地の日本領事館で移民の方の講話を聞きました。
 事前学習では、浅草で外国人にインタビューをする機会を設けるなど、各教科で工夫を重ねて進めてきました」(菅原先生)

 帰国後、生徒たちは現地で深めた学びをまとめ、9月の文化祭でポスター発表を実施。12月には現地と日本の比較を行い、2分間の動画を作成・発表します。

 英語力はもちろん、精神面でも大きな成長が見られると金森先生は表情を緩めます。

「どの生徒も自立し、自己主張や提案が増えます。自分の意見を述べることが奨励されるアメリカ文化に身をおくことで、思ったことを発信するメリットを実感するのでしょう。
 自他を受容する文化を肌で感じて、友人に寛容になるなど、生徒たちは大きな成長を遂げて帰国します。帰国した生徒たちの様子に、保護者の皆さんも驚かれています」

生徒インタビュー
『デンバー・コース』『シアトル・コース』に参加した中3生2名にインタビュー
異文化に触発され英語力も向上 将来への夢が膨らむ2週間
Iさん
『デンバー・コース』(コロラド州)
デンバー大学で語学研修

Iさんの主な訪問先

■ロッキーマウンテン国立公園
■コロラド州議事堂
■大規模農場メイファームなど

Kさん
『シアトル・コース』(ワシントン州)
ノース・シアトル・カレッジで語学研修

Kさんの主な訪問先

■シアトルマリナーズ野球観戦
■Amazon本社
■ボーイング社見学
■マイクロソフトビジターセンターなど

ホームステイで英語力を鍛え
アメリカ社会に触れて視野を広げる

――現地での一日を教えてください

Iさん
平日は9時から12時まで授業で、午後は校外学習。発表と会話を重視していて、日本領事館を訪問する日は「領事館で質問する内容を英語で考えよう」など実践的な課題が多かったです。ロッキー山脈トレッキングなどアクティビティもあり、毎日が刺激的でした。

Kさん
シアトルでも午前中の授業で学んだことを午後の校外学習で実践し、翌日の授業では前日の校外学習についてスピーチしました。
クラスは約10人の少人数制。「どんどん意見を言ってね」と先生が言ってくださり、たくさん発言できて楽しかったです。「日本人はRとLの発音が苦手だから」と、発音もていねいに教えてくださいました。

――ホストファミリーについて教えてください

Iさん
僕のファミリーは63歳の男性で、日本好きの陶芸家。料理が得意で、毎日おいしいアメリカンな料理を作ってくれました。
彼のパートナーの男性も一緒にロッキー山脈に行ったのですが、「僕たちカップルなんだ」と自然体で語り、接してくれたので違和感なくLGBTQへの理解が深まりました。

Kさん
私が滞在したのは6歳・3歳・1歳の子どもがいるフィリピン系のファミリー。家族を大切にしていて、週3回おじいちゃんやおばあちゃんと一緒に夕食をとるのが印象的でした。
6歳の長男に折り紙を教えてあげるなど、たくさん交流できたのも良い思い出。子どもの英語は速くて聞き取るのが難しかったのですが、おかげで耳も会話力も鍛えられました。

異文化に暮らす同世代との交流が
自分を受け入れる契機に
現地で体験したことをまとめたポスターの写真ですデンバーを訪れたIさんが、現地で体験したことをグループでポスターにまとめ、発表しました。

――現地学生との交流はどうでしたか?

Iさん
デンバーのモンテッソーリ校に行き、現地の生徒とペアを組んで一日を過ごしました。僕のペアは12歳の女の子。ネイティブのスピードと言い回しに苦戦しましたが、少しずつ聞き取れるようになりました。言いたいことがすぐに出てこない時は、言いやすい英語に置き換えて話す習慣も身につきました。

Kさん
シアトルでは高校の日本語コースの生徒と交流しました。私たちは英語で、現地の生徒は日本語で自己紹介をし合い、童謡を歌ったり、すごろくや文法のボードゲームをしたり、両言語の早口言葉を教え合ったり。最初は緊張しましたが、現地の生徒はノリが良くてすぐに打ち解け仲良くなれて、とても楽しかったです。

――海外教育旅行に参加して、自身の変化・成長を感じますか?

Iさん
アメリカで感じたのは、民主主義が徹底していて、誰もが好きなことを楽しみ、それを侵害する・されることのない文化だということ。僕も感化され、周りの目をあまり気にしなくなりました。

英語力はかなり伸びたと思います。毎日、「英語では何て言うんだっけ?」と考えていたので、英単語がすぐ出るようになりました。『ここには“the”が入る』などが感覚でわかるようになり、より英語への興味が高まりました。将来は宇宙関連の仕事に就きたいと思っているので、もっと英語力を磨いて夢を実現させたいです。

Kさん
ホストファミリーを通して同年齢のアメリカ人の女の子と仲良くなったのですが、彼女をはじめ現地で出会った同世代は、周りを気にせず堂々としている人が多くて、ありのままでいいのだと思えるようになりました。

英語での対話力はまだまだだと実感しましたが、かえって学習意欲が高まりました。将来は国連などの国際機関で児童労働や教育の問題に携わりたいので、海外大学進学も視野に入れ、さらに英語学習に力を入れるつもりです。

セントジョージ・コースの生徒たちの写真ですザイオン国立公園をリバートレッキング中の『セントジョージ・コース』の生徒たち。自然の造形美に感動!
生徒たちが雄大なロッキー山脈をトレッキングした際の写真です都会と大自然の両方が体感できる『デンバー・コース』。生徒たちは雄大なロッキー山脈をトレッキング。標高3700mでも元気いっぱいです。
サッカーを通じて交流した現地の学生との写真です大自然と宗教的な学びを体験できる『ソルトレイクシティ・コース』。現地の学生とサッカーを通して交流しました。
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