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私立中高進学通信

2024年1月号

羽ばたけ! 国際人

藤村女子中学校

生徒が取材・執筆して
英字新聞を制作
「伝わる英語」を学ぶ

生徒が集うメンターカフェにて。英字新聞のサンプルを手にほほ笑むYさん(高2・左)と担当の砂山瑞穂先生。

生徒が集うメンターカフェにて。
英字新聞のサンプルを手にほほ笑むYさん(高2・左)と担当の砂山瑞穂先生。

自ら考えて行動し、表現することができる人材の育成に力を入れている同校が、初の試みとなる英字新聞を作成するプロジェクトを実践しました。取材者への依頼から執筆までを経験した高2のY・Sさんと、担当の砂山瑞穂先生に話を聞きました。

英作文と記事の違いを意識
プロに学ぶ「伝わる英語」
Y.S.さんアカデミッククエストコース・高2/Y.S.さん

 中高ともにオリジナルの探究学習に取り組んでいる藤村女子。高校のアカデミッククエストコースでは探究学習の一環として、英語によるグローバルな発信力を育てる『The Japan Times高校・英字新聞プロジェクト』に取り組んでいます。生徒たちは本格的な英字新聞の制作を通して、英語での発信力、論理的思考力、プレゼンテーション力を伸ばしていきます。

「最初に英字新聞を作ると聞いた時は、本格的な新聞ではなく、ポスターみたいなものを想像していました。7月12日にジャパンタイムズの元編集局長・大門小百合先生が講義に来てくださり、こんなに著名な方が来られるなんてと驚きました。大門先生から、読者に伝わりやすい英文の記事を書くにはどうしたらいいかを教わりました」(アカデミッククエストコース高2/Yさん)

 大門先生から教わった、新聞記事を書くうえでの注意点をYさんはこう話します。

「新聞記事は自分の意見を入れずに書くので、主語に “I Think”を使わない、新規発見事項でなければいけない、多くの人が知らないことを紹介すると教わり、なるほどと思いました」

 今回の英字新聞『FUJIMURA TIMES』のテーマはジャパニーズカルチャー。高1・高2の32名の生徒が4人1組で8本の記事に取り組みました。テーマ決定、取材対象者への依頼、取材、執筆は生徒たちだけで取り組み、基本的に教員はサポートに徹しました。

試行錯誤でやり遂げた
初めての取材
砂山瑞穂先生探究推進部長 芸術・家庭科主任/砂山瑞穂先生

 記事のテーマを決める際、担当の教員としてどのような助言を行ったのでしょうか。

「日本文化について、自分が疑問に思っていることや、知りたいことをテーマにするよう伝えました。日本人にとっては普通のことでも、外国人にとっては物珍しさがあるという視点をもつようにアドバイスしました」(探究推進部長 芸術・家庭科主任/砂山瑞穂先生)

 百人一首、着物、弁当文化、七五三、おもてなしの心、日本の観光地、柔道などテーマは多岐にわたりました。そんななか、Yさんが取り上げたテーマは『日本の言葉と文字』でした。

「私たちは意識せずに日本語を使っていますが、古文で習うような昔の言葉から今私たちが使っている言葉まで、どのように変化していったのかということに興味がありました。先生とも相談して、國學院大學の吉田孝教授に取材をすることになりました」

 そのための取材依頼文を生徒が書き、取材依頼の連絡も生徒が行いました。取材が夏休み時期だったため、企業やお店への取材では、繁忙期を理由に断られた班もあったそうです。

「必ずしも全ての班がスムーズに進んだわけではありませんし、希望する対象者への取材が叶わなかった班もあります。記事としてまとめ上げるまで、生徒も教員も試行錯誤しながらプロジェクトを進めました。かつての学校教育は学校側がゴールを用意して、生徒がそれをなぞっていくような取り組みが多かったと思います。でも社会に出ると、誰もが失敗を経験しながら仕事を進めていくもの。そういった意味で、今回は生徒・教員双方にとって、とても有意義な試みができたと思います」(砂山瑞穂先生)

 Yさんが反省するのは、取材における質問の仕方でした。

「聞きたいことを5つに絞って質問を準備していきました。尊敬語、丁寧語、謙譲語の由来を聞きたかったのですが、質問の範囲が広すぎて、300字程度の英文でまとめることが難しかったので、もう少し具体的な質問にすべきだったと反省しています」(Yさん)

中学からの探究授業で
問題解決能力を培う

 Yさんの班は、9月上旬に取材を行い、ペアを組んだ生徒と一緒に2〜3日で記事を制作。その1週間から10日後に「ジャパンタイムズ」から戻ってきた校正原稿は、修正で真っ赤だったといいます。

「ペアの生徒が留学生で英語が得意だし、私も英語に触れてきたほうなので、戻ってきた校正原稿を見てショックでした。でもていねいに赤字を見ていくと、確かにわかりやすい英語になっていて納得がいきました。特にヘッドラインが『Japanese Word(日本の言葉)』だけだったのですが、『Where did that Japanese word come from?(日本語はどこからきたのか)』と修正されており、読者が読みたい記事になっていて感動しました」(Yさん)

 生徒たちが修正した後は、英語科の教員とネイティブ教員がチェック。完成した英字新聞は、11月4日から11日に行われたロサンゼルス語学研修に持参するお土産となりました。

 探究活動に力を入れている同校では、中学は学年を越えた縦割りゼミで活動します。Yさんは中3の1学期に行われた探究授業で忘れられない思い出があるそうです。

「養蜂家を訪問し、その仕事をまとめる探究の時間があったのですが、思い通りに質問ができて、下級生の意見も吸い上げてパワーポイントでまとめて発表しました。自主性をもって行動し、納得いく形で発表することができて、自分自身の成長を感じました」(Yさん)

 中学に入学した頃は、むしろ英語が苦手だったというYさん。今回の英字新聞の作成で、より英語の面白さに目覚め、夢が広がったと話します。

「将来は世界へ出ていける人になりたいです。理工系に進みたいのですが、地球温暖化など、地球が抱えている課題を解決する一助を担えればと思います。英語をもっと話せるようになって、外国人と対等に意見を交わしたいです」(Yさん)

英字新聞『FUJIMURA TIMES』完成までの軌跡

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