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私立中高進学通信

2023年1月号

キャリア教育の現場から

立正大学付属立正中学校

職場体験で広がる将来の夢
進路につなげるキャリアプログラム

中高6年間を通じてキャリアデザインに取り組む同校。中3では職場体験を行っています。職場体験を済ませた生徒にも話を聞きました。
生徒たちが職場体験で作った立正祭のポスターの写真です。

生徒たちが職場体験で作った立正祭のポスター。
企画から仕上げまで自分たちの手で作り上げ、東京都内の電車の車内釣り広告として掲示されました。

高校教頭・進路指導部長の平林重郎先生の写真です。高校教頭・進路指導部長
平林重郎先生

「仲間とともに、社会のために。自分の力を発揮する人を育てる」ことをめざす同校は、目的をもった進路選択を促すためのキャリアデザインプログラムに取り組んでいます。

「かつては子どもの周りにたくさんの大人がいて、子どもは社会とつながりを持っていました。今は核家族化が進み地域社会との関わりが薄れ、子どもの周りには親と教員しかいないのではないかと感じます。私たちがキャリア教育に力を入れる理由の一つは、生徒たちが親と教員以外の大人と触れ合うチャンスを作ることです」

 このように話すのは、高校教頭・進路指導部長の平林重郎先生です。

 同校のキャリアデザインプログラムは中1から始まります。中1ではさまざまな職業の卒業生を学校に招く「職業講話」、中2では翌年に控える職場体験の準備として商店街や地域を探究する「職業理解」、中3では実際に職場で仕事をする「職場体験」を行います。

「職業講話では、日本アカデミー賞など数々の賞を受賞した映画『新聞記者』を監督した映画監督の藤井道人さんや、ワールドワイドに天丼屋チェーンを展開している『金子半之助』創業者の金子真也さんなど、さまざまな世界で活躍している卒業生をはじめ、看護士など比較的身近な職業に従事している先輩たちが後輩に話をしてくれます」

 2022年は夏休み直前の3日間、中3が職場体験に取り組みました。教員はその様子を録画して、10月に開催した立正祭で上映しました。

「2022年は約40の企業にご協力いただき、1カ所に1〜3名の生徒が訪問しました。本校の職場体験の特徴は、学校の近くだけではなく、例えば埼玉県朝霞市にある自衛隊など、かなり離れた場所でも実施することです。自衛隊といってもいろいろな仕事があり、基地内のショールームで案内をしたり、広報活動の一環として街にポスターを貼ったりもします」

 この職場体験を通して生徒に気づいてほしいことは、将来への希望だと平林先生は話します。

「先ほど申し上げたように、今の子どもは大人のロールモデルが少ないので、自分の将来の姿が想像できず、怖がるようなところがあると思います。私自身も子ども時代に『君たちの前途は洋々だ』と大人に言われても、信じられなかったですよね(笑)。でも、実際に社会の一員として働いてみることで、将来働く自分の姿をイメージできるのではないでしょうか。もちろん、仕事には厳しいところもありますが、働くことに前向きな気持ちを持てるようになれば、職場体験は成功です。職場体験の際には休憩時間などで雑談に応じてくれる大人がいるかもしれない。大人とさまざまな話をすることが、今の生徒にとって貴重な体験だと思っています」

 最後に同校をめざす受験生にメッセージをお願いしました。

「本校は、中学に入学したらすぐに大学受験を視野に入れるような学校ではありません。人生は大学を卒業してからのほうが圧倒的に長いし、重要です。本校は大学を卒業した、その先を見据える学校です。立正大学に進学する生徒もいますが、『物理が面白いから理工系の大学に行きたい』『法律関係を学びたい』『美容師の専門学校へ行きたい』と生徒の将来の目標はそれぞれで、本人がやりたい職業からフィードバックして大学を選ぶことに重きを置いています。そのために中学で職業への理解を深め、将来の目標を持ちます。高校では学びたいことや将来の職業につながる大学・学部を選択するため、オープンキャンパスへの参加や大学生との座談会など、より具体的なプログラムを用意しています」

生徒がスーパーで品出しを体験している写真です。スーパー
スーパーで品出しを体験。
生徒がアパレルの店舗で販売体験している写真です。アパレル
アパレルの店舗で販売体験。
生徒が飲食店の店員を経験している写真です。飲食店
飲食店の店員を経験しました。
生徒がバックヤードで菓子作りに挑戦している写真です。菓子店
バックヤードで菓子作りに挑戦しました。
生徒がパトカーに乗車し、無線を使って連絡をしている写真です。警視庁
パトカーに乗せてもらい、無線を使って連絡をしました。
生徒が介護施設でお年寄りと触れ合っている写真です。介護施設
介護施設でお年寄りと触れ合いました。
生徒が町工場で職場体験をしている写真です。町工場
町工場で職場体験をしました。
生徒が美容師のアシスタントを経験している写真です。美容院
美容師のアシスタントを経験しました。
職場体験を通して
やりたい仕事がはっきりしてきました
左からNさん、Wさんの写真です。

左からNさん、Wさん

Nさん(中3)

 私は東京国立博物館で学芸員の仕事を体験しました。私を含めて3名で参加して、10時から16時頃まで、ボランティアの方々とお客様をご案内したり、体験コーナーをおすすめしたりしました。「職場体験、頑張ってくださいね」と声をかけてくださるお客様がいて、とてもうれしかったです。特に印象深かったのはドイツからのお客様で、英語で展示をおすすめしたところ、私のつたない発音を褒めてくださり、コミュニケーションを取ることができました。それ以来、もっと英語を勉強したいと思うようになりました。

 私は小さい頃から美術館や博物館に家族で出かけることが多く、江戸東京博物館(現在は大規模改修工事のため休館中)のように歴史を体感できるような展示が大好きです。将来はそんな博物館で仕事をしてみたいと考えています。


Wさん(中3)

 僕を含め4名が、YouTubeコンサルティングの事務所でYouTuber体験をしました。一番楽しかったのは企画会議で制作する動画の意見を出し合ったことです。相手を尊重しながら自由に意見を出すのがとても面白かったです。

 想像より大変だったのは編集作業です。事務所のYouTuberさんたちとドッジボールをして動画を撮影し、それを編集したのですが、作業自体が初めてだったので操作に戸惑うことも多かったです。それでも、どんな動画が面白いのかを考えるのは楽しかったです。

 今回は職場体験というプログラムのおかげで、YouTuberという職業を学ぶことができました。将来は教員志望なのですが、自分たちで企画したものを作り上げた喜びは大きく、今回の体験は自分の将来に何らかの形で役立つのではないかと思います。

進学通信 2023年1月号
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