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私立中高進学通信

2023年1月号

キャリア教育の現場から

横浜創英中学校

高校生が大学の授業に参加
課題解決型のグループワークで学ぶ

帰宅困難者支援施設運営ゲーム「KUG」で臨機応変な対応力を養成。大学生とのグループワークで実践的な考え方を学びました。
大学生と一緒にグループワークをしても物怖じしない同校の生徒たちの様子を記念撮影した写真です。

大学生と一緒にグループワークをしても物怖じしない同校の生徒たち。
6時間に及んだワークの最後にみんなで記念撮影。

副校長の本間朋弘先生の写真です。副校長
本間朋弘先生

 建学の精神「『考えて行動のできる人』の育成」をもとに、社会で活躍できる人材を育む同校。高校を“社会で必要な経験を学ぶ場”として、学校と社会をつなげることを目標とするカリキュラムを構築してきました。

 同校は現在6つの大学と高大連携協定を結んでおり、将来的には20の大学・学部との協定を予定しています。

 今回取材したのは、2022年9月に法政大学で行われた「課題解決型グループワーク」で、同校の高校生が参加しました。

「今回のプログラムは、法政大学の正規の集中授業です。大学生たちは学部も学年もさまざまで、その中に本校の高校生が交じって、グループワークを行いました。班ごとに分かれ、一つの班に高校生が2人、大学生が4人程度の構成でしたが、本校の生徒は日頃からグループワークやプレゼンテーションをする機会が多いので、大学生と一緒の話し合いでも自分の意見を堂々と述べていました」(副校長/本間朋弘先生)

 今回のグループワークは、帰宅困難者支援施設運営ゲーム(KUG)として知られる"図上訓練"を体験し、避難施設の運営に携わる心構えや対応力を養うというもの。

「高大連携の講座では、高校生用に特別な集中授業をご提案くださる大学もありますが、『それには及びません』とお伝えしています。社会に出て仕事をする時、周りは同じ年齢の人ばかりではないですよね。本校ではそうしたことを想定し、あらゆる教育活動で学年の枠を取り払いたいと考えています。
 高2と高3の『対話・創造型講座』では無学年制を採用していますが、学年を越えた集団に参加することで、より多様な価値観をもつ人と出会い交流し、対話力や学習能力が伸ばせるものと考えています」

 同校では現在の高1が高3になった際、午後は自由選択で科目を履修できるようにカリキュラムを改訂する予定です。高校生でありながら、午後の時間帯を利用して大学に通うことも可能となることで、大学の履修内容を高校の単位として認定するための検討が進んでいます。

「本校で単位を認定しても、高校卒業後にその大学に入学しないと大学の単位としては認定されないなどさまざまな課題があり、その解消に今取り組んでいるところです。高大連携の取り組みについては、生徒たちはただ講義を聴くのではなく、大学から与えられた課題に対し、プレゼンや制作物でアウトプットをしていくような授業を予定しています。大学と協定を結ぶ際は、探究型プロジェクトを行っているかどうかが第一条件です」

 今回の授業を終え、法政大学から「大学の授業に十分対応できる」との評価を得た同校の生徒たち。授業への参加動機を問うアンケートでは、「自分の成長につながると感じたから」「いろいろな人と交流できそうだから」といった理由が多数を占めました。参加者には法政大学志望者も多く、今回の経験を踏まえて「法政大学で学びたい」という意志がより強くなったようです。

 同校では同じく9月に、高1生対象の「コラボレーションウィーク」(合教科授業)も実施しました。この取り組みは、教科や科目が異なる教員同士が2人1組となって、計13の講座を開くというもの。このように同校では、教科や学年の枠にとらわれない革新的な試みを次々と展開しています。

「高大連携を通して、高校と大学、そして社会がシームレスな状態でつながるような環境を作っていくことが、私たち教員のやるべき大きな役割だと考えています」

グループワークの様子を撮影した写真です。高3生が大学生と一緒に取り組んだのは、都心部に大規模自然災害が発生した想定で、一時帰宅困難者をどう支援するかという図上訓練。支援施設である体育館の平面図をもとに、レイアウトや動線などの受け入れ条件を相談しながら決めていきます。
グループワークの様子を撮影した写真です。個人の属性が書かれた“帰宅困難者カード”が配られた後、「大けがをした」「受け入れ者同士のケンカが起きた」などの“イベント(トラブル)カード”が配られます。
グループワークの様子を撮影した写真です。イベント(トラブル)対応は、迅速・的確にイエスかノーの判断が求められます。今回インタビューをしたTさんとEさんは、この判断が一番難しかったと話してくれました。
グループワークを通して
将来やりたいことが見えてきました
Eさん(高3)

 私は法政大学を志望しているので、法政大学の学生と一緒に学びたいと思って参加しました。最初は少し緊張しましたが、大学生たちと意見を出し合って同じ課題に取り組めたことが良かったです。今回のように実践的な内容だとイメージもしやすく、実際に災害が起きた時に役立つと感じました。私自身が東日本大震災で帰宅困難者になったので、その経験を活かして恩返しができるボランティア活動にも興味があります。今回、ボランティアの立場を疑似体験したことで、帰宅困難者とボランティアの両方の気持ちを知ることができました。このような実践的な講座をまた受けてみたいです。


Tさん(高3)

 今回は友人に誘われて参加しました。今回のグループワークを通じて、「もし外国人観光客が災害に遭ったら?」などという視点からも考えてみました。一人ひとりに対応できる時間が短く、避難所という限られた空間ではそれぞれの文化の違いに細かく配慮することは難しいと思います。私は英語の教員をめざしていますが、今回の授業を経験して、教育学や言語学に加え、文化人類学を学びたいという意欲がわいてきました。高大連携プログラムで受けてみたいのは、高校では学ばない専門的な分野や、さまざまな教科を組み合せた複合的な授業です。今回の授業に参加し、志望大学の大学生とも触れ合えましたし、大学で学びたいことが見えてきて参考になりました。

左からEさん、Tさんの写真です。

左からEさん、Tさん。

(この記事は『私立中高進学通信2023年1月号』に掲載しました。)

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TEL:045-421-3121

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