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私立中高進学通信

2023年1月号

キャリア教育の現場から

関東学院中学校

「働くとは何か」
根源から考える講座を開講

生徒自身が自分の将来を見据え、やりたいこと、働くことを1年間にわたり見つめる新たな講座が始動しました。
清水徹也さん(「たら×れば」代表)清水徹也さん
(「たら×れば」代表)

 自分のもつ力を他者とともに用いる人間の育成を掲げる同校。中高一貫6年間のプログラムを通して、その土台となる「自分を知り、他者を知る」「自分と社会との関係に気づく」「目標を定め、進路を拓く」という3つのステージを設定しています。その3ステージを深化させるべく、これまで数多くの希望制講座を開講してきた同校に、2022年4月から新たな講座が加わりました。それが中3~高3の希望者を対象に、生徒自らが将来のキャリアを根源から考える講座「考働学」です。

 授業を担当するのは、同校OBで生涯教育支援サービス「たら×れば」代表の清水徹也さん。大学在学中に起業する一方、広告代理店にも勤務して数々の企業PRを手がけている清水さんが提唱する「考働学」とは、「将来を考え、働くを学ぶ」というキャリアをテーマにした中高生向けの新しい学びです。

「この講座の根幹は、『働くとは何なのか』を生徒たちとともに真剣に考えることにあります。我々講師が何かを教えるというよりは、生徒たちに考える時間をもってもらい、1年間25回の講座を通じて、自分のキャリア選択を言語化できるようにすることを重要視しています」

 取材に訪れたのは、体験授業となる講座の初回。隣の席の生徒同士での対戦型ゲームやRPGを模したオリジナルゲームを織り込みながら、「将来やりたいことは何ですか?」「“働く”とは何だと思いますか?」「“働く”ことはポジティブorネガティブ?」などの問いかけが次々となされていきます。

「大切なのは考える力です。今日参加した生徒たちのなかにも、将来やりたいことが複数あって、どちらに進めばよいのかわからない生徒がいました。それは大人が教えることではなく、答えは彼ら彼女らの内に眠っています。それを自分で掘り起こし、考えるヒントを与えるのがこの講座です。
 また、中高生は憧れの職業はあっても、その仕事への具体的なイメージが少ないことが大半ですから、実際に就職したときに、抱いていたイメージと違うことも起こりえます。そんなケースがある可能性を知っておくことは大切ですし、生徒たちが将来のキャリア形成に関するリスクや正しい認識を持ったうえで、大学に進学できるようにしたいと考えています」

 コミュニケーションの基礎能力、就業体験、社会人との交流などで構成される全25回の講座の最終回に、改めて「働くとは何なのか?」という質問をしますと生徒たちに伝えた清水さん。

「キリスト教の理念が身についている関東学院の生徒たちは、考える軸をもっています。講座の最終回に同じ質問をするときには、より具体的な回答となるだけでなく、自分のキャリアについて一つの答えを見つけているでしょう」

「関東学院戦記」と名付けられたRPGタイプのゲーム。
授業では毎回、その日のテーマを生徒が楽しく直感的に学ぶためのオリジナルゲームが多数用意されています。

この日は、中3=4人、高1=6人、高2=18人が参加。学年もクラスも異なる生徒2~6名がグループとなり、ゲームやお互いが記入したワークシートを見せ合いながら、考えたことについて対話を重ねていきます。この日は、中3=4人、高1=6人、高2=18人が参加。学年もクラスも異なる生徒2~6名がグループとなり、ゲームやお互いが記入したワークシートを見せ合いながら、考えたことについて対話を重ねていきます。
人生における働く時間、家事と仕事の違い、人生で転職ができる回数など、楽しくなごやかな雰囲気ながら、大人でもハッとするような命題を先生と生徒が一緒に考えていきます。人生における働く時間、家事と仕事の違い、人生で転職ができる回数など、楽しくなごやかな雰囲気ながら、大人でもハッとするような命題を先生と生徒が一緒に考えていきます。
「働くとは何なのか」を記入するシート。意見を見せ合うことで、自分にない他者の考えに気づきます。「将来やりたいこと」の回答では、職業はもちろん、「城を建てたい」「長生き」など回答も千差万別。「働くとは何なのか」を記入するシート。意見を見せ合うことで、自分にない他者の考えに気づきます。「将来やりたいこと」の回答では、職業はもちろん、「城を建てたい」「長生き」など回答も千差万別。
社会人OBとの対話やビジネスコンテストで
将来のキャリアを考える

「考働学」講座は前期12回、後期13回の全25回。カリキュラムは、大きく3パートに分けられます。

「最終的に生徒たちがキャリアに関して、『これでいい』ではなく、『これがいい』と自分なりの答えを決めることをゴールとしています。将来、別の道に進むとしても、一つの答えを中高年代に出すことで、後に自分のキャリア形成を考え、職業を選択していく際にも基点として振り返ることができます。

 世の中にどういった業種や職種があるかを知識として学ぶことはもちろんですが、文字上の情報として知るのではなく、生きた知識を身につけてほしいと考えています。そのために講座の後期では、さまざまな分野で活躍している卒業生をゲストにお迎えして、対話の時間を設ける予定です。つたない言葉でも自分の知りたいことを聞き、考えをまとめながら話すことが重要です。

 また、生徒たちがキャリアを意識しやすいのは、働くことを体験したとき。そこで講座の中期では、ビジネスコンテストに参加します。一つのビジネスを動かすことで、顧客像、商品価格をはじめ、製造費や人件費、宣伝方法や広告費、自分がどれくらいの生活レベルの給料を得られるのかなどがわかり、実社会に対する興味がわき、自分の立っているポジションが見えてきます。

 その前段として講座前期では、プレゼンテーションなどコミュニケーションを学ぶグループワークを行いますが、ただ教えて終わりということではありません。身につけたことで自分が望むキャリアを実現する、その先が見えてくるものにしたいと考えています」(清水さん)

体験授業に参加しました!
Yさん(中3)

コミュニケーションの学びで大事なプレゼンテーション能力を身につけたいと思い、参加しました。進路についてはまだ悩みもありますが、働くことを意識するきっかけになる授業だと感じました。

Zさん(中3)

将来の目標は獣医と決めていますが、働くことを考える参考になりました。対戦型の迷路ゲームは、何もない状態からゴールにたどり着く行程が人生に例えられていて、面白かったです。

Iさん(高1)

仕事でも仕事以外でも将来やりたいことがありすぎて、決めかねています。文理選択も来年に近づいてきて、自分のやるべきことをはっきりさせたいという思いから参加しました。先生ともいろいろお話ができ、貴重な時間となりました。

進学通信 2023年1月号
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