私立中高進学通信
2021年8月号
みんなの自慢のコーチ
日本大学豊山中学校
オリンピック選手を輩出する強豪校
「学校水泳」の伝統が育む“全人教育”
水泳部顧問 野本 泰揮先生
水泳部顧問で英語科の教員である野本泰揮先生(右)と
高3で水泳部主将である体育コースの北川凜生さん(左)。
『強く 正しく 大らかに』の校訓のもと、心豊かな人間力を備えた競泳人を育成している同校。
全国トップクラスの強さの秘密は、学校教育の一環としての部活動という点にあります。
長き伝統を受け継ぐ
全国トップレベルの強豪校
同校で長き歴史と伝統を誇る水泳部。高校はインターハイで3年連続、計10回の総合優勝を果たしました。中学もこれまでに、全国中学校水泳競技大会にて、2回の総合優勝を成しとげ、東京都中学校選手権水泳競技大会でも総合優勝を飾るなど輝かしい成績を残しています。
「学校水泳」でありながら、過去にオリンピック出場選手を10名以上輩出し、2021年の東京オリンピックでも現役生徒と卒業生がそれぞれ日本代表選手に選出されるなど、常にトップレベルの選手を育成しています。地域のスイミングクラブに通うことなく、学校の部活動だけで実績を築いている、全国的にも数少ない学校です。
現在、中学生約70名、高校生約130名が在籍しています。全国大会入賞を目標とするAチーム、全国大会出場をめざす育成チーム、初心者から大会出場を目標とするBチームと、各自の希望と泳力に応じたチームに分かれ、同校OBの竹村知洋監督のもと、イキイキと水泳に取り組んでいます。
最新の充実した練習環境が
部活動と勉強を両立させる
全国に名を馳せる強豪として名高い水泳部ですが「本校のモットーは強い選手の育成だけではありません。めざしているのは学校教育の一環としての “全人教育”です」と話すのは英語科・同部顧問の野本泰揮先生です。野本先生は同校水泳部のOBで、高3時には12年ぶりのインターハイ総合優勝をマネージャーとして支えました。
「部員に徹底しているのは、まず礼儀正しくあることです。そこから健やかな肉体と心が育まれます。そして、どれほど泳力の高い選手であっても、学業を絶対におろそかにさせません。学力の伸びと部活動をきちんと両立させる文武両道と自立の精神。その育成は私たち指導者が最も大切にしていることです」
学業と部活動の両立は、野本先生が水泳部在籍中にも「当たり前のことだと思って取り組んでいました」と話します。それが実現できるのも、充実した練習環境があるからだと言います。
「本校には11階に25m×10コースの温水プール、ウエイトトレーニングができるトレーニングルームが11階と地下1階の2カ所にあります。現在は新型コロナウイルス感染防止のため、活動時間を制限していますが、通常時は放課後、たっぷりと練習ができ、遅くとも19時には解散します。帰宅後も十分に自宅学習ができる余裕を持てるのは、学校水泳だからこそです」
監督以下、顧問もコーチもほとんどが同校の教員のため、生徒の成績や学校生活の様子を逐一把握でき、生徒の悩みに対するメンタルケアや学習サポートも、指導陣が常に連携をとって親身に行える点も特徴です。
「部員とざっくばらんに会話する機会を多くして、精神的な面でのケアを積極的に行うことを心がけています。最も気をつけているのは、生徒に命令をしないことです。
試合結果や学業について感想やアドバイスこそ伝えますが、自分が何をすべきかを判断し、決定するのは選手自身。自分で考えることによって心の自立を促すことが、部活動の大切な役割だと考えています。指導者の大半が水泳部のOBなので、文武両道の良き伝統が受け継がれているところも本校の強みです。遠征費などの費用もほぼ学校負担なので、安心して水泳に打ち込める。それも強さの秘訣なのかもしれません」
水泳部で人間力を培っていく部員たちの姿は、野本先生の誇りでもあります。
「水泳部で学んだ礼儀や、ここで得た人間的な成長は、社会に出たときにも役立つものです。本校の水泳部で良かったと言ってくれる生徒を、一人でも多く社会に送り出したい。それこそが私たち指導者の大切な役割だと感じています」
ココに注目!
指導者の密な連携が
生徒をより良く導く
指導陣の親身な支えにより、中学から充実した水泳生活を送っているのが、高3体育コースで学ぶ北川凜生さんです。北川さんは、今年の全国JOCジュニアオリンピックカップ春季水泳競技大会東京都予選で、4×100mフリーリレー、4×100mメドレーリレーのメンバーとして日本高校新記録を樹立しました。
「先生方は一致団結して、僕たち選手一人ひとりに向き合ってくれます。野本先生との一番の思い出は、中3の全国中学校水泳競技大会です。直接指導してくださっていた顧問の安村(亜洲)先生が同行されず、とても心細かったのですが、野本先生が安村先生と常に連絡をとってアドバイスをくださったことで、安心して挑めました。
中学から水泳の記録が良かったので慢心していた時期もありましたが、そのときも先生方は僕を部内で優遇せず、厳しい目で見守ってくださいました。真っ直ぐな気持ちで続けてこられたのも、先生方、先輩方のおかげです」
学業と水泳の両立は大変だが、やりがいを感じると北川さんは言います。
「強豪だけあって毎日の練習は厳しいですし、休養も大事なので、勉強は課題も含めて休み時間をフル活用して学校にいる時間ですべて終わらせています。そうすることでダラダラせずに勉強にも水泳にも集中できて、両方に良い影響があります」(北川さん)
(この記事は『私立中高進学通信2021年8月号』に掲載しました。)
日本大学豊山中学校
〒112-0012 東京都文京区大塚5-40-10
TEL:03-3943-2161
進学通信掲載情報
PICK UP!!
紹介する学校
- 「チーム活動」を重視部活動を通して人間的な成長を日本大学第二中学校
- 感動や達成感を味わい未来への「力」を養う藤村女子中学校
- 校訓「ネバー・ダイ」の精神で目標を達成する力をつける京華中学校
- 練習も本番もいつも真剣勝負!主体性を引き出す部活動の力佼成学園中学校
- 生徒が自分で向上できるよう言葉を重ね、ていねいに指導昭和学院中学校
- 生徒の主体性を重んじた指導で音楽的・人間的成長を促す女子聖学院中学校
- 元プロスポーツ選手が指導第一線で活躍する心と体を育てる聖望学園中学校
- 全国レベルの実力と人間力を育み強力サポートで学力の向上も支える多摩大学目黒中学校
- オリンピック選手を輩出する強豪校「学校水泳」の伝統が育む“全人教育”日本大学豊山中学校
- グローバル教育のノウハウを結集した中高6年間の『国際コース』がスタート江戸川女子中学校
- 園芸、感話、留学など多彩な教育が育てる自ら発信する力と夢を実現する学力恵泉女学園中学校
- 共学化&校名変更でスタートした光英VERITASの新たな歴史光英VERITAS中学校
- 海外に羽ばたいたOGが語る母校が誇る手厚い留学制度の魅力城西大学附属城西中学校
- 社会課題と向き合う視野と主体性を養う地域連携で実現した探究プログラム富士見中学校
- ポールダンス日本一に輝いた生徒の世界を見据える夢を全力でサポート目黒学院中学校
- 新教材『TIME ZONES』で高める英語力とテクノロジーのスキル実践学園中学校
- Cambridge English スクールに認定4技能5領域を伸ばす山脇学園中学校
- iPadを駆使して映画制作作品発表の場は聖徳映画祭聖徳学園中学校
- ICTを活用し、「未来を見据え、世界を知る、自分を拓く」東京成徳大学中学校
- 新生徒会が始動!生徒みんなの意見を取り入れた活動をめざす女子美術大学付属中学校
- この手で学校の歴史と伝統と未来を!ドルトン東京学園中等部
- 温かくてゆっくりした時間が流れている学校です!中村中学校
- コロナ禍でもグローバルな教育を展開二松学舎大学附属柏中学校
- 英語の4技能もプレゼン力もアップ!富士見丘中学校
- 『行学二道』の精神で文武両道を貫く立正大学付属立正中学校
- 豊かな人生の礎を築く中高時代「共感的対話」を大切にした教育をかえつ有明中学校
- 伝統と校風を守りながら変化に対応した教育を推進成城中学校
- IB教育と中高大連携により21世紀を切り拓く女性を育成東京家政大学附属女子中学校
- 自発的な学びを促す仕掛けで生徒たちの才能を育む横浜女学院中学校
- 自分で考える力、伝える力を育んで「心から楽しい!」と思える人生を西武台新座中学校
- 知ってほしい母校の魅力卒業生が発信する“今を生きる卒業生の姿”桐朋女子中学校