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私立中高進学通信

2021年8月号

私学だからできるオリジナル教育

聖徳学園中学校

iPadを駆使して映画制作
作品発表の場は聖徳映画祭

課題を作品へと昇華する独自のSTEAM教育を実践する同校。
中1生はクレイアニメーション映画の制作に取り組み、3学期に作品を発表しています。
「聖徳映画祭」で優秀賞を受賞したグループの生徒たち。「発表の場があることが重要です」と鶴岡先生。

「聖徳映画祭」で優秀賞を受賞したグループの生徒たち。「発表の場があることが重要です」と鶴岡先生。

映画制作につながる
教科横断型授業を展開

 グローバル社会に貢献できる人材を育むために、STEAM(※1)教育を先進的に取り入れてきた同校。総合学習のカリキュラムに「STEAM」(中1~中2)、「SDGs」(高1~高2)の授業を設け、SDGs(※2)をテーマにICTを活用した課題解決型の学びを行っています。

 中1の「STEAM」の授業では、生徒たちがiPadを使ってクレイアニメーション映画を制作し、年度末の3月に開催される「聖徳映画祭」で作品発表を行っています。「STEAM」の教科担当である鶴岡裕一郎先生は、映画祭開催までの1年間を通して生徒たちは多様な学びを体験していくことになると話します。

「映画制作のために教科横断型の授業を行っています。美術では画角・構図・色彩、音楽では作曲、国語では脚本の書き方など、各教科で学んだことを作品に反映させていきます。
 映画祭では作品の上映前にテーマ選定や制作過程を審査員に説明するプレゼンテーションを行いますので、総合の授業では発表のテクニックを磨く時間も設けています。映画制作という目標があることで、生徒たちは各教科の授業も積極的に取り組むことができます。今後は各学年で教科の連携をさらに広げていきます」

※1 STEAM…Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Arts(芸術)、Mathematics(数学)の頭文字を組み合わせた言葉。教科横断型で総合的に学習する。同校では、Artsを芸術的な側面だけではなく、リベラルアーツとしても捉え、問題解決に向けて創造的なアウトプットを行う学びとしている。

※2 SDGs…「Sustainable Development Goals」(持続可能な開発目標)。2015年の国連で採択され、17のゴール、169のターゲットから構成される。

作品テーマはSDGs
社会貢献の精神を培う

 中1生は、1学期にiPadの使い方やプログラミングなどICTの基礎と同時に、SNSなど大勢の人が参加するコミュニティでのふるまい方を学び、2学期から男女混成の5~6人のグループに分かれ、映像制作に着手します。

「グループワークで異なる視点を持ち寄り、一つの作品をつくり上げることが大切です。グループで話し合う中で、監督、脚本、絵コンテ、音楽、編集などの役割分担ができ、作品を形にしていきます」

 作品のテーマはSDGsをキーワードに選定されます。

「世界の中での自分の立ち位置を認識し、具体的に何ができるのかを考えることで、社会貢献の精神が培われます。中学の学びでは多様性を重視し、中2でビジネスプラン、中3で地域が抱える課題の解決に取り組みます。
 高校からは世界へ視野を広げ、国際的な問題の解決を実行する探究型授業を行います。中高6年間を通じてSDGsと向き合う学習を継続していきます」

 生徒たちの成果を発表する場所も用意されています。

「中1から高2の生徒による『SDGs FES』を3月に実施します。生徒たちには中1の映画制作を端緒に、『聖徳STEAM』でクリエイティビティを発揮できる高度なICTスキルの習熟はもちろん、自分のやりたいことが社会貢献につながるような発想ができる実力を育んでもらいたいと思います」

映画祭で重要なプレゼンテーション

 昨年度は全19作品が制作されましたが、今年度は25作品程度になる予定です。映画の本編は3分間ですが、映画祭では上映前に2分間のプレゼンテーション、上映後に審査員からの質疑応答の時間があります。審査員は、学校長、芸術科の教員に加え、映画監督もお迎えしています。

 プレゼンテーションはグループ全員で行いますが、それまで人前に立って発表することを苦手にしていた生徒が、堂々とプレゼンテーションを行う姿も見られます。生徒たちの1年間の成長を感じるうれしい瞬間です。(鶴岡先生)

グループ全員で行うプレゼンテーション。作品にどんな思いを込めたのか、制作ではどんな工夫をしたのかなどについて発表していきます。グループ全員で行うプレゼンテーション。作品にどんな思いを込めたのか、制作ではどんな工夫をしたのかなどについて発表していきます。
審査員の先生から講評を受ける生徒たち。審査員からの質疑応答があることで、自分たちの発想になかった視点に気づきます。審査員の先生から講評を受ける生徒たち。審査員からの質疑応答があることで、自分たちの発想になかった視点に気づきます。
中1「STEAM」の1年間の授業内容
1学期 各種ICTサービスの特徴と使用方法
SNSでのふるまいについて
SDGsとは何か?
パソコン、iPad、AIと私たちの違い
iPad向け学習ツール「Swift Playgrounds」を使ったプログラミング
2学期 SDGsについての調べ学習
個人プレゼンテーション
映画制作(脚本・絵コンテ作成 etc.)
3学期 映画制作(撮影・編集 etc.)
映画祭での作品発表
ICTのスキルはクリエイターレベルに
グループに分かれて映画制作を行います。つまずきと試行錯誤を繰り返しながら、一つの作品が生まれていきます。グループに分かれて映画制作を行います。つまずきと試行錯誤を繰り返しながら、一つの作品が生まれていきます。

 映画の撮影はiPadのカメラで行い、コマ撮りでアニメーション動画を作成できるアプリケーションを使用します。

 ICTの技術的な学びについては、中1での映画制作を経て、中2からAdobeのPhotoshopなど社会に出てからも利用するようなアプリケーションで画像を加工する授業も行っています。高校では、さらに本格的なグラフィックデザインや動画編集ソフトを使いこなし、クリエイティブ分野のプロとして即戦力になるまでのレベルをめざしています。

 中学生は、大人がひるんでしまうようなICTの難しい技術も素直に吸収します。InstagramやTikTokなどのSNS動画に慣れ親しんでいることもあり、どの生徒も映画制作を楽しんでいるようです。中1時の経験から、クリエイティブの世界に強い興味を抱く生徒も出てきています。(鶴岡先生)

先生から一言
映画制作で輝く生徒がいます
情報システムセンター長/鶴岡裕一郎先生情報システムセンター長/鶴岡裕一郎先生

 最も大事にしているのは、映画祭が終わった後、生徒たちに楽しかったと思ってもらうことです。クレイアニメーション制作は、すべてをコマ撮りしていく、大変な労力と時間がかかる作業です。校内にあるような身近な材料を使い、決められたスケジュール内に周囲と協力して一つの作品をつくり上げていく過程は、生徒にとって貴重な経験となります。

 毎年完成した作品には感動させられます。特に昨年は、学校に登校できない時期にも、生徒たちがオンラインで自主的に話し合いを続け、自宅で撮影した映像や音楽を持ち寄り、最終的に編集して作品を仕上げました。

 体育祭や文化祭で活躍する生徒がいるように、この映画制作で輝く生徒がいます。教員と生徒の距離も近く、どんな生徒にも居場所がある――本校の素晴らしい文化だと感じています。

進学通信 2021年8月号
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