私立中高進学通信
2021年2・3月合併号
実践!私学のグローバル教育「授業」
獨協中学校
135年も実践し続けるグローバル教育
その学びは、いわば当然のスタイル
創立当時からドイツ文化と深いつながりがあり、「ドイツ研修旅行」などの海外研修はもとより、国内でも数多くの異文化体験の機会を用意している同校。グローバル教育が学びの根底にあります。

アクティブラーニングルーム「TECLab」。
スタッキング可能な可動机なので、前面のスクリーンと左右の4台のモニターを活かしながら、
グループワークがスムーズに行えます。
伝統の校風×先進性で
世界への視野を広げる
創立137年の伝統を誇る男子中高一貫校である同校。2019年、教育理念を定義し直し、「豊かな人間性」「切り拓く知性」「柔らかな感性」を柱とする「獨協ディプロマポリシー(※1)」を策定しました。それに基づき、創立当時から脈々と受け継がれてきたグローバル教育にさらなる力を入れています。
たとえば、ドイツやアメリカへの海外研修、国内での異文化交流など生きた英語に触れられる数多くのプログラムが用意されています。また英語の授業を週7時間、ネイティブ教員による授業を年間35回設け、「スピーチコンテスト」をはじめとする多彩なコンテストも実施しています。さらに高校では第2外国語としてドイツ語を履修できるなど、同校の外国語教育プログラムはとても充実しています。その成果は、2020年にロンドン大学への合格者・進学者を出したことなどに着実に表れています。
今回取材した授業は、図書館に併設された「TECLab(テクラボ)」で行われた高1の英語の授業です。「TEC Lab」は、都内でも最新の機能を持ったアクティブラーニングルームで、前後の壁が全面ホワイトボードになっているほか、前の壁には3台のプロジェクターを連結させて映し出すことができ、さらに教室の左右に4台の電子黒板付きモニターが設置されていて、合計7グループのグループワークに対応できるようになっています。全員がノート型PCを使用し、大型モニターを活用した先進的な授業が行われています。
取材当日の授業では、スウェーデンの学生環境活動家、グレタ・トゥーンベリさんのスピーチ動画を題材にしたリスニングや、写真を見ながらの即興英文作成、「動物園はいる?いらない?」をテーマとした英語によるディベートの練習など、「TECLab」の環境をフルに活用した、テンポが速く密度の濃い授業が展開されていました。
「意見を述べる時は理由を添えるということを中1から訓練しています。また、集中力を維持しながら少しだけ背伸びをしたレベルを意識し授業のテンポを速めにしています。内容に合わせて緩急はつけますが、ゆっくりめに話すと生徒にとっては逆に遅すぎるようです。競争や褒められることが大好きな男子の特性に合わせて、単語ゲームなどの教材を積極的に取り入れ、英語力を鍛えています」(英語科/藤田麻友美先生)
135年を超える伝統に根ざしながら、先進的なものを積極的に取り入れ、男子教育を時代の変化に合わせ、日々進化・発展させています。
※1 ディプロマポリシー…生徒が卒業時に最低限必要な能力を明示したもの。学位授与方針。


語学力と幅広い視野を養うことができる
多彩なグローバル教育
国内ミニ留学 (中1) |
長期休暇中の4日間、学校に通いながらネイティブ教員と英語漬けの少人数レッスンを受けます。 |
---|---|
TGG(※2)研修 (中2) |
東京都江東区青海にある最新施設で、入国審査、ホテルのチェックイン、アナウンサー体験などを英語で学びます。 |
ブリティッシュヒルズ (中3) |
福島にある「パスポートのいらない英国」がコンセプトの宿泊型体験施設で、3泊4日の留学体験をします。 |
シアトルへのホームステイ (高1) |
17日間の滞在中には、さまざまなアクティビティや世界的企業への見学など豊富なプログラムが用意されています。 |
ハワイ修学旅行 (高2) |
ハワイ大学の協力のもと、独特の文化と自然を学びながら、仲間とのかけがえのない4泊6日を過ごします。 |
ドイツ研修旅行 (中3~高2) |
夏休みの約10日間で、ベルリン、ハノーファー、ミュンヘンなどの都市を訪れ、ホームステイしながら環境教育施設や現地校などで学びます。 |
※2 TGG…「TOKYO GLOBAL GATEWAY」。東京都教育委員会と株式会社TOKYO GLOBAL GATEWAYが提供する体験型英語学習施設。


生徒インタビュー
10日間の「ドイツ研修旅行」について聞きました
――研修に参加して感じたことは?

髙橋悠斗さん(高1)
英語でもっとコミュニケーションが取れるようになりたくて参加しました。ホスト先は、教員をしているホストファーザーとハンガリーから来ていた20代の留学生の二人が住む家で、とても楽しかったです。ジェスチャーを交えながらも、なんとかやり取りできて少し自信がつきました。
田坂大翔さん(高1)
ホストファミリーの近所の方たちと一緒にテニスの試合を見に行ったりしたのですが、日本よりも近所の方との関わりが多いことに少し驚きました。
――研修中の思い出は?

田坂さん
生物教育園という施設で、栽培された作物を収穫しサワークリームソースを作りました。それと、街を走るトラム(路面電車)の車内への光の取り入れ方など、自然と街並みが調和していることに感心しました。
髙橋さん
「Friday For Future(※3)」というデモに参加しました。デモに参加するのは初めてでしたが、明るい雰囲気で驚きました。外国人である自分に対しても親切にしてくれる人が多く、世界にはいろいろな人がいるのだと実感しました。
※3 Friday For Future…スウェーデンの環境活動家であるグレタ・トゥーンベリさんの気候変動に関する呼びかけで、世界に広まった草の根運動。

世界的な盛り上がりを見せたデモに偶然参加することに。
海外研修ならではの貴重な体験になりました。
先生より一言
海外大学への進学希望者が増えています

ここ数年、日本の大学に進むのではなく、直接、海外大学への進学をめざす生徒がコンスタントに出てくるようになってきています。
この春にロンドン大学に現役で進学した生徒は、高1の時自らディベート同好会を設立し世界大会に出場したことが、海外大学志望の大きなきっかけになっています。最初は6人からのスタートでしたが、今では約30人まで部員も増え、放課後に中3以上の生徒を中心にディベートの練習を行っています。
そうした先輩に憧れる生徒たちも多く、海外大学進学をめざす生徒がますます増えてくることを期待しています。
(この記事は『私立中高進学通信2021年2・3月合併号』に掲載しました。)
獨協中学校
〒112-0014 東京都文京区関口3-8-1
TEL:03-3943-3651
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