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私立中高進学通信

2021年2・3月合併号

実践!私学のグローバル教育「授業」

横浜富士見丘学園中学校

異文化を理解し共に生きるための
課題を探る『Global Eye』

中3生が多彩な国からやってきた留学生と3日間、英語で交流する『Global Eye』。2020年度は課題解決を考える取り組みを行いました。
3日間にわたる交流の成果発表の準備をする中3生と留学生。少人数グループで協働するうちに、英語が苦手な生徒も自ずと英語で話すことに慣れていきます。

3日間にわたる交流の成果発表の準備をする中3生と留学生。
少人数グループで協働するうちに、英語が苦手な生徒も自ずと英語で話すことに慣れていきます。

英語が母語でない留学生と
3日間じっくりコミュニケーション

 2019年度より共学化し、新しい歴史を刻み始めている同校。グローバル教育には古くから力を入れており、実践的な「使える英語力」を育て、異文化理解力を育てる多彩な教育プログラムを展開してきました。なかでも世界各国からの留学生と3日間、英語のみでコミュニケーションを図る英語プログラム『Global Eye』は、自発的に英語を使う力を磨き、グローバルな視点で物事を見る目を養うまたとない機会になっています。

 アジアやアフリカなど、英語圏以外の国から来た留学生を招いているのも、このプログラムの特徴です。中3生全員が参加し、留学生に出身国の文化や生活習慣について聞いたり、生徒が自分の住む地域について話したりと、英語で会話のキャッチボールをしながら、異文化理解を深めていきます。

 同校では中1・中2のクラスの副担任をネイティブ教員が務めており、生徒たちには英語を聞くことに対する抵抗感はないものの、自分から話しかけたり、質問や提案をしたりすることにはまだ慣れていません。そのため、留学生1名と生徒4名という少人数でグループをつくり、話さざるを得ない環境にすることで、しっかりと交流できるように促しています。

外国人が日本で困ったエピソードを
英語の寸劇でプレゼンテーション

 2020年度の『Global Eye』は、初日と2日目はゲームやアクティビティで徐々に交流を深め、最終日の3日目には「外国人が日本で生活するときに困ること」について、グループごとに事例を挙げて解決方法を考え、寸劇形式のプレゼンテーションを行いました。留学生から生の声を聞いて、生徒たちは真摯に考え、解決する策を一生懸命に話し合いました。

「グローバル化が進めば進むほど、国際情勢は複雑さを増すばかりです。そうした社会で生きていくために、私たちにできることは、世界にはさまざまな人たちがいることを知り、その人たちを先入観や抵抗感なく受け入れられるようなマインドを育てることだと思います」(駒嵜健校長先生)

 2021年度からはSDGsをテーマにした高1対象の『Global Eye』も実施し、他教科とも関連付けながら、さらに充実させていく予定です。

『Global Eye』
相手の生の声を聞き、世界の多様性を感じ取る3日間
留学生とワークショップやディスカッションを共に体験する3日間を過ごし、すっかり打ち解けました。留学生とワークショップやディスカッションを共に体験する3日間を過ごし、すっかり打ち解けました。

 2020年11月に行われた『Global Eye』には、イタリア、エジプト、エチオピア、ベトナム、マレーシア、インドネシア、インド、ブラジルなど、世界各国から日本にやってきた留学生が参加。留学生1名に対して生徒3~4名編成のグループで3日間、英語のみを使って過ごしました。

 生徒たちは会話のきっかけになるように、出身国のあいさつや食べ物、史跡などを事前に調べておくなど、万全の準備で留学生を迎えました。

 今回の『Global Eye』では、留学生から「日本に住む外国人が困ること」についてヒアリングし、どのように解決していけばいいのかを考えました。

 あるグループでは「市役所の窓口で住民票の写しを申請する案内が、日本語表示のみでわかりにくくて困った」という実体験を留学生から聞き、窓口の多言語対応の必要性に加え、国によっては「住民票」という仕組みがないことに気付きました。その他、お店やレストランでの困りごとや、食文化や習慣の違いなど、さまざまな課題をグループごとに発表し、解決に向けた方法を提案しました。

 最終日には、留学生とすっかり打ち解けた生徒たち。さまざまな違いを乗り越えて語り合った喜びや、英語圏以外の文化や歴史に初めて触れた感動が、多様性を尊重する態度の育成につながるのではないでしょうか。

 また、留学生と3日間を過ごすことで、生徒たちの英語力も飛躍的に伸びていきます。同校では英検受検にも力を入れており、2019年度には英検取得率が極めて高い団体に贈られる「ブリティッシュ・カウンシル駐日代表賞」を受賞しています。

 基礎力とコミュニケーション力の両面を鍛えていく同校の英語教育は、生徒の英語力を飛躍的に伸ばしていくでしょう。

校長先生より一言
2050年の日本を考えて
グローバル教育を展開する
駒嵜 健校長先生駒嵜 健 校長先生

 20年、30年後の日本は、海外からさまざまな国の人を受け入れ、共に学んだり働いたりするのが当たり前の社会になっていると思います。

 そのような未来に備えるには、相手の国の文化や価値観などのバックグラウンドを学ぶ機会を設けることが必要です。海外の人たちとのコミュニケーションが楽しいのは、互いの国の文化や生活様式の違いなど、未知のことを知る喜びがあるからです。

 英語を使えば、背景が多様な人たちとコミュニケーションできるということを、生徒たちに実感させたいと思い、『Global Eye』を4年前から実施しています。

 2020年の取り組みでは、すでに英語の得意な生徒がイスラム圏から来た留学生と一緒にグループ活動をし、「国によって発音はまちまちでも、英語が通じることがわかった。こうした経験ができて良かった」と話してくれました。ぜひ、多くの生徒にこうした気付きを得てほしいと思います。

生徒たちがワークショップで模造紙に書いた文字やイラスト。
さまざまな工夫をしながらコミュニケーションを図った様子がうかがえます。

(この記事は『私立中高進学通信2021年2・3月合併号』に掲載しました。)

横浜富士見丘学園中学校  

〒241-8502 神奈川県横浜市旭区中沢1-24-1
TEL:045-367-4380

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