私立中高進学通信
2025年4月号
校長先生はこんな人!
佐野日本大学中等教育学校
豊富な「大学連携プログラム」と
「体験教育」による人間的成長が
学力の“後伸び”を育みます

舩渡川 重幸(ふなとがわ・しげゆき)校長先生
1958(昭和33)年、栃木県佐野市出身。佐野日本大学高等学校を卒業後、大学に進学。
卒業後、民間企業に就職。その後、大学の文学部第二部教育学科(夜間部)に学士編入し、教員免許を取得。
1988年、母校である佐野日本大学高等学校に社会科教諭として赴任。
2015(平成27)年に佐野日本大学中等教育学校の教頭、2020(令和2)年春に校長就任。
遠回りをしても
諦めなかった教員への道
私が教員をめざしたのは、大学時代の体験がきっかけでした。大学2年の時に友人に誘われ、小学生を対象に教育活動を行うボランティア団体に参加していたのです。
夏は登山やキャンプ、冬はスキーとさまざまな体験、経験を積むなかで、小学生が精神的にも肉体的にもぐんぐん成長していく姿を目の当たりにし、子どもの成長に関わる教員という職業に就きたいと考えるようになったのです。
とはいえ、その時、すでに私は大学3年生。大学では商学部に籍をおき、企業への就職内定もいただいていました。その時はそのまま、大手電機メーカーに就職したのです。しかし、私の教員になりたいという気持ちは変わりませんでした。仕事をしながら大学の文学部教育学科の夜間部に学士編入し、必死で勉強を続けて教職課程取得をめざしました。
私の意志を尊重してくれた上司にも恵まれ、会社を円満退社。29歳の時に願いが叶い、縁あって母校の佐野日本大学高等学校にて、社会科教員となりました。そこからもう40年近くが経ちます。
今でも忘れられない
佐野日大高校の恩師の言葉
振り返ると、直接のきっかけこそ大学時代でしたが、小中高時代、素晴らしい先生と出会えたことも、私が教育者をめざす礎になっていました。なかでも高校で2年間英語を教わったK先生からいただいた魔法の言葉は、今も心に残っています。答えを間違えた時に先生は、「答えは違うがセンスがある。いい発想だ」と褒めてくださったんです。当時、私は学力にも自信がもてず、無気力に高校生活を送っていました。ですがその言葉で、自分が認められた気がして発奮しました。
その体験は、私自身が教員になってからは、生徒との交流で心掛けることの一つになりました。まだ若く、明確な目標がもてずに一歩踏み出せずにいる生徒の背中を押してあげること。それは成長過程にあたる中等教育に携わる者として大切な役割だと思っています。
高等学校も含めて本校の生徒は母校愛が強く、卒業生が本当によく遊びにきてくれます。生徒と教員の距離が近く、勉学だけに止まらない温かい交流ができているからこそです。在校生を見ても、放課後には多数の生徒が職員室を訪れます。
実は私も、趣味を活かして休眠していた鉄道研究会を復活させ、不定期ながら校長室に鉄道好きの中高生を集めて鉄道について語り合っています。今の目標は鉄道研究会の会員数を増やして正式な部活動に昇格させること。そうしたチャンレンジも、生徒が学校生活を楽しみ、何事にも前向きに進むための体験にしてもらえたらと思っています。
付属校ならではの
豊かな大学連携が育むもの
本校は『磨こう心・輝く知性・拓こう未来』を教育目標に掲げ、生徒の能動性と可能性を引き出すサポートを全力で行っています。中学で基礎学力の向上を重視するからこそ、高校での学力の“後伸び”は目覚ましく、生徒は皆、イキイキと学校生活を送っています。
そこで大切にしているのは「体験教育」です。2017年からはユネスコスクールとしての活動にも取り組んでおり、中学では農村・漁村体験など特色ある取り組みも行っています。高校では全員参加のイギリス研修以外にも、イギリス・アメリカ・オーストラリア・中国・マレーシア・ハンガリーなど各国の姉妹校での研修旅行も人気です。体験した生徒はみな、視野を広げて帰国し、進路選択や学習にも積極的に取り組む成長が見えます。今後も単なる国際交流には終わらせない、深みのある国際教育をめざしていきます。
また本校は、16学部86学科を擁する日本大学と密に連携しています。「総合的探究」の時間では、中学生が日本大学の海洋研究施設と連携してマイクロプラスチック問題を学んだり、大学各学部と連携して大学教授の知見を学んだり、さまざまな実験や講義、発表会を積極的に行っています。
もちろん日本大学への付属推薦制度も充実しています。難関大学への進学実績も上昇しており、生徒の希望に合わせた進路選択ができるのは本校ならではの強みです。今後は日本大学進学志望者の希望を100パーセント叶え、海外大学に挑戦する生徒のサポート体制も充実させていきたいと考えています。
本校での生活は“毎日が体験”であり“毎日が学び”です。ぜひ本校で多くの刺激を受け、志と目標をもって具体的に動く人へと成長していってほしいと思います。

[沿革]
「日本文化を基調として世界の文化を探求し、もって人類の平和と福祉に寄与する」を佐野日本大学学園建学の精神として、1964(昭和39)年に佐野日本大学高等学校が創立。1988年、同校の前身である佐野日本大学中学校が開校し、2010(平成22)年、佐野日本大学中等教育学校となる。いち早くICT教育を採り入れた。2017年、栃木県内の中等教育学校としては唯一、正式な加盟承認を受け、ユネスコスクールとしての活動をスタート。国際教育や環境教育にも積極的に取り組んでいる。
(この記事は『私立中高進学通信2025年4月号』に掲載しました。)
佐野日本大学中等教育学校
〒327-0192 栃木県佐野市石塚町2555
TEL:0283-25-0111
進学通信掲載情報

PICK UP!!
紹介する学校
- 伝統と革新が融合 生徒の主体性が光る大運動会国府台女子学院中学部
- さまざまな集団となって競い合う 一体感と熱気あふれる中学体育祭駒込中学校
- 伝統を紡ぐ華やかなダンス 生徒を成長させる生徒運営の運動会実践女子学園中学校
- 生徒全員が個性を活かして活躍 誰もが主役となる「中山祭」聖望学園中学校
- 「合唱」を通して生まれる団結力 一人ひとりの個性がクラスの力に帝京中学校
- 「和」の教育理念のもと、次世代リーダーを育む学校の魅力光英VERITAS中学校
- 実践的な教育で躍進する狭山ヶ丘高等学校付属中学校狭山ヶ丘高等学校付属中学校
- 「個性」「共感力」「社会力」を育む学校、卒業生が語る魅力とは東京家政学院中学校
- 学校案内を企画・運営して成功させ 輝く星のような有志団体『STARs』聖徳学園中学校
- 自分事として「本物」を見る 目と耳で確かめる東北学習旅行鴎友学園女子中学校
- 整理整頓から自己管理を徹底し 自主的に取り組む行事で成長成城中学校
- スペイン語を学び、未来へと羽ばたく森村学園中等部
- 勉強とクラブ活動の両立に励んでいます八千代松陰中学校
- 豊富な「大学連携プログラム」と「体験教育」による人間的成長が学力の“後伸び”を育みます佐野日本大学中等教育学校
- 生徒の主体性を尊重し 夢を叶えられる理想の学校へ横浜富士見丘学園中学校


