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私立中高進学通信

2024年4月号

キャリア教育の現場から

秀明大学学校教師学部附属秀明八千代中学校

多彩なテーマの“本物”に触れる講座で
興味・関心を進路につなげる

「ソフトパラフェンシング」体験講座

「ソフトパラフェンシング」体験講座
「車いすフェンシング」を参考にして考案された「ソフトパラフェンシング」を、用具を作るところから実際に体験。
考案者の植草学園大学発達教育学部准教授 遠藤隆志先生から、ダイバーシティの重要性なども学びました。

2023年度から始動した同校独自の『土曜講習キャリアプログラム』。進路選択の土台づくりをめざす取り組みについて取材しました。

多彩な分野の専門家が集結!
やりたいことを見つける機会に
さまざまな交流から培った人脈を活かして講座を立案する、進路指導部長の鈴木仁宏先生。さまざまな交流から培った人脈を活かして講座を立案する、進路指導部長の鈴木仁宏先生。

 学校教育目標に『ダイバーシティ&インクルージョン』を掲げ、多様な他者や価値観を認め合う学校づくりを進める同校。さまざまな体験活動を通して、世の中とつながる力を育てる独自の『PGTプログラム』を実践し、未来を拓く「実践力」「国際力」「伝統力」を育んでいます。より多彩な体験から学ぶ機会を提供するため、同校では2023年度から『土曜講習キャリアプログラム』をスタートさせました。同プログラムについて、進路指導部長の鈴木仁宏先生はこう話します。

「キャリアプログラムの最大のねらいは、生徒に広く社会や世界を知ってもらい、知的好奇心を触発することにあります。さまざまな分野の専門家と交流することで、やりたいことを見つけることが目的です」

 1学期は5月に10講座、2学期は10月に15講座を開講。参加は希望制で、中1から高2までの多学年が共に学びます。『ストップ地球温暖化』『食料問題を食用コオロギで解決しよう』『難民支援』など多彩なプログラムが並び、ラインナップはすべて鈴木先生の立案です。多彩な分野の専門家に講師を依頼し、具体的な内容を一任。中高生が楽しく学べるよう、ワークショップや身体を動かすアクティビティが組み込まれているのも特徴です。

「進路指導部長として日々、さまざまな人と会い、話すなかで、 “これは生徒にも聞いてほしい”と感じたトピックについて、その場で講師をお願いすることも多いです。講師の方々に『中高生でもわかりやすくテーマを深める講習にしてほしい』とリクエストしたところ、皆さん素晴らしい内容を考えてくださいました。私自身、いくつもの講座に参加しましたが、思わず引き込まれてしまうものばかりでした」

キャリアプログラムを通して
社会への問題意識を喚起する
分科会『元ファイザー研究員の製薬体験ワークショップ』の告知チラシ。生徒たちの興味を引き付けようと、鈴木先生が作成しています。分科会『元ファイザー研究員の製薬体験ワークショップ』の告知チラシ。生徒たちの興味を引き付けようと、鈴木先生が作成しています。

『土曜講習キャリアプログラム』には、生徒全員が受講する『全体会』と、希望の講座を受講する『分科会』があります。

「全体会では、地域に住む原爆被爆者の方からお話を聞く『平和・命』の講演など、生徒たちに普遍的に知ってほしいことを開講しています」

 講習を通して日本や世界、地球規模の諸問題について、生徒に問題意識をもってもらいたいと話します。

「簡単にスマホで情報にアクセスできる今、社会問題に関してついわかった気になり、否定的なことは言うものの解決策までは行き着きません。こうした傾向は、大人だけでなく子どもたちにも顕著です。
 その点、キャリアプログラムの講師の皆さんは、諸問題に本気で取り組んでいる方ばかり。リアルな社会問題に触れ、真剣に解決策を見い出そうとする人との交流は、生徒にとって大きな経験になります。当事者意識をもち、自分たちには何ができるのかを考えるきっかけにしてほしいと思います」

 プログラムに学年の枠はなく、中1~高2の全生徒が参加可能です。

「早い時期からさまざまな分野を知り、触れてみることは、その後の文理選択や進路選択に役立ちます。なんとなく参加した講座のなかで、興味をひかれる分野に出会うかもしれません。適性や興味関心の方向を見極めるためにも、ぜひ活用してほしいですね」

 受講した生徒からは、「講師の方の経歴を聞くのが楽しかった」「将来、進みたい分野の話をたくさん聞けたのがよかった」など好評価を得ており、同プログラムは今後もいっそう内容を充実させながら継続していく予定です。

「2024年度からは、平日の放課後にも開講し、現在は単発で行っているプログラムを系統化するなど、より参加しやすい仕組みを整えていきます。いずれは、社会科見学のような校外で行うプログラムも実施したいですね。
 生徒たちには、プログラムで得た発見や経験、学びだけでなく、講師の方との『出会い』も大切にしてもらいたいです。人との出会いやつながりは、人生を豊かにしてくれます。このチャンスを活かして、進路選択にもつなげてほしいと期待しています」

ドーム映像「いのちの旅」

ドーム映像「いのちの旅」
株式会社アイカムの川村智子社長が主催するこの講座では、移動式エアドームと映写装置一式を搬入。生徒はドームに入り、ドーム内に映し出された人間の細胞や組織の顕微鏡映像を視聴します。本物の“生命の神秘”を目撃し、いのちを実感する体験です。

「スポーツアスリートの生き方」ワークショップ

「スポーツアスリートの生き方」
ワークショップ

株式会社リクルートの社員兼チアリーディング日本代表の現役アスリートの佐藤葵氏が講師を務め、仕事とスポーツの両立についての実体験を講義。このほか最新の栄養学やパーソナルトレーニングなど、スポーツ関連のプログラムも多数開講。トップアスリートの生徒が多く在籍する同校らしいプログラムです。

介護福祉士が伝える「認知症のある方のパートナーに!」

介護福祉士が伝える
「認知症のある方のパートナーに!」

介護福祉士として介護の現場で働くメディカルケアサービス株式会社の認知症戦略部長である杉本浩司氏を講師に迎え、「認知症」についての正しい知識を得て、「認知症」や「少子高齢化」という社会的なテーマについて考えました。

「グローバル・シチズンシップ」講座

「グローバル・シチズンシップ」講座
立命館アジア太平洋大学(APU)の東京オフィス所長代理の岩山隆海氏が講師を務め、これからの国際社会が求める「真の国際人」について講演。生徒からは「今の国際社会でどのようなことが起きているのか、APUはどんな大学なのかがよくわかりました」との感想が寄せられました。

土曜講習キャリアプログラムを体験した生徒に聞きました
専門的な機器を使ってPCR検査を体験薬学に興味をもちました
横浜薬科大学の千葉康司教授と吉門崇准教授が指導してくれました。横浜薬科大学の千葉康司教授と吉門崇准教授が指導してくれました。

 PCRを利用して、マイクロピペットで野菜の遺伝子解析実験を体験しました。薬学にまつわるいろいろな話を聞くこともでき、今まで進路に薬学は考えていませんでしたが、今回のキャリアプログラムを通して興味をもちました。(高1生)

 授業で習った範囲を応用したテーマだったので、わかりやすく、面白かったです。研究者の仕事内容やこれまでの経歴を聞いたことも、ためになりました。普段はできない学びに触れられるので、キャリアプログラムはとても良い場だと思いました。(高1生)

(この記事は『私立中高進学通信2024年4月号』に掲載しました。)

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