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私立中高進学通信

2024年4月号

キャリア教育の現場から

啓明学園中学校

「アットホームな国際社会」
世界に羽ばたく国際人を育てる

「カンボジア裁縫プロジェクト」でお世話になっている現地の方々と子どもたちと。

「カンボジア裁縫プロジェクト」でお世話になっている現地の方々と子どもたちと。

3万坪の広大な校地に幼稚園から高校までを構える啓明学園は、「国際生」が全校生徒の3割を超えています。2023年から同校の理事長に就任した夏坂真澄先生に、キャリア教育についてお話をお聞きしました。

ビジネス界から教育界に転身
海外で通用する日本人を
啓明学園理事長/夏坂真澄先生啓明学園理事長/夏坂真澄先生

 1940年、三井家総本家11代目の三井高維により創立された啓明学園は、『世界を心に入れた人を育てる』を教育目標に、国際社会で活躍する人材を育成してきたグローバル教育の伝統校です。同校は帰国生や外国籍の生徒、国内のインターナショナルスクール出身者を含む「国際生」が全校生徒の3割を超え、日常を通して異文化と触れ合う、“多文化共生キャンパス”を体現しています。

 同校の夏坂真澄理事長は、2022年にビジネス界から教育界へ転身し、同校の非常勤理事を経て、2023年に学園理事長に就任しました。夏坂理事長は1979年に花王株式会社に入社後、企業内留学でアメリカに渡り、ヨーロッパでマネジメントに携わるなど海外経験が豊富です。

「企業内留学を経験する前の私は、英語は読めても話せない、典型的な日本人でした。だから留学先のシアトルで部屋を探したり、アパートに電気を引いたりするのも一苦労。クォーター(25セント硬貨)をどっさり用意して電話ボックスにこもり、業者に何度も電話して、一人で生活のインフラを整えました。アメリカでは『セルフヘルプ』と言いますが、日本語にすると『天は自ら助くるものを助く』。自分で何とかしようと頑張っていると、不思議なことに誰かが助けてくれるんです。これはアメリカ社会の基本精神ですが、この考え方は海外で仕事をするうえでとても役立ちました」

 夏坂先生が教育界へ転身したのは、グローバル社会を迎え、海外で仕事ができる日本人を育てる必要性を強く感じたからだと言います。

「海外で活躍するには、英語を話せるだけでは不十分です。大切なのは相手の国の文化や歴史を理解したうえでコミュニケーションを取れるかどうか。本校は異なるバックグラウンドをもった帰国生や外国籍の生徒と、日本人の生徒が共生しているため、これまでの私の経験が役に立つのではないかと思いました」

1940年の創立以来
主体的な学びを実践

「本校は伝統として体験学習を大切にしてきました。たとえば2014年度から高校で実施している『カンボジア裁縫プロジェクト』。カンボジアの貧困家庭を支援する取り組みで、日本で集めた布を現地のお母さんたちに渡し、バッグなどを縫ってもらいます。そうしてでき上がった製品を文化祭で販売し、売上金から送金します。また、夏季休暇中にカンボジアに行き、布製品を作ったお母さんたちと交流します。こうした一連のやり取りを通して、生徒たちは机上では知ることのできない大切なことを学んでいきます」

 他にも、2001年度から特定の国をテーマにしてさまざまな課題を調べて発表し合う「国際理解の日」を実施し、年々バージョンアップさせています。また、今までの初等学校に加え2024年度からは中1と高1で「ミュージック・アウトリーチ」が始まります。これはアメリカの教育団体「HEART Global」が展開する、外国人スタッフと生徒が歌やダンスショーを完成させるプログラム。外国人スタッフ約20名が生徒の家でホームステイをする面白い試みです。

「1960年代から続けている『英語・外国語スピーチコンテスト』も、本校伝統の行事です。2024年2月22日にも昭島市民会館(FOSTERホール)で開催されましたが、英語の詩の暗誦をはじめ、弁論ではほとんどの生徒が原稿を見ずに話し、多言語のスピーチも聞くことができます」

創立者が守り抜いた自由が
校風として今につながる
カンボジア研修旅行にて。生徒たちは現地の小中高生と交流するためのアクティビティを考えたり、パフォーマンスを練習したりと、さまざまな準備をして臨みました。カンボジア研修旅行にて。生徒たちは現地の小中高生と交流するためのアクティビティを考えたり、パフォーマンスを練習したりと、さまざまな準備をして臨みました。

 同校を“アットホームな国際社会”と評する夏坂先生。20歳になった卒業生の多くが晴れ着で集まり、一方教員の約2割が同校の卒業生であることも、その愛校心を物語っています。1クラスの生徒数が25〜30名で、レベル別授業が多いため、生徒と先生の距離が近いのも特徴です。

「ビジネスや留学について、生徒が理事長室に話を聞きにくることもあります。この間は梅シロップを作りたいので、校舎近くに落ちている梅の実を拾いたいという生徒が来ました。私が許可を出し、梅シロップを作った感想をレポートしてくださいと伝えたら、レポートと一緒に梅シロップをくれました。おいしかったですよ(笑)」

 発言しやすい同校の環境は、世界で活躍する方々を招く「グローバル講演会」でも、登壇者を質問攻めにするといいます。

  1940年、三井高維は、東京・赤坂台の私邸を校舎とし、帰国子女を受け入れる学校として本校を創立しました。この時代は戦火が拡大する欧州を逃れて帰国する日本人が多かったのですが、帰国生を受け入れる学校がありませんでした。同校は、当時の日本で唯一英語が話せる一種の「自治解放区」だったのです。度重なる軍部の廃校命令にも屈せず学校を守り抜き、今日の同校があります。

「本校は、将来は日本だけにとどまらず世界に羽ばたきたいお子さんに最適な学校だと思います。上智大学や青山学院大学など、英語や国際関係に強い大学への指定校推薦制度も多く、将来への選択肢が広がります。ぜひ『アットホームな国際社会』を中高時代に体験していただけたらと思います」


2023年の「国際理解の日」は、オーストラリアから来日したTrinitity Anglican Schoolの高校生16名を迎えて交流を行いました。2023年の「国際理解の日」は、オーストラリアから来日したTrinitity Anglican Schoolの高校生16名を迎えて交流を行いました。
本校とオーストラリアから来た生徒たちは、お互いの共通点を探すアイスブレーキングゲームを実施。その後、グループに分かれて「2024年に世界の人々に伝えたい言葉」を選び、ポスターを作成しました。本校とオーストラリアから来た生徒たちは、お互いの共通点を探すアイスブレーキングゲームを実施。その後、グループに分かれて「2024年に世界の人々に伝えたい言葉」を選び、ポスターを作成しました。
2023年の「グローバル講演会」は、映画『すずめの戸締まり』挿入歌を担当したテノール歌手の栗原光太郎さんをお呼びしました。歌の披露では、東京藝術大学ピアノ専攻の中ノ森めぐみさんが伴奏。声楽やピアノのテクニックについて、生徒から多くの質問がありました。2023年の「グローバル講演会」は、映画『すずめの戸締まり』挿入歌を担当したテノール歌手の栗原光太郎さんをお呼びしました。歌の披露では、東京藝術大学ピアノ専攻の中ノ森めぐみさんが伴奏。声楽やピアノのテクニックについて、生徒から多くの質問がありました。

(この記事は『私立中高進学通信2024年4月号』に掲載しました。)

啓明学園中学校  

〒196-0002 東京都昭島市拝島町5-11-15
TEL:042-541-1003

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