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私立中高進学通信

2024年4月号

キャリア教育の現場から

森村学園中等部

日本の未来を切り拓く
イノベーションマインドを養う

ディスカッションする中学生たち。

ディスカッションする中学生たち。

時代の変化に向き合い、新しいことにチャレンジし続けられる人材を育成する森村学園。5日間にわたる特別講座「イノベーション・マインド・プログラム」の中1〜中3対象の最終日を取材しました。

5日間集中の
人材育成プログラム
「日本が大好き。自分の国だと思っています」と話す、校長のブレット・マックスウェル先生。「日本が大好き。自分の国だと思っています」と話す、校長のブレット・マックスウェル先生。

 幕末から明治という激動の時代に日米貿易の先駆者として活躍した実業家、森村市左衛門によって設立された森村学園。同校には、創立者を模範とし、失敗を恐れず新しい価値を創造するソーシャルアントレプレナー(起業家精神)を培う風土が受け継がれています。

 2022年度からは、建学の精神である「独立自営」の考えのもと、「イノベーション・マインド・プログラム」と銘打った教育プロジェクトがスタートしています。同校の特色であるランゲージ・アーツ(言語技術)や課題解決型授業を通して総合的思考力を育む「アカデミックマインド」、ICTを活用して探究を深める「テクノロジーマインド」、多様な言語と文化に触れる「グローバルマインド」の3つを学びの軸に、変化の激しい社会で果敢に挑戦を続ける人材を育てるプロジェクトです。

「分析力や問題解決力といった認知能力だけでなく、諦めずに挑戦する勇気、前向きな姿勢、長時間の集中力など非認知能力の育成も重要視しています」と話すのは、校長のブレット・マックスウェル先生です。

「今、地球温暖化から経済問題まで社会を取り巻く問題が山積しています。世界中の人々はそれを十分に理解しています。それにもかかわらず解決に至らないのは、経済的発展と課題解決の両方を叶える方策を見付けられずにいるからです。今、現実として社会に必要なのはビジネスとして成り立つ課題解決策を生み出すこと。これを可能にする存在こそソーシャルアントレプレナーです。本校の生徒たちには中高生のうちから思考訓練を積み重ね、社会課題を乗り越えるアントレプレナーシップを身につけてほしいと思います」

 2023年の夏休みには、5日間集中型の「イノベーション・マインド・プログラム」[BASIC(中1〜中3)]が開催されました。生徒たちはいくつものワークショップを経て、日常風景のなかから問題を見つけ出す観察眼を鍛え、柔軟な発想力でビジネスアイデアに結び付ける解決策を探究するとともに、自分の意見を効果的に相手に伝えるプレゼンテーションの手法についても学びました。

 課題を見つけ出すワークショップでは、スーパーの店内を写した1枚の写真から、食品ロス、過剰包装、電気の使い過ぎといった問題を発見。また、課題の絵を見て作者や描かれた人の気持ちを書き出すワークショップを受けた生徒は、「自分ではない他者の視点で物事を考える難しさを知った」と、課題から受けた手応えを話してくれました。

生徒のアイデアを
社会人ゲストが講評

 最終日は、数名ずつのグループに分かれ、課題を自由に設定したうえで、解決策とビジネスアイデアをプレゼンテーション。マイクロプラスチックによる海洋汚染やSNSでの誹謗中傷、電車内マナーなど、多岐にわたる社会課題が生徒たちから提起されました。

 一つひとつの発表が終わるたびに、ビジネスの第一線で活躍する2名の社会人ゲストから講評がありました。特に高評価を得た発表が「NEW HOME DELIVERY(新しい宅配便)」。二酸化炭素排出量の多いトラック輸送を減らし、物流におけるラストワンマイルの負担を軽減するために「近くを通る人がついでに運ぶ」という斬新なアイデアが披露されました。

ワークショップで
学びを活用

 最後に、中学生がグループリーダーになり、同校初等部生を対象とするワークショップが行われました。「自分の家族をターゲットにして家庭内コーヒーショップを開くとしたら、どんなお店にしたいか?」というテーマで理想のお店を考える内容で、悩む児童に対して、中学生たちはさまざまな助言を送っていました。5日間の学びを活用してみることで、中学生にとっても新たな気づきを得る時間となりました。

 今回は特別プログラムとして開催されましたが、「同様の内容を、今後は探究授業や通常カリキュラムにも取り入れていきたい」とマックスウェル校長先生は意気込みます。

「従来の教育では、いかに知識を増やすかという点が重視されてきましたが、次世代の人々にとってより重要になるのは “知識をどう活用するか”。そうやって育った人材が新しいチャレンジを続ければ、停滞している日本の現状を打破し、社会を発展へと導くことができるはずです」

今回取材した中1〜中3対象の5日間集中型プログラムには約30名が参加。
8グループそれぞれが個性あふれる発表を行いました。

グループワークでは、付箋にアイデアを書き、貼り出していきます。グループワークでは、付箋にアイデアを書き、貼り出していきます。
社会人ゲストからは、「イノベーションには情熱が大切です。ワクワクするほうの道を選び、ワクワクできる仲間をつくる。失敗は当たり前です。最後まで諦めないでください」など、具体的なアドバイスが送られました。社会人ゲストからは、「イノベーションには情熱が大切です。ワクワクするほうの道を選び、ワクワクできる仲間をつくる。失敗は当たり前です。最後まで諦めないでください」など、具体的なアドバイスが送られました。
小学生向けワークショップ。中学生は「値段を高くするならコーヒー以外のサービスも加えてみる?」など、対話を重ねながら小学生のアイデアを引き出しつつ、企画立案をサポートしました。小学生向けワークショップ。中学生は「値段を高くするならコーヒー以外のサービスも加えてみる?」など、対話を重ねながら小学生のアイデアを引き出しつつ、企画立案をサポートしました。
イノベーション・マインド・プログラムに参加しました!

※取材時の学年で
掲載しています

志賀 真優香 さん(中1)
志賀 真優香 さん(中1)

 最終日のグループ発表では、メンバー全員の言いたいことを制限時間内に収めるのに苦労しました。どの内容を入れてどれを省くか、どのように説明すれば相手に伝わりやすいかなどとても悩みましたが、そのぶん成長できたと思います。調べたり、自分の頭で考えたりすることが多く、全てのワークショップが楽しかったです!


松川 優太 さん(中3)
松川 優太 さん(中3)

 もともと発表が得意ではなかったので、将来のことを考えてプレゼンテーションスキルを磨きたいと思い参加しました。ワークショップを通して、自分の常識が他人にとっての常識ではないということが理解できましたし、自分の考えを具体的に説明できるようにもなりました。来年もまた参加したいです!

進学通信 2024年4月号
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