Oops! It appears that you have disabled your Javascript. In order for you to see this page as it is meant to appear, we ask that you please re-enable your Javascript!
LINEで送る

スクールポット中学受験版 - 首都圏版学校情報検索サイト スクールポット中学受験版 - 首都圏版学校情報検索サイト

X フェイスブック

私立中高進学通信

2022年4月号

中1の始め方

狭山ヶ丘高等学校付属中学校

考える力や協働する力、
生活習慣を身につける

批判や否定をせず、お互いに自由に意見を表明して刺激し合うブレーンストーミング。各自アイデアを出し合い、意見を付箋に書いて貼っていきます。同校ではGoogle Workspaceを導入していますが、中1は自分の手を動かして作業することを重視しています。

 自分の心を見つめる『内観』をベースとし、豊かな人間性と高い学力を育んでいる同校。中1生が自分で考えて発表する力を身につけるため、また、自学自習の姿勢を確立するために用意されたさまざまな取り組みをご紹介します。

『マインドマップ』を描き
自分自身を知ることから始める

 中1では、自分自身の『マインドマップ』を作成することから始めます。

「マインドマップとは、キーワードを中心に置き、そこから連想する言葉やイメージを放射状につなげて広げ、思考を整理して発想を豊かにする思考術です。中1はまだ社会や世界と自分とのつながりといった考え方が身についていないので、まずは自分のことから始めます。自分自身や家族、友達など、自分に近いことをテーマに知っていることを整理して描き、でき上がったマインドマップを俯瞰して何が見えるかを考えます。中2になると他者や社会へ視点を広げ、中3では自分で問題点を見つけ出して4000字以上の論文を執筆し、それを元にポスターセッションを行います。自分の研究を分かりやすく他者へ伝えるトレーニングをするわけですが、問題提起をしてみると『自分には知識が足りない』など、最終的には自分の問題に戻ってきて、自己を見つめ直すことにつながります」(教頭・国語科/北谷高志先生)

 さらに、中1ではグループで自由にアイデアを出し合う『ブレーンストーミング』を通して、思考を深める取り組みをします。

 以上の事柄は主に総合の時間に行います。天気が良い日は全員で農作業体験に出かけます。

農作業体験で集団行動を学び
みんなで達成感を味わう
軽登山は年2回開催。中1生はまず高尾山に登り、クラスの絆を深めます。軽登山は年2回開催。中1生はまず高尾山に登り、クラスの絆を深めます。

 同校の特徴的な取り組みの一つが、中1と中2で行う農作業体験です。学年ごとに学校が借りている畑へと、スクールバスで10分ほどかけて移動します。昨年の中1は夏はピーマン、トマト、ナス、冬は大根、白菜などの野菜を植えて生育後に収穫しました。農作業体験は、特に彼らにとっては大切な学びの時間です。

「農具を扱うので怪我をしないように、お互いに段取りを確認して作業するなど、協働することで集団行動を学びます。もう一つの学びは、何かを成し遂げることの達成感。野菜の成長は目に見えますから、手間をかけて育て、大きく実った時はうれしいものです。反対に収穫できなかった場合でも、何が悪かったのかをみんなで考えることができます。全員で同じ目標に向かって、体を動かして頑張るので、集団としての団結力が高まります。採れた野菜は生徒が家に持ち帰りますが、たくさん採れるので教員もご相伴にあずかることがあります(笑)。高校にもお裾分けをして喜ばれています」(英語科/伊藤亮太先生)

7時20分からの朝ゼミで
『自学自習の姿勢を確立』

 さらに、中1に身につけてほしいのが生活習慣だと北谷教頭先生は話します。

「本校では7時20分から朝ゼミを開いています。中1は英・国・数の3教科、基本的に各教科で週1回ずつ行っています。7時20分に学校でゼミがあるということは、何時に起きて、何時に朝食をとるべきなのか、前日の夜は何時に寝なくてはいけないのかといった生活習慣を身につけるのは、中1の初めが最適だと思います。さらに私は『週3回、7時20分に学校にいるなら、ゼミのない日もその時間に登校すれば、朝の時間を有効活用することができるよ』と生徒に話しています。朝に勉強する習慣がついていれば、1日のうちで自由に使える時間が増えます。そのために、最初はきついかもしれませんが、中1で習慣づけてほしいと考えています。ただし朝ゼミは強制ではないので、自分のペースに合わなければ、本人が勉強しやすい生活習慣を設定すれば良いと思います」(北谷教頭先生)

 朝ゼミがない日も早く登校している生徒には、声がけすることもあります。

「『朝の教室で、一人で勉強しているときに声をかけられるとうれしい』という言葉を生徒から聞きます。教員からの何気ない声がけが、生徒の励みになっているようです」

 最後に、北谷教頭先生と伊藤先生からメッセージをいただきました。

「コロナ禍もありますが、何が答えなのか分からない世の中です。別の言い方をすると、これからの社会には答えがたくさん存在するとも言えるでしょう。そんな時に求められるのは『あなたはどう考えますか?』ということです。身近なことでも自分で情報を得て、自分で考えることが大切です。その能力を本校で獲得して、変化していく世の中に流されるのではなく、自分で自分の道を選んでいける人になってほしいと思います」(北谷教頭先生)

「自分の考えを持って、それを説明できる人になってほしいです。それには中1が肝心です。自分の好きなことや学びに対する興味をどんどん広げていって、中学を卒業する頃には、社会にあるさまざまな情報源から正しい情報を集め、他者に自分の意見を伝えることができる人をめざしましょう」(伊藤先生)

狭丘祭では中学の各学年がプレゼンテーションをします。中1は模造紙2枚程度にまとめて発表。この年の大きなテーマは「歴史」で、写真の班は「時計の歴史」についてプレゼンしました。(2019年撮影)狭丘祭では中学の各学年がプレゼンテーションをします。中1は模造紙2枚程度にまとめて発表。
この年の大きなテーマは「歴史」で、写真の班は「時計の歴史」についてプレゼンしました。(2019年撮影)
農業体験は畝を作り、肥料や腐葉土を使って土をつくるところから始めます。野菜の成長過程を観察して、最終的にレポートにまとめ、探究的な学びにつなげます。農業体験は畝を作り、肥料や腐葉土を使って土をつくるところから始めます。
野菜の成長過程を観察して、最終的にレポートにまとめ、探究的な学びにつなげます。
北谷教頭先生による国語科の朝ゼミ風景。中1は50分ですが、中3になると放課後に90分行う場合もあります。(2019年撮影)北谷教頭先生による国語科の朝ゼミ風景。中1は50分ですが、中3になると放課後に90分行う場合もあります。(2019年撮影)
教頭・国語科を担当する北谷高志先生(左)、英語科の伊藤亮太先生(右)。「総合の時間以外の教科でも、生徒たちは思考整理術としてマインドマップを活用しています」(北谷教頭先生)教頭・国語科を担当する北谷高志先生(左)、英語科の伊藤亮太先生(右)。「総合の時間以外の教科でも、生徒たちは思考整理術としてマインドマップを活用しています」(北谷教頭先生)
進学通信 2022年4月号
紹介する学校
共学校 共学校   女子校 女子校   男子校 男子校
この号のトップに戻る 進学通信一覧を見る
ページトップ