私立中高進学通信
2022年4月号
私学だからできるオリジナル教育
帝京大学系属帝京中学校
英語により親しむ研修が
将来の可能性を増やす
例年中3の夏にロンドンで語学研修を行っている同校。そんな海外研修を見据えて行われた、英語に親しむための新たな試みを取材しました。
1日中日本語を使わず、英語だけで国籍も様々な外国人のチューターと会話し、
ゲームに挑戦する中2を対象とした語学研修。
当初は緊張していた生徒たちも、次第に積極的に英語を口にするように。
海外研修を見据えた
英語漬け生活体験
情報化・グローバル化の進展に伴い、これまで培われてきた伝統的な教育を柱としながら、新しい教育を積極的に取り入れている同校。例年7月に中3を対象に行われている約3週間のロンドン語学研修がコロナ禍で中止せざるを得ない状況が続いている中、本年度から新たな語学研修を取り入れました。
「この研修は、もともとコロナ禍以前から計画していたものです。イギリスにある姉妹校の帝京ロンドン学園での語学研修の前段階として、中2のうちにもっとネイティブの方々と英語で触れ合う機会を増やすことに意味があると考えています」
そう話すのは、同校の中学部長の髙梨憲一先生です。
同校がロンドン語学研修を見据えてこの日実施したのは、株式会社ISAの協力のもとに行われた、外国人のチューターとの英語漬け生活体験プログラム。同校の中2は当日の朝発表されたチーム分けにしたがってグループになり、グループ毎に担当のチューターがついて、日本語は一切使わずに英語だけで会話やゲームなどを行います。初めて会う外国人チューターに緊張しながらも、生徒たちは次第に笑顔で英語を口にするようになっていきます。
「オープニング・セレモニーでネイティブの先生方が登場された時、生徒は緊張気味でした。最初は何を聞かれているのか、何を言っていいのかうまく言葉を受け止められない、言葉が出てこない状態でしたが、少しずつ緊張が解けてきて、自分たちがもともと持つ力というものが出てきているなと感じました。外国人チューターの先生方は、上手に生徒たちの緊張をほぐしてくれていて感心しました。生徒たちは、表現したいことはあるのにうまく言い表せない悔しさやもどかしさを実感したと思います。そうやって感じた気持ちがきっかけになって、『もっと話したい』『もっと英語を勉強したい』という気持ちにつながっていってくれることを願っています」(髙梨先生)
経験することで
将来の選択肢は確実に広がる
当初の計画では、この語学研修は8月に二日間かけて行われる予定でした。ですがコロナ禍の影響もあり、開催予定が遅れて1日だけの開催になってしまいました。それでも生徒たちにとっては、大きな経験になったのではないかと髙梨先生は話します。
「普段の英会話の授業はもちろんあるのですが、自分が海外に行って英語を話さなければいけない状況とは、やはり異なります。今回の研修では、普段と異なる状況のなかで実用的に英語でコミュニケーションをとる体験ができたのではないかと思います」
何度もロンドン語学研修に同行している髙梨先生でも、空港に降り立つと緊張すると言います。初めてイギリスの地を踏む生徒たちであれば、その緊張はなかなか解けないかもしれません。そんな時に今回の研修を思い出してほしいと髙梨先生は言います。
「日頃は英語のテストで好成績をおさめていても内気で話せない生徒がいるかと思えば、英語があまり得意でなくても積極的に話す生徒もいます。今回の研修で生徒それぞれが自分の現状を把握し、海外に行った時にしっかり自分の意思表示をするためにはどうしたらいいかについて考えてもらう機会になるとうれしいですね」
同校ではグローバル教育を通して、「日本でも海外でも通用する、世界に伍していける生徒を育てたい」と考えています。
「そのためには、やはり英語は必須です。ですがロンドン研修の様子を見ていても、話す機会は自分から求めていかないと多くを得られません。せっかくの機会を最大限活かすためにはどうしたらいいかを考えるうえでも、今回の研修は良い経験になったのではないかと思います。
これまでも、英語がまったく好きではなかったのに、ロンドン語学研修で英語の楽しさに触れて、『インターナショナルコースに進みたい』と言い出した生徒は何人もいました。食わず嫌いだった英語が『食べてみたらおいしい!』となり、『もっと食べたい!』『一生食べていたい!』となって、留学したままその国で暮らすようになった生徒もいます。将来どんな進路を選ぶにしても、いろいろな物事を経験することで、選択肢は確実に広がります。生徒たちの選択肢を広げるためにも、今回の研修のような試みを重ねていきたいと思っています」(髙梨先生)
参加者とチューターたちとが記念撮影をして、朝からの1日英語漬け研修は無事に終了しました。
(この記事は『私立中高進学通信2022年4月号』に掲載しました。)
帝京大学系属帝京中学校
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