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私立中高進学通信

2022年神奈川版

実践報告 私学の授業

鶴見大学附属中学校

社会を生き抜くために欠かせない
論理的に読み、書く力を鍛え上げる

探究心を刺激するオリジナルの授業を展開
グループワークが始まると、図書館は一気ににぎやかに。班のメンバーで協力し合い、論語を選んでいきます。

グループワークが始まると、図書館は一気ににぎやかに。班のメンバーで協力し合い、論語を選んでいきます。

生徒も喜ぶ小テストで
論理的思考力を育む
「インターネットと活字の本を併用し、正しい情報を収集できるスキルを身につけてほしい」と逸葵先生。「インターネットと活字の本を併用し、正しい情報を収集できるスキルを身につけてほしい」と逸葵先生。

 吹き抜けに面した開放感あふれるガラス張りの教室。先生の「よーい、スタート!」の声が響くと、生徒たちは一斉に机上のテストに向き合います。それは国語科が3年前から導入している「論理的思考力を育む小テスト」です。紙面には、問題文に合うように地図を作成するなど、思考を刺激する短い問題が並びます。「生徒にとってはゲーム感覚で取り組めるようで、人気があるんです」と話すのは国語科の中田逸葵先生。

「いまや、大学入試でも、その先の社会でも、思考力、判断力、表現力が求められています。そうした力を育むために本校の国語科が行っているのが、論理的思考力テストや余録日記です」

 余録日記とは、毎日新聞に掲載されているコラム記事「余録」を読み、100字に要約したうえで感想を書く毎週の提出課題です。

「こうした取り組みを中1から継続しているため、中3にもなると文章の主旨をつかみ簡潔にまとめる力が身についています。理科など他教科の教員からも『レポートの文章がロジカルに組み立てられている』と賛辞を受け、授業の成果を感じます。ただ、自分の意見をもち、表現することに関しては、まだ伸びしろが大きいですね。さらに鍛えていきたい部分です」(逸葵先生)

私立校ならではの強みを活かし
新しい教育活動を展開

 逸葵先生が次に向かったのは図書館。タブレット端末を使ったグループワークの授業です。この日は、「自分の得意教科がわからない」「痩せたいけどたくさん食べてしまう」といったクラスメートの悩みに対して、班内で意見交換しながらアドバイスを考え、発表するという内容でした。その際、論語から一文を選び、アドバイスに組み込むことがルールです。

「論語は全部で約500の文がありますが、教科書に載っているのは4文だけです。書籍やインターネットを使い自ら調べることで、多くの論語に触れ、古の知恵を今後の人生に役立ててほしい。そのような思いから、論語を絡めた形式の授業を行いました」(逸葵先生)

 論語選びをする生徒からは「本で調べたほうがわかりやすい」という声も。同校では2015年度末からタブレット端末を全教科の授業で活用していますが、書籍を使ったアナログな学びも取り入れることで、より深化した学びをめざしています。

「本校は、カリキュラムの自由度が高い私立校である強みを活かし、一歩踏み込んだ教育活動を展開しています。論理的思考力テストやデジタル学習を用いたグループワークはその一環です。
 実社会では、自分の考えを自分の言葉で伝えなくてはならない場面が多々あります。そのベースとなる国語力を、中高時代に培ってほしいと思います」(逸葵先生)

生徒インタビュー
読み解き、理解し、意見を伝える
日常生活に役立つ力がグングン成長
Iさん(中3)

「論理的思考力テストは、普段以上に想像力をたくさん働かせている感覚があり、毎回楽しみです。国語の授業のおかげで、読書をする際に難しい文章や熟語が出てきてもスラスラと読み進められるようになりました。文章力と語彙力の向上を実感しています」

Kさん(中3)

「今日のグループワークでは、私が提出した悩みも題材に採用されていたので、みんなのアドバイスを興味深く聞きました。グループワークは大好きですが、人前で発表する時はいつも緊張します。だからこそ、大きな声で堂々と話すように心がけています」

12分間の論理的思考力テストに取り組む中3生。12分間の論理的思考力テストに取り組む中3生。
時事問題について考える機会にもつながる余録日記。時事問題について考える機会にもつながる余録日記。
グループワークで論語について調べる生徒たち。グループワークで論語について調べる生徒たち。
行動計画を書き込む「Gyro手帳」で自己管理力アップ
予定がびっしりと書き込まれたGyro手帳。ToDoリスト代わりにするなど、生徒それぞれに記入の工夫が見られます。予定がびっしりと書き込まれたGyro手帳。ToDoリスト代わりにするなど、生徒それぞれに記入の工夫が見られます。

 入学時に生徒全員に配布される「Gyro(ジャイロ)手帳」は、生徒の自己管理スキルを高めるアイテム。学校行事や時間割などの予定とともに、今週の振り返りや、次週以降の行動計画を書き込むこともできます。

「僕はテスト1~2週間前になると、Gyro手帳を使って学習計画を立てています。スケジュールを見える化することで、どの教科にもバランスよく取り組めるので便利です」(Iさん)

「Gyro手帳は週に一度、担任が集めます。積極的に話すことが苦手な生徒でも、Gyro手帳には趣味やその日の出来事などを気軽に書いてくれるので、生徒と教員のコミュニケーションツールとしても役立っています」(逸葵先生)

ココも注目!
豊かな生き方のヒントが詰まった国語の学び
国語科/21世紀型教育推進委員 中田逸葵先生国語科/21世紀型教育推進委員 中田逸葵先生

「以前、別のクラスで論語の授業をした際に、ある生徒が『部活動のことで悩んでいたけれど、論語を読んでスッキリした』とつぶやいたんです。それが“論語を使ってクラスメートの悩みに回答するグループワーク”を行うきっかけとなりました。古典に対して『何の役に立つの?』と疑問を感じる生徒もいるのですが、現代の文化があるのは、古典とされる時代に生きた人々の営みがあったからこそ。国語の授業では、すぐに役立つスキルだけでなく、人生をより豊かにする学びもあると生徒たちに伝えていきたいです」

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