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私立中高進学通信

2022年神奈川版

実践報告 私学の授業

藤嶺学園藤沢中学校

茶道を通して豊かな人間性を育てる

日本の伝統文化・礼儀を学び、素直な心と強い精神を育む
中3の茶道の授業の様子。緊張感や集中力を要するお点前は、精神の鍛錬にもつながっています。

中3の茶道の授業の様子。緊張感や集中力を要するお点前は、精神の鍛錬にもつながっています。

5年間で所作を身につけ
立派なお点前ができるように
高2の陶芸の授業の様子。茶道とはまた違ったアプローチで集中力が養われる取り組みです。高2の陶芸の授業の様子。茶道とはまた違ったアプローチで集中力が養われる取り組みです。

 鎌倉時代に創建された時宗総本山・遊行寺の僧侶養成機関「時宗宗学林」を前身とする藤嶺学園藤沢。その教えをもとに情操豊かな人格の育成をめざし、必修科目として取り入れているのが茶道です。同校で38年間教鞭をとる廣瀨政幸教頭先生は次のように話します。

「大学合格だけを目的にしていると、大学入学とともに将来の目標を見失ってしまいます。そこで、心を育てる『徳育』教育として、22年前から茶道を取り入れました。
 社会に出てから大切なのは、相手を気遣うことができる素直な心です。これは、茶道を通して学ぶおもてなしの心につながります。本校では、そうした心の育成を大切にしています。
 また、茶道は、本校がめざす『国際社会でリーダーシップを発揮できる人材の育成』にもつながっています。日本の伝統文化を学び、日本人としてのアイデンティティを身につけることは、グローバル教育の根本です。生徒たちが世界を舞台に活躍する際、お点前を披露できるスキルは大きな武器となるはずです」

 茶道の授業は月2回、中1から高2までの全生徒が剣道と交互に履修します。大日本茶道学会の先生を招き、生徒7~8名に対して1名の先生が指導を行います。

 中1ではまず、ふくさ入れを自分で縫い、足の運び方や礼儀作法を習得した後、初めて茶室に入ることができ、そこからお点前の練習を重ねていきます。

「中1や中2の授業では、作法を習得するだけでなく、楽しく学べるように工夫を凝らしています。生徒は座学の授業とは異なる非日常感を楽しんでいるようです」

 中3・高1になるとお点前を重ねてきた経験から、茶室での所作は洗練され、お点前も様になってきます。高2になると、茶道と並行して陶芸の授業も加わります。

 学びの集大成として、中3では『卒業茶会』、高2では『修了茶会』を、それぞれの保護者を招いて行います。中3は大勢に、高2は両親のためにお茶を点て、陶芸の授業で作った器で提供します。

「我が子のお点前を見て、感動して涙する保護者もいます。茶会は保護者がわが子の成長の喜びをかみしめる場ともなっています」

茶道は集中力を高め
精神力や心の安定を得る手段
高3生が保護者にお茶を点てる『修了茶会』。陶芸の授業で作った自作の茶器で両親をもてなします。高3生が保護者にお茶を点てる『修了茶会』。陶芸の授業で作った自作の茶器で両親をもてなします。

 生徒からは、「茶道を習ってから、集中力が高まった」「精神統一できる手段が見つかった」といった声がよく聞かれるそうです。茶道の習得は社会に出てからも、大きな財産となります。茶道を通して健やかな心を育み礼儀を身につけた卒業生たちは、世界へと羽ばたき、社会の第一線で活躍しています。

「2023年度からは、本校に隣接する遊行寺の僧侶を招いて、『修養の時間』を設けます。仏教校として、学業と並行し、加速度的に変化する現代社会で活躍できる、素直な心・強い精神力の育成に、より注力していきます」

FOCUS
幅広い学びが得られる『遊行塾』と『藤嶺ゼミナール』
『遊行塾』のひとつ、「囲碁入門」講座の様子。『遊行塾』のひとつ、「囲碁入門」講座の様子。

 同校は茶道と同様に、豊かな人格を育む『徳育』を目的とした課外授業『遊行塾』と『藤嶺ゼミナール』を行っています。中学生対象の『遊行塾』は、クラブ活動と同等の位置づけで、土曜日の3・4時間目に実施しています。「コーヒーの美味しい入れ方」「能楽って何?」など、さまざまな講座が用意され、希望者は受けたい講座を選んで参加します。いずれの講座も生徒の興味の幅を広げ、進路選択にもつながる意義のある学びの場となっています。

 高2生を対象に2021年スタートした『藤嶺ゼミナール』は、銀行員や税理士など各分野の専門家を招き、株や投資信託、税の仕組みなどを学ぶ課外授業です。同校のOBが登壇する機会も多く、各界の第一線で活躍する卒業生をもつ伝統校ならではの取り組みです。今後は、コロナ前まで受け入れていた海外の学生と、英語でのオンライン交流を実施する予定です。

FOCUS
放課後学習会『T.A.S.L』
一人1台保持しているタブレット端末を使い、問題を解く生徒たち。一人1台保持しているタブレット端末を使い、問題を解く生徒たち。

『T.A.S.L』は『藤嶺アフタースクールラーニング』の略で、学習習慣の定着を目的に、中学生を対象に行っている学習会です。中1は全員参加、中2・中3は希望者が対象です。

 クラブ活動のない、火・水・金の放課後の2時間を使って、ICT教材の問題などに取り組みます。中2と中3には、大学生のチューターがついて質問を受け付けています。

「中1生を全員参加にしてからすでに4年間が過ぎましたが、この取り組みによって自学自習が習慣化され、学力が底上げされているのを感じています」(廣瀨教頭先生)

ココも注目!
茶道とのコラボレーション授業も実施!
習熟度別の少人数英会話クラス

 2020年度より、中2~高2の英会話の授業をさらに充実させました。1クラスを習熟度別の2グループに分け、週2時間、英語でのコミュニケーションをメインにした授業を実施しています。15名の生徒に1名のネイティブ教員がつくので、話す機会が倍増し、細やかな指導が実践されています。

「英会話に自信がなかった生徒も、同レベルの生徒のなかでは積極的に話すようになりました。英語が得意な生徒は、よりレベルの高い会話に挑戦しています。全体の会話力・意欲が向上していることを感じています。
 高2クラスでは、茶道と英語のコラボレーション授業『英語で茶道を紹介』を実施しています。こうした取り組みを通して、日本の魅力を世界に発信できるグローバル力を育てていきます」(廣瀨教頭先生)

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