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私立中高進学通信

2023年神奈川版

実践報告 私学の授業

鶴見大学附属中学校

数学的な思考力を伸ばす!
生徒が先生役になって授業に挑戦

それぞれの“得意”を活かした主体性を育む探究的な授業
自ら先生役として授業を行う生徒。習ったことをアウトプットすることで知識がより定着します。担当の生徒が授業の様子を録画し、全体で共有、振り返りに活用します。

自ら先生役として授業を行う生徒。習ったことをアウトプットすることで知識がより定着します。
担当の生徒が授業の様子を録画し、全体で共有、振り返りに活用します。

数学的な物の見方を鍛え
伝える力・プレゼン力も育む

 全ての教科が専門の教室をもち、各教科教室の『教科エリア』が、朝礼やホームルーム、ランチなどを取る『ホームベース』をぐるりと囲んだ独創的な校舎が、鶴見大学附属の学び舎です。

 開放感あふれる吹き抜けに面した『教科エリア』の数学専用教室に、中2特進コース・ベーシッククラスの生徒が数学の教科書と問題集、各自のデバイスを持って集まってきました。早速、数学科の保田仁美先生が授業テーマを説明します。

「今日はみんなが先生になって、連立方程式の授業をしてもらいます。4人グループに分かれてどんな授業をするか相談し、実際に授業を行い、録画してロイロノートで提出してください」

 このようなユニークな授業内容のねらいを、保田先生は次のように話します。

「これからの社会で起き得る未知の問題を解決するには、数学的な思考力が欠かせません。そのため、本校の数学の授業では、日常の学びの中で数学的な物の見方や考え方を育てることを重視しています。今回の授業では、こうした数学的な思考力の向上はもちろん、わかりやすく話す力や解説の展開を考える力、動画の撮影、見せ方、編集技術など、さまざまな力も育みたいと考えました。数学は苦手だけど、人前で話すことが好き、動画編集が得意という生徒もいます。各々の得意分野を活かして授業を進めることで、数学を好きになってほしいというねらいもあります」

各グループで
授業を考案・実践

 普段から自身のPCやタブレット端末を使った授業に慣れている生徒たち。早速グループに分かれ、準備を始めます。

「授業をする際、教員もまず授業計画を立てます。教材のどの部分を教えるのか、どのように説明するのかを考えましょう。授業を組み立てるための6つのステップをプリントにしたので、グループで相談して、それを埋めていきましょう」

 ステップに従い、各グループで授業案を話し合い、取り上げる単元や問題を決めていきます。

「どのように説明して板書をすれば伝わりやすいのか、あるいは板書はせず口頭で説明するのか。どんな授業にしたいのか、プリントにイメージ図を書いてみてください」

 保田先生のアドバイスに従って、生徒たちは授業案を考え、先生役と撮影担当を決めて、いよいよ授業がスタート。それぞれのグループが個性あふれる授業を繰り広げました。ていねいな文字で問題を黒板に板書するグループ、PCで自作した図をプロジェクターで黒板に映し出して説明するグループ、YouTube風のトークで盛り上げるグループもありました。

 撮影が終わったら、動画をロイロノートに提出し、全体でシェアします。授業を終えた生徒たちは、「問題の解説方法を考えるのが楽しかった」「初めて数学の問題を作ってみたが、とても面白かった」など、高揚感あふれる様子で話してくれました。

 こうしたさまざまな仕掛けを採り入れた授業を、今後も実践していきたいと保田先生は言います。

「数学的に思考する課題に一人で取り組むのは難しくても、グループで知恵を出し合えば、解決の糸口が見えてきます。
 また、協働して主体的に解決していく力は、グローバル化が進む現代において、ますます重要になります。授業を通して、学力とともにそうした “生きる力”も育みたいと考えています」

授業レポート
中2・数学の授業『LET’s みんなも先生!! ~連立方程式編~』

STEP1

教えるクラスをイメージしよう

 4人ずつのグループに分かれ、グループごとに『数学が苦手な生徒が多いクラス』『数学が得意で難しい問題に挑戦したいクラス』のどちらかを相談し合って選択、配られたプリントに沿って授業内容を考えます。


STEP2

授業の目標設定をしよう

 今回の授業は、中間テストの直後に行われました。保田先生は「間違えた問題を踏まえて、考えてみよう」とアドバイス。『定期テスト80点以上』『文章題を完璧にしよう』など、グループごとに授業の目標を考えていきます。


STEP3

授業で解説する問題を選ぼう

「中間テストで解けなかった問題に挑戦しよう」「難しい問題を取り上げよう」など、意見を出し合いながら授業で解説する問題を決定。問題集から抜粋するグループや、PCで作図して自分たちで問題を考案するグループも。


STEP4

板書案や解説したいことをメモろう

「この図を使えば理解しやすいのでは」「このタイミングでこの解説をしたら伝わりやすいと思う」など、さまざまな案を出し合います。人気授業動画を参考にして展開を考えるグループもありました。


STEP5

先生役を決めて授業を決行!

 グループ内で先生役と撮影担当を決め、授業がスタート! 思い思いの授業内容が展開されます。プロジェクターを使って自分たちで作成した図を黒板に映し出して説明するグループ(写真)や、授業を通しで撮影するグループ、短時間ずつ撮影して動画の得意な生徒が編集するグループもありました。


STEP6

こだわったポイントや感想を書いてみよう

 撮影終了後は動画をチェック。生徒たちに感想を尋ねると「黒板にキレイな文字で板書できて満足。見やすかったと思う」「うまく編集してより伝わる動画に仕上げたい」など、初めての挑戦に達成感を得ている様子でした。

ココも注目!
BYODを採用したインタラクティブな学びで主体性が向上
数学科 保田仁美先生数学科 保田仁美先生

 本校ではBYOD(Bring Your Own Device)を導入しており、生徒は自分が使いやすいデジタル端末を自由に選んで購入し、学習に活用しています。これは、生徒が授業へ積極的に参加し、主体性をもって学ぶことを促すためです。ノートPCを使う生徒もいれば、iPad Proを使い、動画編集を得意とする生徒もいます。

 教員・生徒が双方向でやり取りできる授業支援アプリ『ロイロノート』との相乗効果により、学習の効率化だけでなく、ICTスキルも向上し、主体的な学びの力も養われています。また、すぐに教員を頼ったり疑問を放置したりせず、わからないことは調べてから質問してくるようになり、思考が深化し、聞く力、質問する力も向上していると感じられます。そして、数学がどのように日常生活に関わっているかを実感してほしいと願っています。

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