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私立中高進学通信

2022年神奈川版

実践報告 私学の授業

神奈川学園中学校

論理的思考力と表現力を高める
理数教育

他者に説明する活動を多く取り入れ、人や社会とかかわる力を育てる授業
物理・化学・生物・地学の4つの実験教室を完備し、中学で100以上の実験や観察を行っています。

物理・化学・生物・地学の4つの実験教室を完備し、中学で100以上の実験や観察を行っています。

人や社会とのかかわりのなかで生き方を学ぶ

 1914年の創立と長い歴史をもつ神奈川学園では、『自覚』『心の平和』『勤勉』を人間教育の根幹とし、一貫して次の時代を見据えた人間教育を実践しています。

「横浜市にはミッションスクールの女子校が多くありますが、本校は特定の宗教をもたない学校です。その分、人間教育の指針として大切にしているのが、社会のなかで人を育てること。そして、一人ひとりの個性と人格を尊重し、最もふさわしい教育を提供することです。
 たとえば、国内でグローバル体験をする『英語研修』や中3の海外研修、高1の『国内フィールドワーク』などを通じて、生徒たちはさまざまな人と交流し、社会性を身につけ、豊かな心を育みます。さらにその方々から生き方も学ぶことで、自らのキャリアデザインへとつなげていきます。また、人と人とのつながりのなかで、心の成長を支える取り組みとして、中学時代は2人の教員が担任となる『2人担任制』も実施しています。人とのかかわりのなかで成功体験を積み重ね、自己肯定感をもつことが、自立への出発点となります」(校長/及川正俊先生)

 このように「人と出会いながらつくるキャリアデザイン」を基本姿勢とする同校では、理系大学や学部への進学者も増えています。2022年3月の卒業生のうち、理系学部への進学者は全体の39パーセントを占めました。なかでも医療分野を志す生徒たちが増えています。その背景について、及川校長先生は次のように話します。

「沖縄、水俣、四万十川、京都・奈良、東北から1方面を選択する『国内フィールドワーク』では、事前学習に加え、当日は現地の人々と交流するなかで、現代日本が抱える課題について考えます。取り組みのなかで医師と出会い、その方をロールモデルとして医療系をめざすという生徒もいました。
 このように、人や社会と向き合う経験が進路選択に影響を与えるケースは多くあります。加えて、コロナ禍という現実に直面し、社会に貢献できる分野を志した生徒が多かったのではないかと考えています」

校長の及川正俊先生校長の及川正俊先生
2022年度の高校フィールドワークでは、四万十川流域を訪れ、林業と自然環境、地域活性化を学びました。自然と触れ合う体験で、実感をもって知識を習得していきます。2022年度の高校フィールドワークでは、四万十川流域を訪れ、林業と自然環境、地域活性化を学びました。自然と触れ合う体験で、実感をもって知識を習得していきます。
理系進学者を多く輩出
学ぶ楽しさに気づく理数教育

 同校ならではの理数教育も、理系進学者を多く輩出する土台となっています。

「理科の授業では、中高で100以上の実験・観察を行います。教科書で知識を学ぶだけでなく、生き物や物質の手触り・匂いなど、自然に対する理解を実感できるようにしています。多くの実験を行うことで、理科に苦手意識があった生徒も、『実際にやってみたら楽しかった』『自分はこの分野に興味がある』といった発見を得られます。そこから、理科を学ぶ楽しさに気づいていくのです。また、実験結果は必ずレポートにしています。仮説をたてて検証することや、原因を考察し、言葉やスケッチを使って正しく説明することを通して、論理的思考力や表現力を高めていきます。
 数学については、たくさんの数学的活動を取り入れていることが最大の特徴です。中1では、ゲーム形式で楽しく学ぶ授業を行うことで、数学への苦手意識を取り除き、生活や身近にある現象と数学を結びつけて考える姿勢を育てていきます。
 中2以降は、論理的な記述やそれを相手に伝える機会が多くなっていきます。多様な解き方のある問題や驚きの伴う問題を選び、解答だけではなく過程を説明することに重きをおいています。互いにアイデアを出し合い、議論を交わすなかで、ただ覚えるだけでは身につかない本質的な学びを深めていきます」

中3の数学の授業では、教員が手作りした教具を使用しました。石けん水に浸して取り上げると、解答が浮かび上がります。身近な自然現象と結びつけながら三平方の定理を学んでいきます。中3の数学の授業では、教員が手作りした教具を使用しました。石けん水に浸して取り上げると、解答が浮かび上がります。身近な自然現象と結びつけながら三平方の定理を学んでいきます。
数学の問題においても、多様な解き方のある問題などを選び、過程を説明することに重きをおいて議論を交わしていきます。数学の問題においても、多様な解き方のある問題などを選び、過程を説明することに重きをおいて議論を交わしていきます。
中1の数学の授業では、トランプを使って正負の数の加法・減法を学習。マイナスという新しい概念も、スムーズに理解できます。中1の数学の授業では、トランプを使って正負の数の加法・減法を学習。マイナスという新しい概念も、スムーズに理解できます。
実験・観察を行った後には必ずレポートを作成。一人1台のデジタル端末所持などICTの活用も進む同校ですが、すべての教科において手を使って「書く」ことを重視しています。実験・観察を行った後には必ずレポートを作成。一人1台のデジタル端末所持などICTの活用も進む同校ですが、すべての教科において手を使って「書く」ことを重視しています。
ココも注目!
教科書の全章を1年間で4~5回繰り返して学ぶ
『ラウンドシステム』による英語4技能教育
ラウンドシステムでは「聞きながら話す」など英語4技能を織り交ぜた授業を展開。ラウンドシステムでは「聞きながら話す」など英語4技能を織り交ぜた授業を展開。

 神奈川学園では、2020年度から、中1~中3の週6~7時間の英語授業のうち、週3時間に『ラウンドシステム』を取り入れた授業を行っています。

 ラウンドシステムとは、1年をかけて1冊の教科書を何度も繰り返し学んでいく英語の学習法です。第1ラウンドでは教科書の内容に関連するイラストを見ながら英語を聞き取る、第2ラウンドでは聞き取った英文を基に英単語を並べ替えるなどして、耳から入る英文と読む英文を一致させる、第3・第4ラウンドでは意味のまとまりを理解しながら英文を読む、最後の第5ラウンドでは、これまで学んだことを活用し、教科書に描かれたイラストの内容を自分の言葉で説明します。

「英語への抵抗感や苦手意識を減らし、楽しさと達成感を実感できる学習法としてラウンドシステムを取り入れました。従来の授業では、英語を“読む時間”と“話す時間”が分かれてしまいがちでしたが、ラウンドシステムによって“聞きながら話す”など、4技能を織り交ぜた授業が展開できるため、英語力の向上に大きな成果を上げています。さらに、豊かな表現力や失敗を恐れずに英語を話す姿勢も身につきます。
 中学3年間をかけてラウンドシステムで培った力を伸ばすため、高1の英語の授業はすべて習熟度別に行うほか、ネイティブ教員と日本人教員のチームティーチングによる高度な英文ライティングの授業もスタートさせました」(及川校長先生)

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