私立中高進学通信
2022年神奈川版
卒業生が語る 私の成長Story
北鎌倉女子学園中学校
芸術と社会問題の関係性を大学で学び、
海外で仕事をしたい

上智大学 国際教養学部1年
庄司 汐音さん
庄司さんは高校ではダンス部の部長と学級委員を務めました。その経験によってリーダーシップが身についたそうです。
座右の銘は、スティーブ・ジョブズ氏の言葉。
多様な価値観に心を開くことのできる「のびやかな自立した女性」。同校はこの目標を掲げて、グローバル社会で活躍するための教育に力を注いでいます。そんな同校で学び、初志貫徹した庄司さんにお話を聞きました。
英語力が試される
書類選考入試に挑戦

鎌倉市に近い葉山で生まれた庄司汐音さん。近所にアメリカ人家族が多く住んでいて、幼い頃から英語に触れて育ったといいます。そんな庄司さんは同校の文化祭を訪れ、ダンス部の創作ダンスを見て感動しました。また、同校のアットホームな雰囲気にも惹かれて受験したそうです。
「北鎌倉女子学園に入学してしばらくは、どの大学に行くか考えてはいませんでした。ただ、英語が得意だったので、英語や国際関係の学部に進みたいとは思っていました。高1の時、初めてオープンキャンパスに行ったのが上智大学でした。そして、この大学に国際教養学部があり、そこでは授業がすべて英語で行われ、留学プログラムも充実していることを知りました」
上智大学の国際教養学部には一般入試がありません。公募制推薦入試と書類選考入試のみです。書類選考入試は受験生の国籍や出身校の国を問わない入試で、SATとTOEFLのスコアと英語による志望理由書の提出が課されます。SATとはアメリカの高校生が受ける、英語による大学能力評価試験。日本の大学入学共通テストにあたるもので、TOEFLと同じように日本でも受験可能です。難易度の高い試験ですが、庄司さんはあえてこの入試に挑むことにしました。
目標達成に向けて
教員たちが全力でサポート
高3の8月には、早くもSATとTOEFLを受け終えた庄司さん。TOEFLはそれまでに数回受検し、最終的に96点(英検1級程度)という高得点を獲得していましたが、英語と数学の2科目からなるSATの受験は初めてでした。
「SATに出題される英語の試験は、日本でいう国語の試験にあたります。そのため、古典のような古い時代の英語も出題されるのです。また、英語の問題を解くには、社会科の知識も要求されます。数学の問題にも、習ったことのない専門用語が数多く出てきます。SATの過去問を何度も解いて高得点を取れるようにしました」
庄司さんの希望を全教員が尊重し、ネイティブの教員や数学の教員が全力でサポートしました。同校の理事長である藤崎一郎先生も、庄司さんが上智大学の国際教養学部を書類選考入試で受けると聞いて激励。志望理由を書くにあたり、将来の夢と大学の教育精神をどのようにつなげたらよいかなどをアドバイスしました。元外交官であり、上智大学の特任教授を務めた藤崎先生は庄司さんの果敢なチャレンジに強く共感したのです。こうして、庄司さんは2022年2月に見事合格を果たしました。
ダンスを通して知った
あきらめない心の大切さ
この書類選考入試は、海外の高校生や帰国生も受験します。しかも定員はわずか。庄司さんがこの狭き門をくぐる意志を貫いたエネルギーは、どこから生まれたのでしょうか。
「上智大学の国際教養学部は幅広い教養と論理的思考力を育むリベラルアーツ教育を英語で受けられます。この教育に魅力を感じ、私にはこの大学のこの学部以外考えられないと思いました。
私は中1から高3までダンス部に所属していました。またダリの作品をはじめ、絵画を鑑賞するのも好きでした。ダンス部では社会問題をテーマにした作品を創っていました。たとえば、作品『カタツムリになんて私はならない』では若い人たちの引きこもりや孤独をテーマに選びました。殻を破って外に出てほしいというメッセージをダンスで表現したのです。ほかにも人間が本心を隠して生きていることを、仮面をつけて踊って表現したこともあります。
絵画ではピカソが『ゲルニカ』で戦争の悲惨さ、平和の尊さを訴えました。このように芸術と社会問題には強い結びつきがあります。私は絵画やダンスから、その重要性を学びました。芸術と社会問題、私はその2つの関係性を上智大学の国際教養学部で英語によって学び、世界のことを深く知り、視野を広げたいと思っています。将来は海外で国際社会に貢献できる仕事に就くことが目標です」
庄司さんを中1から6年間指導してきたダンス部顧問の山森雅子先生は、書類選考入試に提出する志望理由書を読んで意見を述べるなど、その仕上げに力を貸してくれたそうです。
「ダンスを通して、あきらめない心の大切さも知りました」と語る庄司さんの座右の銘は、Apple社のCEOだったスティーブ・ジョブズ氏のスピーチの一節です。
「この言葉には『時間には限りがある。他の人と同じような生き方をせずに、自分が思うように生きなさい』という意味があります。ダンス部で大会に出るために練習している時、思うようにいかなくて焦りを感じてしまう時もありました。でも、あきらめずに夢中で練習すれば必ず結果がついてきます。大学受験も同じでした。これからも、夢や目標をあきらめることなく自分の道をしっかりと歩んでいきたいと思っています」
恩師からの応援メッセージ
独自の感覚や爆発力を活かし
大きく羽ばたいてほしい

庄司さんは卒業まで、ほとんど無欠席でダンスを続けました。意志の強さは確かなものです。特に印象に残っているのは、高2のダンス新人大会です。2年生の部員が庄司さん一人でしたので、出場をあきらめるように言ったところ「一人でも出場する」と言い張りました。それまでたった一人での大会出場はありませんでしたが、私は彼女の熱意に負けて出場を認めました。そして大会当日、彼女は力のすべてを出し切り、見事入賞を果たしたのです。庄司さんは独自の感覚や、さまざまなことを自分の中に詰め込み、それを熱して爆発させる力を持っています。その感覚や爆発力を活かし、自分の夢に向かって大きく羽ばたいてほしいと思います。(山森雅子先生)
(この記事は『私立中高進学通信2022年神奈川版』に掲載しました。)
北鎌倉女子学園中学校
〒247-0062 神奈川県鎌倉市山ノ内913
TEL:0467-22-6900
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