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私立中高進学通信

2021年神奈川版

コロナに負けない!私学のアクション

北鎌倉女子学園中学校

コロナ禍だからこそ先進的な取り組みが
生徒の学びを進化させる

iPadを使いこなす同校の生徒。創造力豊かなプレゼンテーションを披露しています。

iPadを使いこなす同校の生徒。創造力豊かなプレゼンテーションを披露しています。

教員のいICTスキルでオンライン化もスムーズ

 どこにいてもインターネットに接続できるLTEモデルのiPadを全校生徒に貸与し、電子黒板を使った授業を日頃から行っている同校では、ICTの活用はもはや当たり前となっています。2020年の2月下旬、政府から全国一斉の休校要請が出されると、その翌週の月曜日からすぐさまオンラインでの学習に切り替えました。

 生徒たちへは各教科の教員からオンラインで課題が配信され、さらに4月からはZoomによるオンライン授業がスタート。新中1、高1生には4月初旬に行った入学式でiPadを配布し、その場でメール設定の指導を行いました。

 その後もていねいにオンラインで使い方を指導したこともあり、4月15日には新入生も含めた全校生徒が双方向オンラインでの授業を受けられるようになりました。

 同校がこれほどスムーズにオンライン化を進められたのは、教員全員のICTスキルを高める、学校内の連携があったからだと広井修教頭先生はいいます。

「本校では教員 全員にApple Teacher(※1)の資格取得を義務付けています。ですから、スピード感をもって実行できました」

 6月になると、クラスの半数の生徒は登校して授業を受け、あとの半数はZoomを使って自宅からオンラインで受講するハイブリッド型の授業を行いました。同じ時間に、離れた場所でも同質の授業を受けることができたのです。

「Zoomを使った授業については、2020年の1月から、一部の教員が勉強会を開いて研究を始めていました。このように日頃から試行錯誤をしていますので、再び休校措置などがあっても、スムーズに対応できると思います」

授業の情報をチェックできる独自サイト

 2021年度より、生徒が授業を欠席する場合でも授業の内容を確認できるWebサイト「Kitakama Learning Site」の運用をスタートさせました。これは、授業の進捗や各教科の宿題の状況を、Googleカレンダーなどのクラウドツールで共有するものです。

 生徒は、自分のクラスのカレンダーをクリックすれば、その日に学んだ授業内容や、課題を知ることができます。印刷が必要な紙資料はすべて、自宅からでもプリントアウトできる仕組みです。

 カレンダーは各教科の教員も共有しているので、ほかの教科と課題や小テストが重なっていないかどうかチェックして、生徒の負担を調整することもできます。

「iPadを活用した授業については、教員間でさらに研究を重ねています。そのひとつが『全授業一カ月間PBL(※2)』です。体育や音楽などの実技科目も含めたすべての授業で一カ月間、教員はファシリテーターに徹し、生徒主体の授業を行いました」

 こうした授業によって、学校全体が活性化され、生徒たちもより自発的に行動するようになったそうです。定期テストでは測れない生徒の意外な能力を発見するきっかけにもなりました。

「ペーパーテストでは測れない生徒の能力をどう評価するかが、教員にも問われています。私たちは4Cと呼んでいますが、コミュニケーション力・コラボレーション力・クリティカルシンキング力・クリエイティビティを評価軸に、生徒の力を育てていきたいと思っています」

※1 Apple Teacher...iPadなど主にApple社の製品を用いて教育指導する人を支援するオンライン学習プログラム。受講し、そのスキルが認定されるとApple Teacherの資格が得られます。

※2 PBL(課題解決型授業)...「Project Based Learning」の略称。答えが一つではない問題を解決するために、すべての教科において自ら考えることを促す学習法。

コロナ対策事例1
以前からの取り組みが緊急時に活かされる

 同校のICT化は、コロナ禍にあって急ごしらえで行ったわけではありません。2015年から教員のタブレット研修を開始し、校舎にWi-Fiと電子黒板の導入を始めていました。

 2017年にはICT普及委員会を設置し、先生方がロイロノートやG Suiteを試験導入。全校舎にWi-Fiも完備しています。2018年の4月からは新中1生、新高1生にiPadの貸与をスタートさせました。

 2019年には教育機関向けのクラウド学習ツール「G Suite for Education」(※3)を完全導入し、保護者も含めて情報共有を進めてきました。生徒と保護者、学校がすでにしっかりとつながっていたからこそ、休校中も学びを継続することができたのです。

中学のオンライン授業。中1生も4月から即、Zoomでのリアルタイム授業を受けることができるようになりました 。

中学のオンライン授業。
中1生も4月から即、Zoomでのリアルタイム授業を受けることができるようになりました。

※3 G Suite for Education...Google社が提供する授業支援ツール。
Google Classroom、Googleカレンダーをはじめ、クラウドを活用して学習をサポートするための機能を備えています。

コロナ対策事例2
2019年には中高ともにADS認定校に

 同校では、日頃の学習やPBLの際に、iPadを積極的に使用しています。2019年には中高ともに「ADS」(Apple Distinguished School)にも認定されました。これはアップル社の製品を使って先進的な教育を行っている教育機関を認定するもの。国内では同校を含めわずか9校(2021年6月現在)しか認定されていません。中学校・高校ともに取得している例は珍しく、首都圏でも有数のICT先進校といってもいいでしょう。

 普段の学びで培ったICTスキルを、今後は学校近隣の地区全体に広げていきたいと考えているそうです。

「先日、鎌倉市の教育委員会とICTの連携協定も結びました。本校の教員が鎌倉市の小学校で研修も行っています。湘南地区をICTのシリコンバレーのような場所にしていきたいですね」(広井先生)

3月に行われた高校生によるスピーチコンテストの様子。密を避けるためスピーチはEnglish roomで発表し、その様子をZoomで各クラスに中継しました。

3月に行われた高校生によるスピーチコンテストの様子。
密を避けるためスピーチはEnglish roomで発表し、その様子をZoomで各クラスに中継しました。

コロナ対策事例3
「Kitakama Learning Site」で各教科の連携もスムーズ

 同校専用の情報共有サイト「Kitakama Learning Site」。もちろん、外部からは閲覧できないように設定されており、同校の生徒・教員・保護者だけがログインして情報を共有できます。

 各クラスのサイトには、時間割のほか、クラスでの係、委員会活動、掃除当番の表まで表示されていて、いつでも勉強を含めた学校の情報がチェックできるようになっています。学校をお休みしなくても、授業を遡って復習する時にも役立ちます。

 各教科のシラバスなども登録されており、保護者が学習内容とその目的を確認することができる点も好評です。

 教員も常時チェックして、生徒へ出す課題の量を調整するほか、教員同士の連携にも役立てています。

生徒・保護者が自由に閲覧できる「Kitakama Learning Site」。生徒・保護者が自由に閲覧できる「Kitakama Learning Site」。
中1のあるクラスのスケジュール。スケジュール内の項目をクリックすれば、テスト範囲や宿題の内容がわかるようになっています。中1のあるクラスのスケジュール。スケジュール内の項目をクリックすれば、テスト範囲や宿題の内容がわかるようになっています。

未来への展望
常に最先端の学びをめざしています
広井修教頭先生

 本校では2年前に全教員がApple Teacherの資格を取り終わりました。新しく赴任した先生方にも、順次取得してもらっています。現在は全教室を完全電子黒板化し、「スタディサプリ」「すらら」などのデジタル学習教材も導入しています。長期休暇には教員研修もしっかりと行い、最先端の教育を提供するために学校全体で取り組んでいます。

 2020年度より本校中学では、新たに「先進コース」がスタートし、中1で2時間、中2で3時間の「先進的な学びの時間」も設定されました。プログラムを組んだり、3Dプリンターでものを作ったり、ドローンを飛ばしたり、さまざまな学びを行っています。

 本校ではプレゼンテーションはグループではなく全員が発表をするようにし、生徒の積極性を引き出す指導を心掛けています。

 古い教育を脱却し、実践を重んじる教育、生徒の自主性を育む新しい女子教育を実施していきたいと考えています」(広井修教頭先生)

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