2026年に創立100周年を迎える国府台女子学院。コロナ禍が明けた昨年から、中高合同の大運動会を再開しました。「白菊会」（生徒会）や体育委員会を中心に、生徒主体で運動会を運営し、赤組（中1・高1）、白組（中2・高2）、青組（中3・高3）が学年の垣根を越え、優勝をめざします。

　同校の運動会の特徴は、運動の得意・不得意に左右されないユニークな演目（競技）が豊富にあること。常に演目に参加する生徒だけでなく、応援する生徒や教員、保護者も含め、会場全体が明るく楽しい雰囲気に包まれていたのが印象的でした。

　なかでも代々受け継がれ、参加する生徒も一段と力を込める演目が「応援交換」と「仮装行列」です。

「応援交換は運動会のスタートを飾る演目として、各組の応援団が互いの健闘を称え合うエール交換と、組の士気を高めるパフォーマンスを行います。
　その年の運動会が終わると、高校生の幹部メンバーは翌年に向けてすぐに選曲と振り付けの準備を始め、翌年4月に団員を募集し、6月の本番に向けて練習と衣装の制作に取り組みます。
　私の中学時代はコロナ禍の影響で応援交換を経験できませんでしたが、歴代の先輩方の想いを途絶えさせないように受け継ぎ、次の世代へバトンを渡そうと、白組の副団長として組を支えていきました」（白菊会／Tさん）

　各組の気合いが入った応援交換に、フィールドを囲む応援席から見守っていた生徒たちからも歓声が上がり、会場のボルテージは一気に高まります。

　一方の「仮装行列」では、各クラスで考えたテーマを基に、創意工夫を凝らした仮装でグラウンド内を練り歩きます。流行をとり入れたり、工夫を凝らしたオリジナル作品の見事な出来栄えに、保護者のシャッターを押す手も止まりません。

「4月にクラスで仮装の方向性を話し合い、コンセプトが決まると予算内で材料を揃え、放課後を利用して制作にあたります。中間テストを間に挟むので、短期間で集中して作り上げました。また、仮装行列では毎年たくさんのゴミが発生するので、今年は細かいゴミの分別や、再利用可能な材料を使用するなど、環境を意識して取り組みました」

　運動会が大成功に終わった背景には、より良い組織運営を目指す生徒たちの働きがありました。

「運動会がスムーズに進行するよう、今年は大きな進行表を会場に掲示したことで、生徒も保護者も流れを把握しやすくなり、運営に貢献できたと思います。来年、私は最高学年を迎えるので、運営のノウハウを後輩に引き継ぎながら、運動会をより楽しめる行事にするべく新しい取り組みにも挑戦していきたいです」（Tさん）

（この記事は『私立中高進学通信2025年4月号』に掲載しました。）