私立中高進学通信
2021年神奈川版
未来を切り拓くグローバル教育
横浜隼人中学校
ネイティブ教員9名が英語の授業を担当
英語で考える授業と心のグローバル化を育む教育
ネイティブ教員と日本人教員とのチームティーチング授業。普段の授業の中で、実践的な英語力が磨かれていきます。
国際社会で通用する力を育む
今から約30年前の1988年、同校はこれからの国際人を育成するため、「国際語科」を高校に設置しました。英語教育、国際化教育の長い伝統を持つ同校の中学では、国際語科で教えている6名と、中学生専任3名の計9名ものネイティブ教員が英語の授業を担当しています。
また、より効果的に学ぶため、日本人の英語科教員と、ネイティブ教員によるチームティーチングも取り入れています。
「以前中学では、ネイティブの教員は週1回の英会話の授業のみを担当していました。2020年から通常の英語の授業にも加わり、教科書の内容や文法事項も英語で教えるスタイルに変わりました。生徒は、教科書で勉強した単語や英文法が、実際の会話ではどのように使われるのかを日常的に学ぶことができます。
生徒たちは将来、外国人とともに働く機会も増えてくるはずです。そうした環境に早くから慣れる意味でもチームティーチングを推進しています」(中学主任/川島昇先生)
早くから国際社会で通用する力を育む環境を整えているため、例年高校の国際語科へ進学する生徒も多数います。
他者との協働から心のグローバル化を促す
同校のグローバル教育は、英語力だけでなく、他者と接する姿勢や、国際社会で通用するコミュニケーション能力を育む「心のグローバル化」を大切にしています。その精神について、校長の吉野純三先生は次のように話します。
「環境や経済、地域紛争、新型コロナなど、地球規模で考えるべき問題は数多くあります。解決のためには英語力の習得だけでなく、自分自身の内面を深く見つめ、互いの違いを認め合うことを通して、心がグローバル化されていなければなりません。
心のグローバル化は、授業や海外研修だけで培われるものではありません。本校では少人数制の授業できめ細かな英語科の指導を充実させているだけでなく、普段の生活の中でネイティブと接する機会や校外で異文化に触れる機会を増やしています。
また、部活動や学校行事に参加する中でも心のグローバル化を培うことができると、本校では考えています。特に学校行事は生徒が主体となって企画から実施までを担います。自分とは違う『他者』と協働することで、ともに生きることを学べる貴重な機会となるのです」
Action Report File001
ネイティブ教員を増員
英語で英語を学ぶ授業
英語文化圏の価値観も学び、理解する
中2の英語の授業を取材しました。教科書で習った文法事項を、実際のコミュニケーションの中でどのように使うか、生徒同士のペアワークで体験しました。繰り返して暗記するのではなく、習った文法を使って会話ができるよう、必然性のある場面が設定されています。
「ネイティブ教員が作ったワークシートは、日本人とは違う価値観が反映されています。そうした取り組みの積み重ねによって、文化の違いを知り、理解する『心のグローバル化』につなげていきます。コミュニケーションを土台に置いた授業を通して、英文法や単語、発話やリスニングまでをトータルに伸ばすことができるのです」(中学主任/川島先生)
中学の英語の授業も担う国際語科のネイティブ教員の皆さん。
英語の授業の中で、海外にいるネイティブ講師とマンツーマンで行うオンライン英会話も活用しています。
3名のネイティブ教員は、中学校全学年を専任で担当しています。
Action Report File002
中学3年間の特色ある語学研修
英語力を伸ばす
中学3年間にわたって、校内・国内・海外と学年ごとに学びのフィールドを広げる語学研修を実施し、世界の人たちの価値観に触れる機会や場面を設けています。
中2でのブリティッシュヒルズ研修、中3でのカナダ語学研修など校外プログラムは今年度、実施の方向です。現地での新型コロナウイルスの感染状況や、それに伴う手続きなどは生徒や保護者に十分な説明をしたうえで進めるといいます。
中1 校内語学研修
校内に外部からネイティブ講師を招き、さまざまな英語レッスンを2日間にわたって開講。クラスの垣根を越えて少人数のグループに分かれて、ゲーム要素を取り入れた楽しいレッスンを受けながら、英語を使う楽しさを体験します。
中2 国内語学研修
福島県にあるイギリスをテーマとした語学研修施設「ブリティッシュヒルズ」に2泊3日で宿泊。イギリスから移築された施設で、英語の実践力を高めるのが狙いです。自分から話さないと物事が進まない状況下で、英語でのコミュニケーションを体験します。
中3 海外語学研修
カナダのバンクーバーにて、5泊7日で実施。現地の学校を訪問してカナダの生徒と文化交流をし「人間関係を築くための英語」にチャレンジします。先住民の文化遺産見学、乗馬やアーチェリーなどのアクティビティを通して外国の文化や歴史も体感します。
先生から一言
他者との共生や異文化理解力を行事や部活動でも養う
「共生」は同校の教育の柱の1つであるとともに、21世紀の社会課題を解決するためのキーワードです。同校では部活動や学校行事を通して、人間関係の築き方や、一つの目標に向かって力を合わせるスキルを高めています。「合唱祭」「隼輝祭」「スポーツフェスティバル」といった3大行事は、生徒が主体となって進めており、学年やクラスの枠を越えた取り組みもあります。
中1の5月に行われる「黒姫高原宿泊研修」は、そうしたスキルを高める最初の行事です。
「例年、滞在中に揉め事が起きることもありますが、互いに気持ちを素直に出し合うことで、その後のクラスの雰囲気や人間関係がぐっと良くなります。心の壁を取り除き、生徒が成長していくためにも、部活動や学校行事を通して、さまざまな体験をさせたいですね」(広報部副主任/佐野辰徳先生)
中学入学後すぐに行われる黒姫高原宿泊研修
(この記事は『私立中高進学通信2021年神奈川版』に掲載しました。)
横浜隼人中学校
〒246-0026 神奈川県横浜市瀬谷区阿久和南1-3-1
TEL:045-364-5101
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