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私立中高進学通信

2021年神奈川版

未来を切り拓くグローバル教育

聖園女学院中学校

カトリックの精神から社会課題を考える

SDGsアイデアコンテストで県内上位に選出
県大会に出場した「SKY Blue」のメンバー(現高3)。スギ材・ヒノキ材を使った数寄屋造りの聖堂で。

県大会に出場した「SKY Blue」のメンバー(現高3)。
スギ材・ヒノキ材を使った数寄屋造りの聖堂で。

中学から学んだ探究学習を活かして県トップ10入り

 人を愛する信念を貫き、勇気をもって社会で貢献する女性を育てるため、同校では中高6年間を通してSDGsの視点から総合学習、探究活動に取り組んでいます。

 2020年度には、SDGs達成に向けたアイデアを発表するコンテスト「SDGs QUESTみらい甲子園」神奈川県大会で、同校の高2生チームがファイナリストに選ばれました。同校では中学からレポート作成やプレゼンテーションの経験を重ねており、その成果が結果として表れました。

 中学3年間の総合学習の全体目標は、学びの基本技能である「調べる・まとめる・表す」力の習得と向上です。中1ではSDGsの「貧困をなくそう」をテーマに、世界の貧困問題に目を向けます。

 フィリピンで貧困地域の教育環境改善に関わるNPO法人を創設した、系列である南山大学の名誉教授シーランド神父の講演を聞き、貧困問題の解決に向けた調べ学習を実践。生徒は自ら行動したいことをまとめて、発表します。

 中2では「企業インターンワーク」に取り組みます。企業が出す「指令」に基づき、食品ロスや廃プラスチック、超高齢化社会などの課題に取り組む、課題解決型(PBL型)の取り組みです。

 中3では「京都・奈良現地研修」として、中1・中2での学びを統合して、班別の自主研究に取り組んでいます。

探究を通して質問や対話する力を磨く

 高校では、「対話・提案・質疑応答」の力を高めることを探究の到達目標として、中学3年間の探究学習で積み上げた力を土台にして、より高度な課題に対して、実行性の高い解決策を提案していきます。

 高1では、個人発表に対する質疑に重点を置き、活発な質疑を行うには発表側・質問側の双方が、課題に対してしっかりと準備していることが必要だと学びます。高2では、中学からの探究学習の集大成として、SDGsの17の目標すべてに学年で挑戦します。グループに分かれて探究し、いかに具体的な問題解決に近づけるかをめざします。中間発表では相互評価を行い、目標の関連性に気づかせる工夫もしています。

「探究活動を行うにあたり、指導しておくべきことと、生徒が自ら気付くような情報の出し方のバランスを常に模索しています。まさに教員である我々も、探究活動を探究しています。
 しかし、生徒たちは予想をはるかに上回る成果を上げてくれています。文献やネットで調べたことだけでなく、積極的にフィールドワークや実験・調査を行って、調査結果の真偽をグループで話し合いながら検証しています。そのうえで自分ならではの解決案を実行する姿勢を身につけているのです」(入試広報部長/英語科・小倉茂敬先生)

生徒インタビュー
納得するまで議論を重ねた「『食』プロジェクト」のアイデア
「SDGs QUESTみらい甲子園」神奈川県大会 出場チームインタビュー
入賞したプレゼンテーション動画の一コマ。イラストや数値データなどを効果的に使って、わかりやすく明確に主張を説明しています。入賞したプレゼンテーション動画の一コマ。イラストや数値データなどを効果的に使って、わかりやすく明確に主張を説明しています。

 2020年度「SDGs QUEST みらい甲子園」神奈川県大会に出場し、ファイナリストとなった高2生のチーム「SKY Blue」。SDGsの目標のひとつである「産業と技術革新の基盤をつくろう」の達成に向け「『食』プロジェクト」を提案しました。

「『食』プロジェクト」とは、発展途上国への支援を、高校生自身が募金以外の形で実現するモデルを提案したものです。チームのメンバーで現在は高3の3名に話を聞きました。

「発端は『私たち高校生が発展途上国の人たちのためにできることは、募金を行うことだけだろうか』と考えたことです」(北村愛里さん)

「現地で何か活動を……とも考えましたが、高校生が現地でできることは少ないと思いました。そのため、現地の人たちが自分の力で今後発展していける方法を考えようというのが、このプロジェクトの始まりでした」(山谷真生さん)

 そこで考えたのは、支援団体を立ち上げ、企業から募った資金で技術提供をし、現地の人々の収入が、最低限の生活をし得る金額になるまで現地の農業・産業振興の支援を続けていこうというものです。

 さらにこのアイデアの特徴として、これまでに得た利益や知識を基盤に、他の産業の開発や発展に結びつけています。

 プロジェクトを広める方法として、主にインターネットの活用を提案したのも優れた点です。この現実的に考えられたアイデアが評価され、県大会ファイナリストに選ばれました。アイデアがまとまるまで、何通りもの方法を考え、非現実的なものを却下して、残ったものがこの案だったそうです。

「振り返ってみると、この探究活動が今の勉強や生活に“活きている”と感じています。社会科の授業で日本史を学んでいる時に、当時の政権の政策を、『こう改善したらいいのでは』と考えるようになりました」(北村さん)

「ニュースなどでSDGsについて取り上げられることが多くなり、一歩先を行く勉強ができていたとうれしく思います」(渋谷花音さん)

「SDGs達成のために何かできることはないかと、家族でも話し合って、家庭でのリサイクルをもう一度見直しました。こうしたところからもアイデアが出てくるような気がします」(山谷さん)

渋谷花音さんスライドを客観的に評価してもらう、大会事務局との連絡時のマナーを教えてもらうなど、家族にもたくさん助けてもらいました。渋谷花音さん
スライドを客観的に評価してもらう、大会事務局との連絡時のマナーを教えてもらうなど、家族にもたくさん助けてもらいました。
北村愛里さん中1の時から、探究活動で話し合いやプレゼンテーションをする機会がたくさんありました。相手の話を引き出す方法や、効果的な伝え方を身につけられたのが、とてもためになったと感じています。北村愛里さん
中1の時から、探究活動で話し合いやプレゼンテーションをする機会がたくさんありました。相手の話を引き出す方法や、効果的な伝え方を身につけられたのが、とてもためになったと感じています。
山谷真生さん家族が時事ニュースについて議論している時、私も参加できるようになりました。社会的な問題に対して、より関心をもつようになりました。山谷真生さん
家族が時事ニュースについて議論している時、私も参加できるようになりました。社会的な問題に対して、より関心をもつようになりました。
国際的な社会問題に迫りました
ICTを活用してコロナ禍でも深い議論を継続

 2020年度はコロナ禍で実際に集まることが難しかったため、チームでの話し合いにはZoomを使い、オンラインで活動を継続しました。各自がiPadを使い、クラウド上でスライドや資料を協働して編集するなど、ICTを活用したからこそ、深まった探究活動でした。

 経済用語を調べたり、探してきた英語の文献を和訳してみんなで読み合ったりするなど、幅広い学びにつながりました。

探究活動で用いた参考書やワークシート。英語の文献を探してみんなで和訳し参考に
探究活動で用いた参考書やワークシート。
効果的なプレゼンテーションになるよう、何度も撮り直し、工夫しました。苦心してわかりやすくまとめたプレゼン動画
効果的なプレゼンテーションになるよう、何度も撮り直し、工夫しました。
先生から一言
キリスト教の視点を取り入れた探究活動とは

 同校が高度な探究活動を行うことができる背景には、中学からレポート作成やプレゼンテーションの経験を積み上げてきたことに加え、キリスト教の世界観に基づいた教育理念が関係しています。

「本校の総合学習、探究活動は6年一貫のオリジナルのプログラムです。カトリックの視点を取り入れた学びにするため、SDGsの達成に向けてバチカンのフランシスコ教皇様がどのような考えを持っているか、文書や発言を紹介します。
 またSDGsの課題解決のヒントとして、聖書の御言葉を教えることも取り入れています。高2では解決案の一部を英語で発表しますが、これは自分たちが考えた解決策を、現実的に実現可能なものとして世界に発信できる力を養ってほしいと考えているからです」(入試広報部長/英語科・小倉茂敬先生)

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