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私立中高進学通信

2020年神奈川版

コロナに負けない!私学のアクション

鶴見大学附属中学校

今こそ国際交流!
スペインの日本語学校の生徒とオンライン交流会

スペインとの交流を体験した加納光さん(左)、森田ガブリエル秀俊さん(右)。

スペインとの交流を体験した加納光さん(左)、森田ガブリエル秀俊さん(右)。

スペインの生徒の意欲に刺激を受けて

 国の内外を問わず、文化や言語などの違いを越えて、多様な人たちと関わりながら、多様な問題に向き合うことが必須となるこれからの社会において、生徒たちに「新たな時代を切り拓く力」を育成するため、グローバル教育に力を入れている同校。中1・中2のイングリッシュキャンプや中3のオーストラリア語学研修、米カリフォルニア州の学生のホームステイ受け入れ、日本に住む外国人留学生と直接交流する『イングリッシュラウンジ』の開催など、国際都市・横浜の特性を活かしたプログラムを展開しています。

 こうした海外との交流は、新型コロナウイルスの影響で途絶えてしまうかのように思われました。しかし、“学びを止めない”ことを強く意識していた同校は、オンラインでスペインの生徒と交流する『日本×スペインおしゃべり交流会』を立ち上げ、生徒に国際交流の機会を提供したのです。

 きっかけは、5月にオンラインで行った教員の同期会だったそうです。グローバル教育担当の立田由起子先生や探究型教育担当の宮川真理子先生のほか、現在はスペインで日本語教師をしている同校の元教員の先生も参加していました。

 互いの国のコロナの状況や学校の様子を語り合ううち、スペインで日本語を学ぶ生徒に、日本人と話す機会を提供したいという話になり、立田先生たちがオンラインで交流を始めました。

「スペインの生徒たちも自粛中で学校に通えていませんでした。オンライン越しに日本語を学びたいという熱意を感じ、生徒の学びにつながる何かをしなければと大きな刺激を受けたのです。
 本校でも外国人留学生と交流する『イングリッシュラウンジ』の実施が難しくなっていたことから、国際交流の機会をつくりたいという思いが高まりました」(立田先生)

 その想いにICT担当の教員も賛同し、オンラインでスペインのバルセロナ日本語学校の生徒と同校の生徒をつなぐ交流会の計画が一週間で実現したのです。スペイン側の生徒の年齢と日本語力をふまえ、対象は中3生としました。「Google Classroom」(※1)を用いたオンライン授業やホームルームも軌道にのっていたことから、交流会への参加募集から実施まで、オンラインで実施できると考えました。

※1 Google Classroom…Googleの授業支援ツール。課題の配布や振り返りなど、教員と生徒の間の連絡をオンライン上で一括管理できます。

学校生活や勉強への意欲が向上

 呼びかけに応じたのは21名の中3生です。これを4~5名のグループに分け、スペインの生徒2~3名、ファシリテーターの教員2名の、1グループ計10名ほどで交流をしました。5月下旬から7月の上旬の毎週水曜日と土曜日に、1時間ずつ交流の時間を持ち、自己紹介や自分の家にあるもの、好きな食べ物、学校の様子、スペイン語ワークショップなどをテーマに、おしゃべりを楽しみました。

「普段、おとなしい生徒が、自分から話そうと積極性が素晴らしかったです。説明したいものを写真に撮ってスマホで見せるなど、会話を盛り上げようと準備する姿も見られました」(立田先生)

 交流会は今後も継続されます。参加した生徒たちはほかの勉強や活動への意欲を高め、スペインをテーマに自由研究をする生徒、スペイン語のワークブックを買って勉強を始める生徒など、主体的な学びが、さらなる課題発見や探究への意欲に結び付いているそうです。

 グローバル、探究、ICTの3つの領域が融合した豊かな学びは、生徒達に大きな刺激となっただけでなく、この先の学習や生き方にも影響を与えていくことでしょう。

コロナ対策事例1
スペイン日本語学校の生徒と
中3が積極的にコミュニケーション

 スペイン、バルセロナにある日本語学校の生徒7名と、同校の中3生の有志21名が参加した『日本×スペインおしゃべり交流会』は、5月下旬から7月中旬にかけて「Google Meet」(※2)を使って行われました。4~5名のグループに分かれ1時間ずつ、順番に話しました。

 最初は同校の教員もファシリテーターとして参加していましたが、少しずつ生徒たちだけで進められるようになっていきました。自己紹介から好きな食べ物、学校生活の違いなどを紹介し合います。使用言語は日本語ですが、最後の回には、スペインの生徒にスペイン語も教えてもらいました。

 交流相手のスペインの生徒は、日本語初級者でしたが、日本のマンガや歴史に詳しく、日本の生徒たちも意外だったようです。自宅からオンラインでつなぐと、リラックスできるからでしょうか。どの生徒も積極的に交流する姿が見られ互いの国について教え合ったり、スペインの生徒が聞きやすいようにハッキリと発音し、ゆっくりと話そうと気を付けるなど、異文化交流の貴重な体験の場となりました。

 今後は高2生と、バルセロナ日本語学校の、日本語中級の生徒たちとの交流会も実施予定です。

※2 Google Meet…Googleアカウントを利用して使えるWeb会議サービス。Googleの授業支援 ツール「Google Classroom」と連携して使用します。

交流会の様子。休校中、分散登校中は自宅から、学校再開後は自宅、または、学校のタブレットを借りてアクセスしました。

コロナ対策事例2
異国文化を肌で感じる体験
交流会に参加した生徒の声から
森田 ガブリエル 秀俊さん(中3)
「交流会は毎回、待ちきれなかったです」(森田さん)「交流会は毎回、待ちきれなかったです」(森田さん)

 日本の文化を教えたり、スペインの食べ物や世界遺産の話をしたりして楽しかったです。こちらが話した日本語をスペイン語で何というかも教えてもらいました。

 途中から司会役を引き受けるようになったのですが、話題を提供したり話を両方に振るのが難しかったです。

 母がペルー出身で、僕はペルーやアメリカにも行ったことがあるのですが、それぞれ文化や建築も違っていました。日本と外国が違うというだけでなく、世界の国はそれぞれ違うのだとわかりました。これまでは理科が好きでしたが、言語にも興味が出てきました。

加納 光さん(中3)
「友達の新しい一面も発見できました」(加納さん)「友達の新しい一面も発見できました」(加納さん)

 外国に興味があり、スペインは行ってみたい国の一つだったので参加しました。日本の学校生活を紹介したところ、スペインの学校は制服がないと知ってびっくりしました。日本では当たり前と思うことも世界では違うんだと感じました。交流の最後の回では、スペイン語を話してみました。スペイン語の発音は難しかったけれど、英語と似ている点もあると発見しました。休校中は外出する機会も少なく、家族以外と話す機会も少なかったので、オンラインで交流できて楽しかったです。

※3 ロイロノート…授業支援のためのクラウドツール。課題配布や宿題の提出に利用できるほか、思考力やプレゼンテーション力を育てるための機能も備えています。

先生から一言
自国を知り、他国を知ることで
真の国際交流を体験する機会に

 交流会の企画を立ち上げたとき、「コロナ禍の今だからできることをしよう」と、学校全体がこの試みを応援してくれたのがうれしかったですね。参加した生徒たちの積極性を見て、自分たちで何かを作り上げたことが自信につながっているのだと思います。何より生徒が楽しんでいる様子から、企画してよかったと感じています。

 コロナ禍に立ち向かうには自分の国を知り、相手の国を知りながら協働していくことが必要です。生徒たちには、相手とつながり、社会をより良いものにするために、自ら発信できる世代になってほしいと願っています。
(英語科・グローバル教育担当/立田由起子先生)

進学通信 2020年10月号
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