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私立中高進学通信

2023年4月号特集

中学受験の選択~男女別学の意義~

足立学園中学校

自ら育つ、自ら伸びる男子校
校長 井上 実先生校長
井上 実先生

――別学の良さはどのようなところにありますか?

 やはり男の子と女の子は本質的に違います。どうも男の子というのは、コツコツと積み上げていくことが苦手ですよね。女の子からすると “なんでちゃんとできないの?”と、そうなることがわりと多い。そういったことを十分に理解したうえで、男子教育をしていくべきと考えています。あまり早い時期から、あれをやれ、これをやれといっても効果がありません。男子校にとって大事な視点は、育てるのではなく、自ら育つ人をつくることにあると考えています。

――そのような足立学園の核となるのが、『志共育』ですね。

 世のため人のために何かを成そうと、そんな志を持つことで、自らの将来を切り拓いていってほしいとの願いを込めています。それでも “まだ見つかっていません”と、高2でも平気で言っている生徒もいますから、簡単ではありません。ただし、男の子特有の “吹っ切れたときの伸びしろ”はものすごくパワーがあります。伸ばされるのではなく、伸びるのです。そのお手伝いをするのが、男子校にいる私たち教職員の役目であり使命でもあるのです。

――お母さま同士のつながりもユニークなものがあると伺っています。

 男子校の中に “女子校”があるイメージです。男子校に対する偏見のようなものがパッとなくなった瞬間から、仲良しになっています。私たちは生徒を放っておきませんが、お母さま方も同様です。お子様と一緒に、男子校ライフを楽しんでもらいたいと思っています。

Column
初の試み『アフリカスタディーツアー』を語る~相澤智子先生
入試広報部部長 相澤智子先生入試広報部部長
相澤智子先生

 グローバルプログラムが充実している足立学園に、2022年12月、新しいコンテンツが加わりました。タンザニアを拠点にワイルドな1週間を送る『アフリカスタディーツアー』です。
「まずタンザニア大使館を訪問するところからスタートしましたが、用意してきた英文を読み上げる力も弱く、生徒全員が消極的でした。こんなことでタンザニアのキャンプができるのかどうか、とても心配でした」
 そう語るのは、9名(中3:3名、高1:3名、高2:1名)の生徒に同行した4名の先生方の一人、相澤智子先生です。
「ツアーコンダクターやプロの料理人が付き添ってはいるものの、サバンナでは全員が協力しなければ、食べることも眠ることもできません。クルマがスタックし、テントを設営する時間が遅れれば、食事をする時間もなくなることに気づいたのは、キャンプに入った2日目のことでした。消極的な姿勢では、自分たちの生活が成り立たないのです。そんなことに気がついた彼らは、突如として積極的になりました。“ここに女の子がいたら彼らはどうなっていたのだろう”と考えつつも、『アフリカスタディーツアー』をやってよかったなと思いました」
 キャンプは4日間。特にサバンナでの、野生動物たちの息遣いや匂いまで、リアルに感じられる大自然の中で寝食を共にした日々は、生徒一人ひとりにとって、かけがえのないものになったようです。
「ただ待つだけだったような生徒も、自分からどんどん動くようになり、喜怒哀楽をなかなか見せなかった生徒も、後半には満面の笑みを浮かべるようになっていました」
 初めての試みのわりに収穫が大きかった『アフリカスタディーツアー』は、今後は規模を少しずつ拡大しながら、男子校ならではの名物行事として定着させていきたいそうです。

 地元有志の熱意で設立された背景を持ち、「下町の男子校」として90年以上の歴史がある。16代目となる井上実校長就任後は、自ら将来を切り拓いていくことができる全人教育を基盤にした『志共育』が定着している。

足立学園中学校  

〒120-0026 東京都足立区千住旭町40-24
TEL:03-3888-5331

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