私立中高進学通信
2023年4月号特集
中学受験の選択~男女別学の意義~
東洋英和女学院中学部
すべてはつながっているのです
石澤友康先生
――貴校にはキリスト教を基盤とした穏やかな環境があります。
キリスト教教育に基づいた他者理解や自己肯定の精神が脈々と受け継がれていることを実感しています。優しいだけでなく、逆境を跳ね返す力強さも併せ持った生徒が数多く在籍しています。その精神が根底にあるからこそ、安心して生活を送ることができ、仲間との絆も深まっていくのです。そして「英和が好き」という気持ちが醸成されます。それは卒業してからも変わりません。建学の精神『敬神奉仕』が強く根付いていることを感じます。
――女子校であることの誇りとは何でしょう。
本校には、女子校の特徴である優しさや気兼ねのなさ、絆が溢れています。六本木の学び舎には、卒業生が毎日のように戻ってきて、「いつでも東洋英和の力になってあげたい」と口をそろえて言うのです。どうやら女性の共感力は男性に比べて強く、「私たちが体験した良いものを、後輩たちのために残したい」と思うようです。横のつながりに加えて世代をこえた縦の絆も、とても強い。そのような学校文化が創出されるのは、別学にその機会が多いと、そんな気がしています。
――居心地の良い環境が人を育てていくのですね。
キリスト教をベースにした環境で育った一人ひとりが、東洋英和から巣立って、また帰ってきて、さらに絆を確かめ合って成長していくのです。興味深いのは、卒業するとさらに「英和生らしくなる」ことです。在校時には気づかなかった英和の良さが、広い世界を知ったからこそ再認識できるのでしょう。それこそ「良い学校」の証明ではないでしょうか。
Column
ありのままでいられる環境が好きです
H・Tさん
「入学式の日、石澤先生から“神様が私たちを選んだからこそ、皆さんは英和生になった”とのお話をいただきました。当初は理解できない部分もありましたが、卒業を間近に控え、改めて英和での学校生活を振り返ると、神様に守られた環境で、素敵な友人たちや先生に囲まれていたからこそ今の私がいると思うことができるようになりました。勉強にも部活動にも全力で取り組みながら、『敬神奉仕』の精神を自分なりに体現できた6年間だったと思っています。男の子がいない環境の中で、ありのままの自分でいられるところが女子校の良さではないでしょうか。大学進学が決まった今、さらに英語が喋れる人になって、異文化理解の輪を世界中に広げられる人材に成長していきたいと考えています」(今春卒業のH・Tさん)
娘の心の引き出しが多くなりました
R・Мさん
「私自身も女子校出身です。ジェンダーバイアスが逆にない女子だけの中で、自分の強い部分と弱い部分に対する気づきがたくさんあった体験から、娘も女子校に進学させたいと思っていました。学校説明会の折、石澤先生が『敬神奉仕』の額を指しつつ、英和生は人に優しくすることを優先させると教えてくださいました。当時小4の娘がどう感じるか不安でしたが、娘にもフィットし、東洋英和を熱望して入った一人になりました。中3になった今、娘の心の引き出しがすごく増えたと感じています。東洋英和で学んだ人間力を、生涯にわたって発揮していくことができると確信しながら、そうした学びの機会をいただいていることに感謝しています」(中3保護者のR・Мさん)
キリスト教プロテスタントのミッションスクール。カナダ・メソジスト教会の日本派遣婦人宣教師マーサ・J.カートメルにより、日本女性の自立・地位向上をめざして設立された。建学の精神『敬神奉仕』の実践者の育成を教育目標にしている。
東洋英和女学院中学部
〒106-8507 東京都港区六本木5-14-40
TEL:03-3583-0696
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