私立中高進学通信
2023年4月号特集
中学受験の選択~男女別学の意義~
京華中学校
主体性をもってやり抜く力を育てる

町田英幸先生
――ズバリ「京華の魅力」とは何でしょう?
本校には『天下の英才を得て之を教育す』という建学の精神があります。明治30年の創立時、非常に斬新な言葉だったと思います。「入学してくる生徒たち一人ひとりの良いところを見つけ出し、それを磨き上げ、社会有為の財とする」という意味があります。その精神は今も脈々と継承されており、教育メディアのアンケートなどでは、「面倒見の良い学校」といわれています。この “面倒見の良さ”をかみくだいて言うと、一人ひとりの成長を見てあげて、背中を押してあげるという面倒見の良さです。
――自己肯定感を持てるように育てるということですね
本校ではここ数年、『グッドトライがあふれる学校へ』とのスローガンを打ち出しています。誰もが自分の好きなことに挑んでほしいからです。男の子は好きなことに夢中になると、なりふりかまわず突き進んでいきます。その中で主体性が身についていきます。主体性をもってやり抜く力をつけること、これに導いていくのが京華の大きな教育の柱です。
――『ネバー・ダイ(不撓不屈)』の精神ですね。
東大に入学した野球部の生徒は六大学で野球をやりたいといっていましたが、自分の力量じゃ私立のレギュラーは無理だからと、東大受験に挑戦し、現役合格を勝ち取りました。「やりたいことがあるから東大に行く」とのまさに “ネバー・ダイ”の精神です。そんな子が育つのも京華という男子校の魅力なのです。
Column
保護者もほったらかしにしない学校

「以前、アニメーション研究部の子が、“男子校はオタクがオタクを主張できる”と豪語していました。そういうことがいえるのも、男の子にとって居心地の良い環境があるからです。そんな生徒たちの成長が気になる保護者とは、成績表でつながっています。本校は生徒でなく、直接保護者に来校して頂いて成績表を手渡しするのが創立以来の伝統になっています。ちなみに、保護者会を設けたのは本校が日本初で、古くは父兄人保証会といっていました。この時に、ご家庭と連絡をとるために用意したのが『生徒簿』というもので、これが今でいう生徒手帳のルーツです。要するに、家庭と学校の両輪が揃わないと、思春期の男子の教育はなしえないという、創設者・磯江潤の考え方があったからです。今でも本校は保護者会を頻繁に行っています。年間6回と多めです。その理由を簡単にいいますと、保護者もほったらかしにしないからです。学校としては家庭での生徒の様子が知りたい、親としては学校での子どもが知りたいのです。その中から“子ども像”を把握していくので、保護者の方々と学校の信頼関係には自信があります。よくお母さん方は、男の子ばかりの環境にいると、彼女ができなくなるのではないかと心配されます。そんなことはありません。卒業するとすぐに彼女をつくって、わざわざ二人で挨拶に来る子もいます。一方、30代、40代の卒業生も京華祭にやってきます。“ネバー・ダイ精神は先生から叩き込まれた”と。今の男子教育は甘いなどと逆に教え子たちから諭されますけど、嬉しいものです」(町田先生)

京華祭での一コマ

京華には「日本の中心、東の京(東京)にあって華やかに輝く学校となれ」との意味がある。名付け親は、明治維新で活躍した長州藩士・品川弥二郎。生徒が好きな何かに打ち込む姿勢を、全校挙げて応援するのが伝統になっている。
京華中学校
〒112-8612 東京都文京区白山5-6-6
TEL:03-3946-4451
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