私立中高進学通信
2025年 受験Plus
生徒の主体的な活動にフォーカス!
田園調布学園中等部
戦後80年 高校生が考える
平和と戦争シンポジウム
2025年11月23日、都内私立5校の高校生が参加する
「平和と戦争シンポジウム」が、LINEヤフー株式会社にて開催されました。
駒込、聖学院、園調布学園、東京立正、中村から83名が集結。
平和と戦争をテーマに研究成果を発表しました。
| 開催日 | 2025年11月23日(日) |
|---|---|
| 会場 |
東京ガーデンテラス紀尾井町 紀尾井タワー17階 LINEヤフー株式会社 オープンコラボレーションスペース「LODGE」 |
| 参加高校 | 駒込/聖学院/田園調布学園/東京立正/中村 |
| プログラム | ポスターセッション/プレゼンテーション/パネルディスカッション/トークセッション |
高校生が戦争の悲惨さと
平和への想いを語る
Yahoo!ニュース「未来に残す 戦争の記憶」プロジェクトから派生した「平和と戦争シンポジウム」。聖学院と駒込の生徒が、原爆投下時の写真を同プロジェクトに提供した尾糠清司氏(※)と出会いアクションを起こしたのを機に、その活動が他校へも広がり、今回のシンポジウムにつながりました。
シンポジウムのハイライトであるプレゼンテーションでは、各校の生徒が戦争について調べた内容を発表しました。
聖学院は、広島を訪れて被爆された方から伺った体験を紹介するとともに、ロシアからの侵攻を受けている今のウクライナが求めるものについて考察。
東京立正は、日本とロシアの「北方領土問題」について発表。ロシア側の意見も調べ、双方の視点に立つことの大切さを訴えました。
中村からは、広島の原爆ドームを訪れて衝撃を受けたことをきっかけに戦争について調べ始めたというA・Uさんが単独で参加。「戦後80年の今、平和教育で戦争は減らせるの?」という問いを立て、考察しました。
オンラインで参加した田園調布学園は、学習体験旅行で訪れた長崎での経験について、「現地で生の声を聴き、私たちの何気ない普段の暮らしがいかに尊いものかを実感した」と振り返ります。
駒込は、戦時中における日常のエピソードを伝えることで、戦争の記憶を次世代につなげていく「#あちこちのすずさん」の活動に参加しており、その内容を紹介。文化祭や今回の展示では、戦争当時の質素な食事や服装を再現し、参加者の注目を集めました。
続いて立教大学大学院特任教授の宮本聖二先生、大正大学准教授の木村豊先生がファシリテーターとなり、各校から代表者1名が参加するトークセッションを開催。活発な意見が交わされました。
幅広い年代の参加者が集い、戦争と平和について考えた今回のシンポジウムに、「未来を担う高校生が平和について考え行動する姿に感動した」という声が多く聞かれ、参加した大人たちにとっても有益な時間となったようです。
※写真家・故尾糠政美さんの三男
駒込「今も深く残る戦争の傷跡とどのように向き合っていくべきかを考え続けることが、私たちの使命です」(駒込/O・Hさん・高2)
聖学院聖学院からは10名の生徒が参加。ロシアのウクライナ侵攻で亡くなった現地の学生を追悼する展示「発行されなかった卒業証展」について紹介しました。
田園調布学園田園調布学園のH・Kさんは、学習体験旅行で訪れた長崎で、被爆された方や現地高校生の平和大使から聴いた話などを動画で発表しました。
東京立正東京立正は「北方領土問題」について発表。その歴史的経緯や政治・国家間の問題を正しく理解ことの大切さを訴えました 。
中村「世界では実際に戦争が起きています。自分も当事者になるかもしれないという視点をもってほしいです」(中村/A・Uさん ・高2)
オブザーバーの先生より
立教大学大学院
社会デザイン研究科 特任教授
宮本 聖二 先生
特に印象に残ったのは、「戦争を学ぶことが、戦争をなくすことにつながらないのでは?」という問題提起でした。戦争に関する番組制作をしてきた私にとって、そこからさらに何ができるのかを突きつけられた思いです。生徒たちは活動に同級生を巻き込めていない現状を口にしていました。「反戦と平和」という当たり前の想いを、もっと社会に働きかけること。私ももう一度、挑戦してみようという気持ちにさせられました。
大正大学
准教授
木村 豊 先生
シンポジウムは戦争と平和について調べて考えたことを、自分の言葉で語るというものでした。生徒たちは戦争を自分事として考え、「私ならどうするか?」と新たな視点を模索していたようです。その模索は、「これからどんな社会でどう生きていくのか」という、未来の構想へとつながるものになっていました。こうした場に立ち会えたことを、大変光栄に思います。
各々代表生徒インタビュー
駒込
O・Hさん(高2)
戦争を体験した語り部の方々が減っているなか、未来を担っていくのは私たち高校生です。こうした機会を通して平和と戦争について真剣に考えている同年代の人がほかにもいるとわかり、うれしかったです。戦争を知ることは苦しいけれど、二度と起きてほしくないので、今後もこうした活動を続けていきます。
聖学院
N・Rさん(高2)
戦争について調べたことで、今、私たちが毎日の食事や家族との団らん、友人とのたわいのないおしゃべり、そして学校で教育を受けられることが、どれほど幸せなことかを改めて実感しました。これからは感謝の気持ちを忘れずに、周りの人にも学んだことを伝えていきたいと思います。
田園調布学園
H・Kさん(高2)
戦争や平和を「知識」として受け取るだけでなく、そこで生まれた問いを自分なりに考え、発信することが大切だと感じました。きっとそれは考えれば考えるほど広がり、答えが見つからないもの。しかし、そこで思考を止め、ただ暗記するのではなく、誰かに注目してもらおうとする姿勢が大切なのだと思います。
東京立正
A・Nさん(高2)
今後の日本と世界はどうなっていくのかを知りたくて、戦争と平和について調べ始めました。「北方領土問題」でロシアの主張を日本語に翻訳した際、内容がロシアの視点で書かれているのを痛感しました。ロシアもまた被害者であるという面を考慮することも重要だと気づきました。
中村
A・Uさん(高2)
「平和教育で戦争は減らせるの?」という問いを考察するなか、「加害者の視点・被害者の視点・国際的な視点」を学ぶことで、「自分たちだけが正しい」という考えから脱却できると考えました。戦争をなくすには世界の人々に自分事として考えてもらうことが大切。将来は教師になって平和教育を推進していきたいです。
田園調布学園中等部
〒158-8512 東京都世田谷区東玉川2-21-8
TEL:03-3727-6121
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