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私立中高進学通信

2025年特別号

生徒の主体的な活動にフォーカス

開智未来中学校

観察・発見・疑問を通して学びを深め
自立した先の未来へとつなげていく
中1の『里山探究フィールドワーク』

 開智未来中学・高等学校では中学から高2までの5年間を通して、学年ごとに特色のある探究プログラムを設定しています。特に中1で取り組む『里山探究フィールドワーク』は、開智未来の教育の基礎となる、重要な教育活動として位置付けられています。里山探究フィールドワークの教育的効果について、中1学年主任の野中俊希先生へのインタビューを中心に紹介します。

自立を促す中1の里山探究フィールドワークに注目!
お話を伺った社会科の野中俊希先生。お話を伺った社会科の野中俊希先生。開智未来の卒業生でもある野中先生は、在学中に五感で学んだ探究活動のおもしろさを後進に伝えようと、母校に戻ってきました。

――里山探究フィールドワークのコンセプトは?

野中先生
コンセプトは『人間と知性を育てる』というもので、『人間と自然を心身で学んで「未来生」になる』ことをねらいとしています。ポイントとなるのは、疑問→仮説→検証→発表といった探究の手法を、一つひとつ実践しながら身につけていくところにあります。

――里山探究プログラムの概要を教えてください。

野中先生
中学1年生の一学期の中間考査が終わってすぐの5月上旬頃から、「何をテーマとして3泊4日の里山探究フィールドワークとするか?」を、生徒一人ひとりに決めてもらいます。中学生になったばかりの生徒にとって、目的を明確にすることは決して容易なことではありません。事前に配られる『里山テキスト』を熟読したうえで、各自にこれからの行動予定を立ててもらいます。テキストに書いてあることで理解しにくいことは聞いてもかまいませんが、読まずに聞いてくる場合には、心を鬼にして答えないようにしています。これから本当の「未来生」になるために自立をしてほしいからです。

今年度里山探究フィールドワークに臨むにあたり、学年間の合言葉は生徒間の話し合いのすえ、『自立しよう』に決まりました。

探究活動を始める前の生徒がまとめたノート。
「観察→発見→疑問」の重要性に気づいた生徒の、
「疑問はみんなの宝物」の一文が印象的です。

「人間体験」×「自然体験」で大きく成長するチャンス!

――3泊4日の里山探究フィールドワークの滞在先は?

野中先生
長野県飯山市内の“里山”です。宿泊先は現地の民宿で、20人ずつに分かれて泊まります。各班には学年団の教員が一人ずつ入りますが、宿泊先の関係者も“お父さん”“お母さん”のような立場で生徒に声かけして、自立をめざす生徒たちの成長を見守ります。

――具体的にはどのような活動を行うのでしょうか?

野中先生
コンセプトに基づいて、学びの範囲は【人間】と【知性】に分かれます。前者は、人間体験を主とし、後者は、自然体験がメインです。人間体験とは、自分体験(自分と向き合う)、里山体験(里山の人とのふれあい)、生活体験(集団生活、宿での家事)を、自然体験では、早朝アクティビティや夜間アクティビティ(ホタル観察、星空観察、ナイトハイク)といったプログラムを用意しています。

――人間体験は、文字どおり一人の人間として大きく成長するチャンスですね。

野中先生
そうですね。例えば、食事の用意は民宿の方々がしてくれますが、いわゆるホテルや旅館などとは異なります。食後の片づけや布団敷は生徒たち自身ですることになります。何か困ったことがあれば、民宿の“お父さん”“お母さん”に直接相談して、解決する必要があります。そして集団生活を通して、協力し合うことの大切さを身をもって学ぶ機会となります。

――なるほど。自然体験はどうでしょう?

野中先生
自然体験は、①森林探究(ブナ原生林から学ぼう)、②水生生物探究(水生生物を見つけよう、捕まえよう)、③里山探究(自然と人間の共存について考えよう)の3つのテーマに分かれます。どれを選択してもかまいませんが、「何をするか」は各班で決めます。現地で見たもの、触ったもの、聞いたものなどは、大きな課題である『里山スケッチノート』にまとめてもらいます。

民宿での一場面。事前に用意して持参した滞在地の白地図に、今日一日の探究活動の“成果”を描き込んでいきます。入学後初めての宿泊行事でもあり、共同作業の大切さも学んでいきます。
里山探究フィールドワーク、で各自が“探究”した場所が描き込まれたマップ。共同作業の成果の一つとして『未来祭』で展示されていました。
「見える」と「見る」の違いを知るためにまずはスケッチ!

――タブレット端末で写真を撮る、意見を共有するといったことではなく、基本はスケッチなのですね。

野中先生
はい。中1の里山探究フィールドワークでは、スケッチすることを重視しています。そのポイントは、「見える」と「見る」は異なるからです。「見る」とは意識して見ることであり、目の焦点を合わせて見ることです。そうするとくっきりと見えてきます。その「見る」をもっと徹底すると「観察」になります。そして、「観察する」と「描ける」ようになります。所定の『里山スケッチノート』にスケッチすることを重要視するのは、これから先、何事もしっかり観察していくための方法であり、訓練でもあるのです。

――実際に現地で探究する生徒たちの様子はどうですか?

野中先生
入学してからすぐの段階で、探究活動の基本的な流れは、【観察】【発見】【疑問】にあることを教えています。この考え方に基づいて、生徒たちはそれぞれ探究活動に没頭していました。例えば流れの緩やかな小川に入り、一日中水生生物を追いかけている生徒もいれば、シンプルに「家で食べるキュウリよりもおいしい!」と盛り上がる生徒もいます。本当に探究する一人ひとりに個性があらわれるため、見守る教員は不安な面もありますが楽しみはつきません(笑)。キュウリがおいしいと話す生徒の探究として大事なことは、「なぜおいしいと感じるのか」ですね。野菜畑の傍らに座り込み、スケッチをしながら、自ら主体的に自分だけの答えを導き、探究を深めてほしいと思っています。

黙々とスケッチに勤しむ生徒たち。
夜は描いたスケッチをみんなに見せながらの発表会が待っています。

小川の水質調査に励む生徒。
川でアカハライモリを採取した生徒も。その後この生徒は、自宅でアカハライモリを飼いながら、“アカハラ”を“シロハラ”になる実験を試み、その成果を発表したそうです。
「発表」を通して思い描くことができる自立した未来の姿!

――4日間にわたる里山探究フィールドワークの期間中、毎日発表の機会を設けているそうですね。

野中先生
はい。まず往きのバスの車中では、里山探究フィールドワークで行いたいことを発表します。以降、民宿では毎晩、民宿の“お父さん”“お母さん”も含めた聞き手を前にした、定例の発表会が続きます。帰りのバスの車中では、帰ってからも続けたいことを発表してもらいます。そして最後が、本校の文化祭『未来祭』での発表です。そこで代表に選ばれた生徒には、毎年2月に開催される『未来TED』(※)において発表できる栄誉が与えられます。

――今日は里山探究プログラムの発表があると聞き『未来祭』にやってきました。中1の生徒たちの堂々としたプレゼンの姿に、小学生親子も感心している様子です。

野中先生
特に小6の子どもたちには、「半年後の自分の姿がこれか」と、「ここまで成長できるのか」と、ロールモデルとして見てもらいたいと思っています。また、引率のお父さま、お母さま方には、たくましく成長している生徒たちの探究発表の姿を通して、子どもたちが自立に向かう姿を、感じてもらえたらうれしいです。

※未来TED:探究プログラムの1年間の総仕上げとして開催される開智未来の名物行事。中1~高2までの生徒が一堂に会し、各学年の代表生徒が日本語や英語でプレゼンテーションを行い競い合う。

民宿での発表会の様子。
「一日目に感動したことの発表」→「早朝アクティビティでの観察・発見・疑問の発表」
→「森林・水生生物・里山探究での成果を発表」→「帰ってからも続けたいことの発表」
へと段階を踏んで毎日行われます。

『未来祭』で行われた中1の発表会から。
この夏、里山探究フィールドワークを経験し、心身ともに大きく成長した生徒一人ひとりが、堂々と発表しました。

この日は『未来祭』の初日。中学受験を考える多くの小学生家族も訪れました。

開智未来中学校  

〒349-1212 埼玉県加須市麦倉1238
TEL:0280-61-2021

進学通信掲載情報

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