私立中高進学通信
2025年特別号
卒業生が語る 私の成長Story
日出学園中学校
一人ひとりの個性を認め合う環境が
「FLYERS(フライヤーズ)」の自由な活動の原点
「FLYERS」による生徒制作学校紹介動画の撮影風景
2015年度に発足した生徒主体の学校広報団体「FLYERS(フライヤーズ)」が、今年で10周年を迎えました。在学中にメンバーとして様々なプロジェクトに取り組んできた卒業生3名に、FLYERSの活動や当時の思い出などについて語っていただきました。
FLYERSの活動のきっかけ
――原田さん、成田さんは「FLYERS」創成期のメンバーですね。この時期はとくに手探りでいろいろなことに取り組まれていたとうかがいました。そして成田さんは、「FLYERS」の名づけ親でもあるそうですね。
成田
はい。「FLYERS」という名称は、学校広報という活動内容からフライヤー(チラシ)を連想したところからアイデアが広がり、「社会的成功をめざしつつも、楽しさを愛する米国の若者の呼称」であるfun loving youth en route to successの頭文字をとったダブルミーニングで提案しました。
原田
今は「FLYERS」の名前が浸透してきた印象がしますが、活動当初はまだその名前はありませんでした。もともと私は生徒会に所属していて、学校説明会で生徒の代表として話す機会もあったのですが、その延長で「外に出てみよう」と始まったことを覚えています。本当に手探りで活動していた頃を振り返ると、感慨深いです。まさかここまで大きくなるとは思いませんでした。
――播本さんは特進コースに所属していましたが、勉強とボランティア活動の両立に苦労はなかったですか?
播本
もともと多趣味なところがあり、いろいろなことに挑戦して動いていきたいという気持ちが強いので、あまり苦にはなりませんでした。様々な活動をしていると、例えば、趣味で取り組んだことが勉強した内容につながったり、授業で教わった内容が小説に出てきたりなど、物事同士が「つながる」瞬間があるんです。こうした経験こそが思い出に残ったり、進路を考える際に役立ったりすることが多いので、FLYERSの活動にも挑戦しました。

左から原田花純さん、成田百花さん、播本亜海さん。
FLYERSで活躍した卒業生の皆さんです。
「FLYERS」の活動を通して学んだことや印象的な思い出
――「FLYERS」の活動で印象深いものを教えてください。
原田
緊張感とともに思い出すのは、ある大学にお邪魔し、知らない人たちの前で「FLYERS」の活動の説明を行ったことです。「なんでも自由に話してください」と、台本はないなかで自己紹介をして、相手の反応を見ながら話をしていきました。正直当時は「高校生には荷が重すぎる」と思ったこともありましたが(笑)、今思えばあのとき先生方や学校にすべてお膳立てというかレールを敷かれていたら、「FLYERS」の今のような自由な活動は実現していなかったと感じます。私たち生徒を信じて、「生徒自身で考える状況」をつくっていただけたことに感謝しています。
成田
私は、「FLYERS」で民放のテレビ番組に出演したことが印象に残っています。いつも見ている番組に演者として出演することになったのがすごくうれしかったですね。そのときの場合、台本は打ち合わせをしながら作っていったのですが、無茶ぶりというか台本だけでは成り立たない状況もありつつ、それを楽しむことができたのでとても良い経験になりました。
それから卒業後に、学校紹介の映像撮影に参加したことも印象に残っています。卒業生として日出学園の魅力をアピールできたこと、それを映像に残していただけたことは、自分自身のためにもなりましたし、母校に貢献できたことがうれしいです。
播本
有名な英語資格試験である「IELTS(アイエルツ)」の試験会場として日出学園が認定された際に、署名捺印式に参加したことが印象深いです。コロナ禍だったこともあり、「人と話す機会がほしい」という思いが強くて、企業の方とお話できる絶好の機会だと思って参加しました。当時高校生だった私は、そこまで「大きなことに関わっている」という感覚はなかったのですが、今振り返ってみると意義深い瞬間に立ち会ったのだなと感じます。
――「FLYERS」の活動や経験は、社会に出てからどう役立っていますか?
播本
「大人」「企業」「社会」などに対するイメージが大きく変わったことは、貴重な経験になりました。高校生のときは、大人・会社などに対して、なんというか「無機質」なイメージをいだいていたんです。それが「FLYERS」の活動を通して、ものをつくったり、企画を通したりする際には、人と人が話し合いながら進んでいく様子を目の当たりにしたことで、企業や社会などの後ろには、感情のある大勢の「人」がいるのだということに気づかされました。この気づきは、大学に入って研究をしたり、就職活動で自分がやりたいことについて考えたりする際に役立ちました。
原田
初対面の人に対して何かをアプローチしていく経験や、ゼロから人間関係を構築していく際は、まずは自分から1歩を踏み出して対話を重ねていくことの重要性を学んだことは、社会に出てからも役立ちました。人脈や経験など、「FLYERS」の活動を通して学んだことが今の自分のベースになっている気がします。卒業後にこうして呼んでいただけることも、とてもうれしいです。
日出学園の魅力とは?
――改めてになりますが、皆さんが思う日出学園の魅力とは?
播本
日出学園の好きなところは、たとえ知らない人でも、校内で行きかう人同士がみんな挨拶をしたり、会釈をしたりしてくれることです。アットホームで和やかな雰囲気がすごくよくて、「第2のホーム」と呼ばれるのも納得です。また、よい意味で他者の活動に干渉しない雰囲気があるのも居心地よく感じる点です。私の場合中学校までは公立に通っていたのですが、中学までは年齢的な特性もあったかもしれませんが、「みんなと同じであるべき」という同調圧力を感じていたように思います。そうした環境では、「FLYERS」のような活動にチャレンジすることは難しかったかもしれません。日出学園では、どんな活動であっても、「頑張ってね」と応援はしてくれるけれど、「特殊だよね」という扱いはされません。それが挑戦のしやすさにつながっていました。
成田
私は小学校から高校まで長く日出学園で過ごしています。だからこそ、その魅力をなかなかひと言では語り切れないのですが、一つあげるなら、必要なルールを大切にしつつもそうしたルールをときには取り払って活動する「FLYERS」のような場所があることが、魅力だと感じています。
在学中、「生徒会の活動と応援団は兼任できない」と言われていたことに当初納得していたものの、徐々にジレンマを感じるようになったんです。「工夫すればやれる可能性もあるのに、どうしてだろう」と抱えていた思いを先生方に話し続けていたところ、しっかりと両方の活動ができるのであれば、兼任も認めると学校の機運が変わっていきました。大げさな言い方かもしれませんが、生徒からの働きかけで意識の改革ができること、「変わり続けられる」環境があることも、日出学園の魅力だと思います。
原田
同じ学年の人はもちろん、先輩や後輩の顔もある程度はわかるというような少人数のアットホームな環境が、日出学園の好きなところです。同時に、例えばITに長けていて将来はシステムエンジニアになるだろうなという生徒がいたり、運動部でバリバリと結果を出す生徒がいたり、いろいろな才能と個性をもつ生徒がいる「多様性」のある場所でもあります。少規模でありながら一人ひとりの個性のあり方がバランスよく成り立っている学校だと思います。こうした土壌があるからこそ、「FLYERS」の活動も進化できたように感じます。
――来年度から日出学園の制服がリニューアルするそうですね。このプロジェクトには原田さんも大きく関わっているとうかがいました。
原田
卒業後にアパレルを学んだので、その知識や経験を母校に還元できることをとてもうれしく、誇らしく思います。これまで学校に何度も足を運び、「FLYERS」のメンバーや卒業生とも意見を交わしながらどのようなリニューアルを行うのか、そして新デザインを考え、試行錯誤しています。日出学園の在学当時からアパレルに興味があって、生徒会でも制服についてアイデアを出していました。ずっと温めてきたアイデアが実現することになり、時代が変わる瞬間に立ち会えることを光栄に思います。こんな風に、自分が学んできたことを還元して貢献できる環境があり、それを応援してくださる先生方がたくさんいらっしゃることも日出学園の良さですね。
――「FLYERS」では、東京、埼玉、神奈川、茨城や関西の学校など、他校とコラボして行う活動もスタートしています。こうした活動が実現できたのも、みなさんのような先輩たちが諦めずにアクションを続けた結果です。今後もぜひ関わり続けてください。
1学年差の原田さんと成田さん。卒業にあたり成田さんから原田さんへ記念の花束が贈られました。
学園祭を楽しむ播本さん。写真は高校2年生の文化祭。コロナ禍で制限がある中、クラス一丸となり展示準備をしています。3人が語る「FLYERS」の魅力と思い出の数々。続きはこちらの動画をご確認ください!
https://www.schoolnetwork.jp/jhs/school/info.php?schid=227
日出学園中学校
〒272-0824 千葉県市川市菅野3-23-1
TEL:047-324-0071
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