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私立中高進学通信

2022年特別号

注目!News and Topics

サレジオ学院中学校

縦割りで団結して戦う体育祭
応援合戦の練習に打ち込む

熱のこもった練習に励む応援団の生徒たち。試行錯誤しながら、より良いパフォーマンスを目指します。

熱のこもった練習に励む応援団の生徒たち。試行錯誤しながら、より良いパフォーマンスを目指します。

4チームに分かれて
優勝を競う体育祭

 キレのある踊りに威勢のよい掛け声。体育祭を間近に控えた学内で、応援団のメンバーがパフォーマンスの練習にいそしんでいます。チームごとに一丸となって戦い、生徒同士の絆を深める体育祭。生徒の熱気が満ちあふれ、学校中を包み込んでいます。

 2009年度に第1回が開催されたときから、同校の体育祭は中高合同で行われてきました。中高6学年の生徒全員が、赤団、青団、黄団、緑団の4つの縦割りチームに分かれて競技に挑むのですが、所属するチームは原則6年間変わることがありません。つまり同校に在籍する間は、同じ団になった先輩・同輩・後輩とは、離れることはありません。

 このような方法で行われる行事は、同校では体育祭だけ。やはり同じ団のメンバー間の絆は深まっていきます。

 2020年度以降は、新型コロナウイルス感染症の影響で、体育祭は中高別々での開催を余儀なくされ、時期をずらしたりしての開催となってきました。それでも2022年度の体育祭はおよそ例年通りの6月16日に開催されることなりました。

 体育祭のさまざまな競技の中でも、特に重要な意味を持っているのが応援合戦です。自チームの競技者を鼓舞し、チーム内の士気を高めるために行われるわけですが、応援合戦の体育祭に占める位置づけにはほかの面もあります。応援合戦そのものが競技のひとつであり、しかもその得点のウエイトが他の競技に比べて重いのです。そのため、各チームとも、志願した応援団員が団長の指揮のもと、より良いパフォーマンスを披露すべく、連日たゆまない練習を続けているのです。

 
熱のこもった
応援合戦の練習
応援団員の並び順や振り付けなどを黒板に表示して練習しています。応援団員の並び順や振り付けなどを黒板に表示して練習しています。

 2021年度の体育祭は10月に実施されましたが、その直後から2022年度の体育祭に向けての準備が始まりました。まず各団の次の団長が決まります。伝統的に前団長が1学年下の後輩の中から次の団長を指名する方式をとっています。団長のお話では「声が出る人」で、リーダーシップがあり、責任感のある生徒に白羽の矢が立つのです。応援団長を務めるのは高2生です。応援団員は各学年からの希望者によって構成されますが、2022年度は中高別々の開催になったため、高校の体育祭の応援団は高2生と高1の2学年です。どのチームも約3分の1の生徒が名乗りを上げ、35名前後の団員が集まります。

 体育祭当日のパフォーマンスに充てられる時間は各5分。その間に、2つの演舞と1つのダンスを演じるのが基本的なパターンです。演舞は各団に代々伝わるものが受け継がれています。ダンスは、毎年動画などを参考にしてアレンジを加え、その年のオリジナルのものが完成します。応援団長は、団員に伝えるために自ら覚えるとともに、体育祭当日に向けた練習計画を立てます。

 5月中旬に中間試験が終わると、学内は体育祭ムードに。応援合戦の練習は放課後の午後4時ごろから始まり、午後7時ごろまで続きます。その間も部活動はあるので、部活動が終わってから参加する生徒もいて、練習計画を立てるのもひと苦労のようです。

 初めはぎこちない動きだったり、ふぞろいだったりしますが、日を追うごとに完成度が高まり、体育祭当日には各団とも見事なパフォーマンスを見せてくれます。

4チームの応援合戦の練習風景。晴れの日は校庭で行いますが、この日は雨のため、屋内で行いました。

応援団長と実行委員長に聞きました!

 2022年度の応援団長と体育祭実行委員長の生徒たちにお話をうかがいました。

後列左から、I・Nさん(青団長)、H・Kさん(黄団長)前列左から、M・Sさん(緑団長)、N・Yさん(体育祭実行委員長)、M・Sさん(赤団長)

後列左から、I・Nさん(青団長)、H・Kさん(黄団長)
前列左から、M・Sさん(緑団長)、N・Yさん(体育祭実行委員長)、M・Sさん(赤団長)

――応援団長にはどんな役割がありますか。

「いちばんの役割は応援団員をまとめることです。また、演舞やダンスのふりを覚えてみんなに伝えることもします」(M・Sさん)

「練習計画を立てます。計画通りに進まないときもありますが、その都度計画を見直しつつ進めます」(I・Nさん)

「どういう振り付けがよいかを検討し、決定していくので、そうしたセンスも必要です。いろんなことをするので大変なこともありますが、やりがいがあります!」(H・Kさん)

――どんなところが大変ですか。

「みんなをまとめていくことです。後輩は指示に従ってくれますが、同じ学年だと言うことを聞いてくれないこともあって苦労します(苦笑)。いろいろな意見が出ながら、最後はよい形になるんだと思っています」(M・Sさん)

「応援団の練習にはできるだけ参加することと決まっているんですが、サボろうとする人もいるので、ねばり強く説得します(苦笑)。本番に向けてみんなの気持ちを高めていくのは、僕らの大切な役割だと思います」(H・Kさん)

「上手くいかないときはストレスを感じることもありますが、苦労を分かってくれるメンバーは沢山いますし、実行委員や応援団長以外のメンバーもサポートしてくれます。みんなで創り上げていくのが楽しいですね」(I・Nさん)

――体育祭実行委員長には、どのような役割がありますか。

「副委員長や委員の人と協力して、体育祭の準備を進めます。雑用も多いですが(笑)。競技の種目や点数の決定や先生方に審判をお願いする競技について、注意点を伝えておくことなどがあります」(N・Yさん)

――学校行事の中で体育祭はどのような位置づけなのでしょうか。

「縦割りで結束する行事は体育祭だけなので、やはり特別なイベントです。先輩後輩の関係も深まります」(M・Sさん)

「男子校ならではの熱い戦いの場です。人目を気にせず本気で臨みます」(N・Yさん)

体育祭が近づくと、校舎内に各団のシンボルとなる旗が掲示されます。

担当の先生から
体育祭実行委員長 園田直之先生体育祭実行委員長
園田直之先生

 応援合戦は、体育祭の競技の中でも得点が高く、各団とも力を入れて練習します。制限時間いっぱいを使ってできたか、全員がそろっているか、完成度が高いかなどを教員が評価します。青団は必ず衣装替えが入る、赤団は洋楽が入る、黄団は演舞がきちんとしている、緑団はオリジナルが多いと、それぞれ伝統的に特徴が決まっているのもおもしろい点です。これも6年間固定の縦割りチームならではのことでしょう。

 体育祭の準備については、教員は基本的に口を出さず、生徒の自主性に任せています。練習の時間調整や、サボる生徒を注意することなども含め、全部生徒自身がやらないといけません。ひとつのことをみんなで一生懸命やるという経験を経て、生徒同士の団結力ができ、協力することの大切さを知ります。ふだんあまり交流のない生徒間でも同じ時間、気持ちを共有するようになり、成長していきます。

 体育祭や文化祭で発揮した熱量は、やがて迎える大学受験にもつながっていくように思います。

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