Oops! It appears that you have disabled your Javascript. In order for you to see this page as it is meant to appear, we ask that you please re-enable your Javascript!

スクールポット中学受験版 - 首都圏版学校情報検索サイト スクールポット中学受験版 - 首都圏版学校情報検索サイト

X フェイスブック

2025年9月号

中学受験特集

チャンスを活かせ!併願大作戦2026

「中学受験熱の高まり」が注目されている昨今ですが、この状況は2026年も続くことが予想されます。
受験生の保護者は、学校選びで何を大切にして、どんな併願作戦を立てれば、受験を成功させることができるのでしょうか。
最新の受験動向と学校選びについて、首都圏模試センター・教育研究所長の北一成氏に伺いながら、
2026年入試の併願作戦を考えていきましょう。

“中学受験ブーム”は
今後も続く傾向に

 ここ数年、中学受験熱は高まりを見せています。2023年入試をピークに実受験生数は微減していくと見ていましたが、今年度の合同相談会の参加者や公開テストの受験者が予想以上に多く、2026年入試は実受験生数が増加する可能性もないとは言い切れません。

 この“中学受験ブーム”の背景には、日本の教育と入試の在り方が変わろうとしていることがあるのでしょう。今の小6生が大学受験をするのは2032年。その時の大学入試は、大きく様変わりしているはずです。英語の力が重視されることはもちろん、CBTテスト(コンピュータを利用して受ける試験)やAI採点なども取り入れられているかもしれません。思考力・表現力・判断力だけではなく、創造性・芸術性・独創性などを試す記述問題が出題される可能性もあります。

 大学入試の方向性を考えると、中学・高校でどんな教育が必要になるかが見えてきます。例えば、現在でも英語4技能の力を育てることについて、小学生の保護者は私立中高一貫校の教育力に期待しているのではないでしょうか。また、今注目されているグローバル教育、STEAM教育、探究学習、AIを使った学習などの取り組みについても、今のところ私学が一歩進んでいるといえるでしょう。

グラフ 過去40年間の首都圏私立・国立中学受験 実受験生数 推移(数字は全て推定)
  • 実受験生数とは、小6生のうち中学受験に挑んだ生徒の人数。各校の各入試の出願者数・受験者数とは異なります。
    中学受験率(小6生数全体に占める中学実受験生数の割合)=小学6年生数÷実受験生数×100

「サンデーショック」の
影響はどうなる!?

 2月1日が日曜日にあたる年は、例年とは異なる入試日程に変更する学校があり、それが「サンデーショック」と呼ばれます。これは、礼拝や安息日など宗教上の理由により、一部のキリスト教系の学校で日曜日に入試を行わない慣例があったことから発生するものです。

 2026年の2月1日は日曜日にあたるため、これまで入試日を変更していた学校から情報が発信されています。以前のサンデーショックの年とは違う動きを見せる学校もあるため、情報をしっかりとキャッチすることが必要です。

 例えばフェリス女学院は、2026年入試で2月1日の入試日を変えないと発表しました。これまで不可能だった「2月1日フェリス女学院、2月2日女子学院」という併願が可能になるのは大きなトピックです。

 ただ、多くの学校で複数回入試が主流となっている現在、サンデーショックの影響は限定的かもしれません。特にミッションスクールが多い神奈川では、以前は大きな影響がありましたが、2026年入試への影響は軽微だと思われます。

 秋以降の公開テストの結果から、入試日が動いた学校や、その影響を受ける学校の状況が見えてくるはずです。ぜひ注目してみてください。

新しい教育を取り入れた
学校に人気が集まる

 2025年入試の結果を見ると、新しい教育、つまりグローバル教育やSTEAM教育、探究教育などに積極的な学校は、人気が高くなっています。

 最難関とされる学校の志願者数が減ったり横ばいになったりしているなかで、こうした教育に力を入れている準難関校から中堅校までの人気が上がっており、その傾向は今後も続くと見られています。ただ、それは最難関校が新しい教育を行っていないということではなく、自校の教育内容を外に向けてあまりアピールしてこなかったことが理由だと考えられます。発信力のある学校が人気を集めるのは自然な流れかもしれません。

 コロナ禍をきっかけに、多くの私学が積極的に情報を発信するようになりました。それをきちんと受け止める保護者が増えたのは喜ばしいことです。ただ、広報の得意・不得意が学校の人気を左右する面は否めません。伝統校ほど情報発信に消極的な面がありますから、そのような学校について知りたい場合は、学校へ直接足を運び、実際の教育内容を見るようにしましょう。

男子校・女子校・共学校の
教育内容の特色にも注目

 男子校、女子校、共学校に分けて特色を見てみましょう。

 男子校はもともと大学進学に焦点をあてて、トラディショナルなスタイルで教育活動をしてきた学校が多いのですが、将来を見据えて教育内容を進化させている学校もあります。例えば、グローバル教育にシフトし、その成果を上げつつある学校として、海城や巣鴨、佼成学園、成城などが挙げられます。

 一方女子校は、もともと英語教育に力を入れていた学校が多く、グローバル教育を実施しやすい土壌があります。そこにプラスしてSTEAM教育、理系教育に力を入れる学校の人気が高まっています。理系コースや、理系教育に特化した施設などを新設した、昭和女子大学附属昭和、山脇学園などがそれにあたります。

 共学校には比較的新しい学校が多く、新しい教育を標榜する学校も少なくありません。広尾学園、三田国際科学学園、サレジアン国際学園、ドルトン東京学園などが人気を集めています。また、共学校では大学付属校の人気も根強く、法政大学第二、日本大学、東海大学付属相模、関東学院、神奈川大学附属などの人気が上昇。受験生家庭の選択が多様化していることがわかります。

 今後も、新設校、男子校・女子校の共学化、校名変更などの動きがあるので、アンテナを張って情報を集めましょう。

2026年入試最新情報!

① 浦和学院(仮称)、羽田国際、明星Institutionの3校が新規開校!

② 明治大学付属世田谷(現・日本学園)
英明フロンティア(2025年に東京女子学院から校名変更。2026年に共学化)
鎌倉国際文理(現・鎌倉女子大学)の3校が共学化!

③ ますます増加! 英語資格入試!

④ 新設の得意科目入試! 算数・理科入試が増加傾向!

⑤ 通例とは異なる動きを見せるサンデーショック

「高大連携」「DD」など
学校選びの新しい視点

 新しい教育のほかにも、学校を見る視点が増えています。その一つが「高大連携」。「高大連携」と一口に言っても、その内容は学校によってさまざまです。

 出張授業や大学見学を「高大連携」と呼ぶ学校もありますが、その先に共同研究などを行うケースもあります。湘南白百合学園などは、大学と教育連携を結ぶたびに、具体的な内容を公表しています。三輪田学園が法政大学と連携しているように、大学への推薦枠を増やす例もあります。

 順天は、2026年に北里大学と法人合併をして、附属校化する運びに。これまでグローバル教育に力を入れ、多様な大学合格実績を出してきた学校ですが、医学部への推薦入学という新たな魅力が加わりそうです。

 もう一つの視点が、「ダブルディプロマ(DD)」などの制度です。ダブルディプロマとは、日本の高校に通いながら、卒業時には日本の高校卒業資格と、提携している海外の高校卒業資格を同時に取得できる制度です。文化学園大学杉並のDDコースは非常に人気が高いですし、麴町学園女子、国本女子、神田女学園など、DDプログラムのある学校は注目されています。

面倒見の良さよりも
生徒の主体性を重視

 SNSやWEB、口コミで人気が広がっている学校もあります。例えば、成立学園は最先端の教育を掲げていますし、サレジアン国際学園は21世紀型教育を打ち出しています。東京成徳大学、国士舘、桜丘なども、それぞれ特色ある教育プログラムをもち、人気が上がっています。情報を得た受験生家庭が「ウチの子に合っているのでは」と気づき、受験校に選んでいるのでしょう。

 教育に大きな変化があるなかで、“生徒が主役”であり、“学習者中心”という考え方をきちんと言語化し、可視化している学校が増えています。以前は“面倒見の良さ”を私学のメリットと捉える風潮がありましたが、それは先生から見た“いい子”を育てることにつながりやすく、物足りなさを感じる人が増えたのではないでしょうか。変化する世の中においては、“先生にとってのいい子”ではなく、“大人たちを超えていく力をもった未来の市民”を育てることが求められます。

 誰もが予測困難な未知の社会を生きていく子どもたちは、いずれ正解がない課題に直面することでしょう。その時に、どうしたら世の中を良くしていけるのかを、外国の人たちを含めて話し合い、協働して最適解を導き出す力が必要になるはずです。

 そんな時代に活躍する人材を育てるには、面倒見の良さ以上に生徒のモチベーションが高まる仕組み、仕掛けを作り、自主的に目標をもって学習に取り組む生徒を育てることが大切です。すでに生徒が主体的にチャレンジできる機会を作っている学校では志願者数が伸びており、人気も上がっています。

 大学進学実績も気になるところです。大学入試が変わる節目にある今、現時点での大学進学実績だけを見るのではなく、数年後の期待値までしっかり捉えるようにしましょう。

入試形態が多様化
広がる新タイプ入試

 入試の後半日程を中心に、適性検査型入試や自己アピール入試など、新タイプ入試を実施する学校もあります。英語入試は実施校はやや減ったものの、2025年の受験者数は、前年よりも400人ほど増加しています。英検取得など英語にアドバンテージをもっている受験生は、こうした入試で活かしてみるのもいいでしょう。

 ほかにも、入試にプレゼンテーションを取り入れている学校もありますし、習い事を活かせる入試などもあります。このような入試を行う学校は、体験会や説明会を開催することが多いので、興味があれば参加してみましょう。必要に応じて、そこで得た情報を塾の先生と共有し、アドバイスを求めるといいでしょう。

選択肢が増えている今
わが子に合った学校選びを

 2025年入試では、中学の募集定員を増やした学校もたくさんありました。安田学園、明治大学付属中野、日本工業大学駒場、開智所沢などの人気校が募集定員を増やし、それらの学校の多くで志願者が増えています。ほかに、玉川聖学院、日本女子大学附属、淑徳巣鴨、北里大学附属順天、成立学園、東京農業大学第一、日本大学藤沢、横浜創英、昭和学院、西武学園文理なども募集定員を増やしています。

 私立の中高一貫校が増え、募集定員を増やす学校もあり、入試も多様化している今、受験生側から見ると学校の選択肢は格段に広がっていると言っていいでしょう。

 このような状況でわが子に合った学校や入試形態を上手に選ぶと、いい結果に結びつきやすく、満足できる中学受験になる可能性が高いのです。逆に「あの学校は人気が出そうだ」などの情報に惑わされて安易に学校を選ぶと、受験者が集中し倍率が高くなって痛い目に合う恐れもあります。

 大切なのは保護者の“選択の目”です。世間の人気や評判も情報の一つではありますが、やはりわが子を中心に選ぶことを第一に考えましょう。そして、受験校を決める際には、実際に学校へ行って雰囲気がわが子にフィットしているかどうかを確かめてください。在校生や先生の表情など、直接肌で感じる学校の雰囲気はとても大切です。

 迷う場合は塾の先生とも相談しながら、「わが子に合う学校」を見つけ、悔いのない受験をしましょう。

こんなことにも注意しよう!

「応募倍率」と「実質倍率」

「応募倍率」とは「応募者(出願者)数÷募集定員」のことで、「実質倍率」とは「実際に受験した受験者数÷合格者数」のこと。両者は異なる数字になります。つまり「応募倍率」とは見かけの倍率であり、合格者数を定員より多めに発表する場合や、特に入試後半戦で出願はしたものの実際には受験しなかった人数なども含まれます。実際の倍率に注目したい時は、「実質倍率」を見るようにしましょう。

「配点比率」

 4科入試の場合、算数・国語・理科・社会科の4科均等配点の学校もありますが、算数・国語よりも、理科・社会科の配点を低くしている学校が多いようです。配点比率は、得意科目は高く、苦手科目は低いほうが当然有利になります。配点比率を併願校選びの参考にしてください。

最新記事

大学や社会が身近になる!~高大連携・キャリア教育~

栄光学園 倫理

栄光学園

チャンスを活かせ! 併願大作戦2026

先輩ママに聞く私学を選んで良かったと思うこと

生徒広報が輝く私学


ページトップ