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2025年12月号

気になる難関校を徹底取材
憧れ校のこだわり教育

成蹊

東京都武蔵野市・共学校

理科

専用実験室を備えた「理科館」での本格的な実験・観察や、中学から4分野に分かれた専門的なカリキュラムを特色とする成蹊の理科。今回は中2化学の授業を取材。併せて各分野の先生方に指導方針を伺いました。

中2化学の実験授業。4人ほどのグループで協力しながら、手際よく実験を進めていきます。

成蹊が大切にする
「人を創る教育」

 1912(明治45)年の創立以来、同校は建学の精神「個性の尊重」「品性の陶冶」「勤労の実践」を教育の柱に据え、100年以上にわたり独自の教育を展開してきました。人格を育む教育を重視し、そのモットーは「成蹊は人を創る」。特に中学・高校の6年間を重要な人格形成期と位置づけ、幅広い教養と多角的視点の養成を目標にしています。

実験・観察から始まる学び
独自教材と自由教育の伝統

 知的好奇心と探究心を育む理科教育の核となるのが、“本物に触れる体験”です。校内の植物観察をはじめ、理科館における本格的な実験、さらに校外での観察・調査など、実際に手で触れ、目で確かめる学びを重視しています。理科主任の田中博春先生(地学科)は、理科教育の特色と指導方針について語ります。

「成蹊の理科教育は、実験・観察や校外学習を通じて“本物に触れる”ことが特徴です。貴重なトキの剥製や、1926年以降約100年にわたり継続してきた気象観測データなど、ほかでは見ることができない貴重な資料を保有しており、そうした“本物に触れる体験”を通して“考える力”を鍛えていきます」

 同校では中学段階から理科が物理・化学・生物・地学の4分野に分かれており、各分野を専任教員が担当。実験・実習を多く取り入れた内容の濃い授業を行っています。特筆すべきは、一般的な検定教科書を使わず、教員が作成した教材で授業を展開している点です。田中先生は就任して初めて成蹊の授業に触れた際、大学の講義に近いスタイルで、体系的かつ実生活に結びつけながら学べる内容と、独自の教授法に驚いたそうです。

「成蹊では『理科』を『理化』と表記していました。知識の詰め込みではない、本物のサイエンスを志すという意図が込められています。1920年代に大正自由教育運動が起こり、理科教育を自然現象への興味・関心に基づいた探究的な学びに転換させました。これは今までの画一的教育スタイルからの脱却をめざした姿勢の表れなのです。その精神は今も受け継がれ、大学受験のためだけではない教育につながっています」

 こうした理念を具現化するのが、高い専門性を有した教員による指導や独自教材の導入です。その学びは生き方や将来の選択に大きな影響を与えており、「ほかではやっていないことを当たり前のようにしていたことに気づいた」と語る卒業生も多くいるといいます。

授業Report
中2 化学

この日は大理石を使って二酸化炭素を発生させて集める実験と、リトマス液からその性質を学ぶ実験に取り組みました。

まず、先生が実験を披露し、これまでに学んだ知識を織り交ぜてわかりやすく解説します。

実験助手のアドバイスも受けつつ、班員同士コミュニケーションを図りながら取り組みます。

最後は振り返りを行い、気づきや結果をノートにていねいにまとめます。

昭和時代から受け継がれてきた教科書は、教員自身の手で編纂されてきました。時代に合わせて改訂を重ねつつ、あえて昔ながらの書式や表現を残すのは、大学で専門的な文章に抵抗なく触れられるようにするための配慮からです。

化学の“言葉”で説明できるように

化学科教諭・鴨下潮音先生

「化学」は目に見えない世界を扱うため、生徒にとって理解しにくい分野です。そのため、最初に実験を通して感覚的に理解してもらうことを大切にしています。中高では手順を覚えるだけでなく、自分の手を使いながら理解が深まる実験を中心に行い、「なぜそうなるのか」を自分の言葉で言語化する力の養成を目標にしています。授業では実験結果を説明したり、班員同士で教え合ったりするなかで理解を深めていきます。

多くの実験を行うため、さまざまな薬品や貴重な器具が整備されています。

専門性を活かした
リベラルアーツ教育

 理科に限らず、同校では幅広い分野において専門性を重視しています。例えば芸術分野では、書道を独立した科目として、専任教員が指導にあたります。社会科も地理・歴史・公民をそれぞれ専任教員が担当します。

「中高時代に幅広い知識に触れることは、進路選択や将来への学びに大きな影響を与えます」と話す田中先生は、ご自身の経験を振り返りながら、中等教育期における学びの意義について次のように語ります。

「中学段階では自分に何が向いているのか必ずしも明確ではないので、この時期は“きっかけをつかむ”ことが大事だと考えています。多くの分野に触れることで、ここよりこちらのほうが良いというように、自分にとっての“琴線”が明確になっていくのです。それは多くの経験を重ねてきたからこそです。成蹊にはそのきっかけに出会う授業や企画がたくさんあります。本校で学ぶ生徒たちには、ここで過ごす豊かな6年間のなかで多様な出会いを経験し、自分の興味・関心を探してほしいと思っています」

 中高時代の幅広い学びを通じて、自らの進む道を見つけていく。成蹊の教育はそのための土壌となっているのです。

こだわりポイント 地学
地学教育と防災への視点

地学科教諭・田中博春先生

「地学」の授業では、防災教育も志しています。災害時における一瞬の判断が命を左右することもあるからです。災害の仕組みを理解していれば、状況に応じて適切な判断ができますし、自分だけでなく周囲を誘導できる存在にもなれます。そのためには根拠のある説明、つまり説得力のある伝え方を学ぶことも大切です。科学的根拠に基づく判断力と、それを他者に伝える力は、単なる防災教育にとどまらない、「成蹊が人を創る」教育の一環でもあります。

成蹊学園における気象観測の歴史は古く、1925年の旧制成蹊高等学校の設立に合わせて試験的に始まりました。以来、約100年間にわたり一日も欠かすことなく観測を続けています。国内で最も長く継続している民間観測所の一つとされており、理科館の気象観測室ではその貴重な記録や機材に触れることができます。

こだわりポイント 物理
「好き」という気持ちを大切に

物理科教諭・小池憲一郎先生

 小学校では「振り子」や「ばね」のような身近な題材を扱い、中学校ではそれを「具体化と抽象化の橋渡し」として学び、高校で体系的に法則を理解していきます。「物理」の授業ではそうした流れを意識し、実験やグループワークを取り入れながら、生徒自身の手で「決まり」や「法則」を体感し、さらに驚きや感動を得られる工夫をしています。
「物理」の学びは他分野(生物・地学・化学)だけでなく、さまざまな学びにも関わってきます。将来物理の道に進まなくても、課題を見つけて解決していくプロセスや仲間と協働しながら学ぶ姿勢は、どの分野にも求められるスキルです。
 難解な印象をもたれがちな「物理」ですが、本来は子どもたちが「なぜ?」「どうして?」と問いかけるところから始まる楽しい学びです。教員自身も実験準備や研究の過程で「うまくいったらうれしい」という経験を大切にしてきました。
 成績や受験は無視できないのが現実ですが、「好きだから続けられる」という気持ちは、研究や仕事においても大きな原動力となります。そのため授業では理系への進学をめざす生徒に限らず、誰もが「物理って面白い」と感じられる体験を意識的に組み込んでいます。

蹊祭(文化祭)で実験を披露する有志の生徒たち。同校に物理部はありませんが、「実験が好き」という生徒たちが集まり、自由に活動しています。形式よりも「楽しむ心」を大切にしているところにも、成蹊らしさが表れています。

こだわりポイント 生物
多様な生物世界の本物に触れる学び

生物科教諭・佐藤尚衛先生

 フェイクや擬似体験が増えつつあるなか、実際の生きものに向き合うことが「人間も生きものである」という理解につながり、生き方のベースを築くと考えています。観察やスケッチ、発言を通して直感的に感じ取ることを重視し、中1ではほぼ毎回、生徒に実習や観察を経験させています。
 生きものに対して真摯に向き合う姿勢を大事にし、なるべく幅を狭めずに多様性を受け入れる姿勢を育てたいと考えています。
 例えば、ミミズやムカデを怖がらずに観察できるかどうかも、生きものを見る視点の一つ。多様な生物世界を理解することは、人間社会での寛容さにもつながるからです。
 授業ではスケッチを重視しています。本物を解剖、観察し、自分の手で詳細に描くことで生きものの特徴を理解し、名称と実際の形を結びつける力が育ちます。結果や考察をレポートにまとめる習慣も徹底し、中学の解剖実習は、中1のハマグリから始まり中3でサメの解剖を行います。
 また、高2ではショウジョウバエの遺伝交配実験を、必修として80年以上続けています。教育課程に必ずしも含まれない題材ですが、生物学上の重要性を踏まえ、独自に継承してきた伝統です。また、オリジナル教科書を使い、必要と感じる内容は積極的に取り入れています。「時代に流されず、良いものは残していく」という信念のもと、生物という教科を生物学という学問として捉える教育を実践しています。

完成したスケッチは教室に飾られ、卒業生が訪れた際に当時の思い出として語り合う場面も見られるそうです。

コールダック(マガモの品種改良により生まれたアヒル)の“おもちちゃん”と校内を散歩する生徒。

生物室には100種類以上の生きものが飼育されており、その世話は生物部(高校)の部員が担っています。

成蹊中学校  

〒180-8633 武蔵野市吉祥寺北町3-10-13
TEL:0422-37-3818

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