

「本校の生徒が選ぶのは、後悔しない高校、将来につながる高校。通信制への進学ひとつとっても多種多様で、料理を学べる学校、プログラミングを学べる学校など、個々の興味に沿って進学先を選んでいます」

「順調に成績が伸び、志望校が見つかるとは限りません。ただ教員は、思うようにいかなくても、最後には自分で決断する生徒たちを見てきました。その経験が、本校ならではの進路指導を貫く支えとなっています」
「人をつくる」という教育理念のもと、自ら道を見つけ、選び、進む力を育む3年間教育を実践する四條畷学園中学校。難関国公立高校への高い進学実績で知られますが、もう一つの大きな特徴として、受験校・進学先の幅広さが挙げられます。その理由は、生徒の希望を最優先しているから。直近では北海道や高知県、福岡県の学校を選び、進学した生徒もいます。

●日直面談●
同校が目指すのは、本人の個性とニーズにマッチした真に生き生きと輝ける高校を、自ら納得して選択できるように導く進路指導。その基盤となるのが、月に1~2回、担任と生徒が1対1で話す『日直面談』です。
『日直面談』は3年間継続して実施。1年と2年は学校生活に関する話題が中心となるが、3年になると進路関連の話題の比重が高くなります。
「相談内容によっては担任だけではなく、進路指導部と共有・連携しながら対応します。また、出願先を最終決定する個人懇談の前には、3年の教員と管理職などで構成された進路対策委員会にて、一人ひとりの志望校がベストの選択か否かを確認。個人懇談終了後には私からも再度、本人に最終確認を行います。並行して、生徒・保護者を対象とした年2回の進路説明会、3年生には3回の進路希望調査を実施。一人ひとりの思いや状況を把握したうえで、必要に応じて、広い視野で考えるための助言・サポートを行います」(進路指導部長・新道幸二先生)
こうした進路指導の実践に不可欠ともいえるのが、探究学習や国際理解教育をはじめとする“体験”の場。自分らしさを見つけ、視野や可能性を広げるための“種”として、体験学習を軸にした多彩な取り組みを展開しています。結果として、『職業体験』をきっかけに本校からの受験実績がない遠方の高専を選んだケースや、『ニュージーランド海外研修』を経て多くの帰国生徒が通うグローバルな高校に進んだケースも。
「『発展文理クラス』の3年生が1月、一番やりたいことができるという地方の高専を見つけ、こちらが慌てて受験対策を行ったこともありました。難関高校を目指すクラスですが、周囲に流されず、『ここに進学したい!』と思える学校を見つけられて本当によかったです」(新道先生)
この言葉に、同校の進路指導の真髄を感じます。さらに校長代理・広報部長の中司延亮先生は、こう語ります。
「現状の成績では手が届かない学校でも本気で頑張りたいという生徒のために、万全のサポート体制を整えています。志望校がなかなか決まらない場合はハラハラしますが、急かさず、生徒を信じて最後までしっかり待ちます。それが本校の進路指導です」
生徒の力を信じる教員の存在が、進路実現の原動力となっているのです。
●ニュージーランド海外研修●
30年近く継続している希望者対象の『ニュージーランド海外研修』。現地のスタッフと共に、研修中のスマートフォンの扱いをはじめ、細部に至るまで話し合って作り上げたプログラム。ホストファミリーとも連携して生徒のようすを共有できる体制を整えている。普段の英語の授業で身につけた英語力を試す場であると同時に、高校選びにつながる貴重な経験の場ともなっている。

●探究学習●
主体性や自ら課題を見つけ、探究する力を育む場として、3年間を通じて探究学習を展開。探究学習を通して得た達成感や自信が、勉強に対するモチベーションにつながっていく。2024年度の2年の探究学習では、興味を持った高校を自由に選んで調べ、各自の視点でその学校の特徴や魅力などをポスターにまとめた。ポスターは、誰もが目にできるように廊下に掲示されている。

●修学旅行●
『修学旅行』は、単なる観光ではなく、現地で企業の人とともに課題解決を行うなど、中学3年間の探究活動の集大成と位置付けられている。旅行先で感じたことや経験が、進路選択につながることも多い。
●職業体験●
探究学習の一環として2023年度にスタートした2年の『職業体験』。スーパーや書店、町工場など地域の約70社の協力を得て、さまざまな職種を体験する。進路選択につながる出会いも少なくない。
「『職業体験』での工場見学をきっかけに高専に進学したいと言った女子生徒がいました。地域を限定することなく、主体的に幅広く学校を調べ、自分が学びたいコースがある学校を絞り込み、この春進学しました。探究活動でさまざまな体験をしたからこそ選択した進路だと思います」(新道先生)