2023年度より神戸龍谷中学校では、新たなコース制を導入します。大学入試「一般選抜」で、最難関・難関国公立大学進学を目標とする『エキスパートコース』(1クラス)。そして学力だけではなく人物や実績も評価の対象となる「総合型選抜・学校推薦型選抜」も視野に入れ、国公立大学・難関私立大学・海外大学など自分らしい進路実現へと向かう『アドバンスコース』(2クラス)です。1学年80名の担任団を4名から6名へと増やし、今まで以上に手厚い指導を展開するとともに、中2から高2まで転コースを可能としているところが大きな特徴。生徒一人ひとりの成長・変化に対応しながら、真に希望する進路の実現を目指します。
「現在、コースの目的に応じて教科の具体的なカリキュラムを練っているところです。またコース改編に先駆けて2022年度より、従来から行ってきた模試に加えて、WEB学習システムの到達度テストを導入しました。個々の状況をより客観的に分析し、日々の授業やサポートに反映させています」(6年一貫チームプロジェクトリーダー・武内悠祐先生)
コース改編の根底にあるのは、従来から実践してきた“個を伸ばす教育”です。進学実績に多種多様な大学・学部が名を連ねていることが、まさにその証だといえるでしょう。進路指導においても“個を伸ばす”というスタンスが徹底されていることの表れです。そしてこれまで以上にきめ細かな対応が可能となる今回のコース改編で、その教育はさらなる進化を遂げます。
同校における“個を伸ばす教育”とは、単に好きなことや得意分野を磨くということではありません。好き・得意をより良い形で発揮し、成長や結果につなげるためには、ものごとを判断するための「確かな知識」、人の立場や広い視野に立って考える「豊かな心」、多様な人と協働しながら「主体的に行動する力」が不可欠。それらを兼ね備えた“自ら育つ生徒”になってほしいという思いから、【学力伸長】【自主自律】【体験学習】の三つを柱に教育活動を展開しています。
大学入試において「一般選抜」を突破することのできる“高い学力”、さらに「総合型選抜・学校推薦型選抜」に対応した“学力+α”を手厚い指導体制で養う2コース3クラス制。まさに進路実現と社会での活躍、両方の礎を着実に築く6年一貫の新体制で、一人ひとりが目指す未来へと導いていくのです。
【学力伸長】の土台となっているのは、「疑問点があれば、その都度解決する」という校内の雰囲気。休み時間など、積極的に先生に質問する光景は、もはや日常です。タブレット端末を活用した毎朝の小テストや宿題サポートのほか、自習室も完備。部活動を終えた後の利用が習慣となっている生徒もいるそうです。補習・勉強会は、テスト前後や検定前、長期休暇以外にも、要望に応じてフレキシブルに実施。夏休みの終わりには、異学年合同のグループ活動など、普段とは異なる授業を通して“学ぶ楽しさ”を体感できる特別講習を行っています。モチベーションを高めるための仕掛けと、存分に勉強に取り組める環境が整えられているのです。
【自主自律】の基盤は、宗教の授業や礼拝での講話など、仏教精神に基づく情操教育を通して育まれています。生徒一人ひとりが役割を担い創り上げていく『文化発表会』、学校行事の企画・運営に携わる『生徒会活動』など、主体的に取り組む機会を豊富に用意。その成果は、コロナ禍において発揮されたといいます。多くの行事が中止になった2020年、生徒会役員の発案で『わくわく!龍谷祭!』が実現しました。学年・クラス混合のグループ対抗で、感染症予防対策に配慮しながら、“密”にならないゲームなどを考えて実施。大いに盛り上がりを見せたそうです。
【体験学習】は、『校外学習』『百人一首大会』といった1DAYイベント、本物に触れる機会として6年間で4回行われる『研修旅行』など、多岐にわたります。また、ホームルームをはじめ学校生活のさまざまなシーンで、多様なバックグラウンドを持つネイティブ教員と気軽にコミュニケーションができる環境も、貴重な「体験学習」の一つ。何気ない会話を通して、自分とは異なる考え方・ものの見方・価値観を知ることで、自然と視野が広がり、グローバルな感性を身につけることができます。