2022年9月9日・10日、関西屈指の規模、華やかさで知られる学園祭『大谷祭』が開催されました。生徒会が中心となり、企画から運営まで、生徒の手で創り上げる『大谷祭』は、多くの卒業生が在校時代の一番の思い出として挙げる一大行事です。コロナ禍における2020年度は『前日(内部)祭』のみ実施。そして2021年度の中止を経て、今回は『前日祭』に続き、保護者や外部の来場者を迎えての『当日祭』を3年ぶりに開催。2020年に入学した高3生にとっては、最初で最後の学園祭『当日祭』となりました。当日のキャンパスは例年以上に、この日を迎えた喜びと、「待ちに待った今日を全力で楽しもう」という一体感に満ちていました。
大谷祭のテーマは「新風~澄み渡る大谷の風」。先の見通せない状況の中、一人ひとりが今できることに全力で取り組み、新しい風を迎え入れることによって学校の活気を取り戻し、澄み渡る大谷へ──という願いが込められています。
「新風とは、集い合って学び、生活し、活動する場であり続けたいと切望する私たち教職員、そして生徒たち一人ひとりにほかなりません。2021年度は生徒会発案で、中止となった体育大会と大谷祭の代替行事『大谷スポーツフェスティバル(OSF)』を実施しました。さらに2022年6月には新行事として、OSFに文化的要素を盛り込み進化させた、初の中高合同行事『O-CAST』が実現。コロナ禍におけるいわば“負の時間”を、生徒たち自身が“創造の時間”に変えてくれたことがうれしかったです。3年ぶりの『大谷祭』も、単なる復古ではなく、生徒自身が風となって、前進するものになると信じています」(飯山等校長)
『大谷祭』に強い思い入れを持つのは、生徒や教員だけにとどまりません。当初、大谷祭恒例の保護者会による模擬店は、生徒による模擬店と同様、中止の方向で話が進んでいたそうです。ところが多くの保護者から学校や保護者会へ、「何かできないか」という声が寄せられたことがきっかけとなり、“製パン会社の出張販売”という形でパンと飲料の提供を行うことになりました。
「高3の保護者に協力を呼びかけたところ、なんと約8割のご家庭が挙手してくださいました。皆で楽しもうという姿勢、それこそが大谷の魅力だと思います」(保護者会メンバー)
メインステージでは、パフォーマンスを終えた高3生たちが、次は盛り上げ役に徹します。そんな生徒たちの中に溶け込み、堂々と踊る先生方。最後の演目では、飯山校長もサプライズ登場し、軽快なステップを披露しました。
高1・高2のクラス企画で見られた手の込んだ大道具や衣装は、意気込みの証。
クラブによる展示やイベントでは、部員や顧問の先生がイキイキと活動する姿が見られました。
「一人ひとりが主役。一人ひとりが全力」
”新風”に込められた思いが強く感じられる一日となりました。
開放感あふれるニコマル広場に設置されたメインステージ。
生徒会長がデザイン原案を、副会長が文字を担当し、生徒会メンバー全員で描き上げたバックパネルが彩りを添える。
広場を取り囲むように展示された、クラスによる垂れ幕コンテストも実施。
パンフレットのQRコードを読み取り、来校者も投票に参加することができる。
生徒会長・Eくんにとって最も印象深かったのが、メインステージで繰り広げられた高3の発表。
「校長先生をはじめ、多くの先生方が生徒と一緒に踊っているのを見て、大谷の生徒と先生との距離の近さを、あらためて感じました」
『大谷祭』の2日間は、趣向を凝らした衣装が特徴的。
クラス企画のテーマに沿った仮装、可愛いセーラー服など、それぞれが生徒自身と来場者の気分を自然と盛り上げてくれる。
全校一丸となり「来場者に大谷の魅力を知ってもらいたい」という思いで準備に取り組んできた今回の『大谷祭』。
高1・高2を中心としたクラス企画では、子どもも大人も楽しめるゲームがそろい、親子で挑む姿も多数。
写真を撮るのが大好きな中高生ならではのアイデア『映えスポット』も登場。
クラブ企画も大盛況。模型部では個々の作品に加え、共同作業による渾身の宇宙戦艦を披露。
また歴史研究部では、レベルに応じて選べる歴史クイズを用意。
『O-CAST』で作成したクイズで満点者が出たことを受け、今回は難問バージョンもプラスしたそう。
メインステージのエンディングには吹奏楽部が登場。
「シン・オオタニブラスバンド~響け!大谷サウンド~」と銘打ち、生徒一人ひとりを称えるかのように、明るく心地よいサウンドを響かせた。
6月の『O-CAST』に引き続き、大きな行事のまとめ役を務めた生徒会長・Eくん。
『O-CAST』は私にとって、同級生はもちろん、先輩・後輩、先生方や外部の方まで、多くの人と関わり合う機会となりました。
学園祭の準備を円滑に進めることができたこと、そして成功させることができたのは、『O-CAST』で得た人とのつながりと、大きなイベントを創り上げた経験があったからこそだと感じています。
これらの経験を活かし、生徒会長に立候補するきっかけになった“憧れの先輩”に近づけるよう、今後も成長していきたいです。