

「初めての女子校勤務となる本校で、生徒たちが元気でいきいきと学校生活を送る姿に感動し、中等教育期における男女別学教育の価値や意義を強く実感するようになりました。生徒が持つ能力や素質に蓋をせず、そのまま伸ばしていける環境です」(世良田重人校長)
教育界で大きな話題となった「武庫川女子大学共学化」のニュース。2027年度から共学となり、大学名は「武庫川大学」に変更されます。これに伴い「附属中高も共学化?」という声も聞かれるようになりましたが、世良田重人校長は「中高は女子校を維持します」と述べます。
「男らしさ・女らしさという役割分担を押し付けられることなく、のびのびと自分らしさを発揮できるのが男女別学の良さです。特に中高6年間という、多感かつ人格形成において重要な時期に、その環境で学ぶことには特別な価値があるでしょう。いっぽう、大学が実社会への入口だと捉えると、多様性を重視した環境が必要になります。そうした体系的な学びの環境を学院全体でつくろうという発想が、大学共学化の根底にあるのです」
同校では、生徒の約8割が武庫川女子大学に進学します。女子校という環境でのびのびと学びながら自分の特性や興味・関心を見つけ、それを共学化した大学での学びによってさらに高め、多様な価値観や人に触れながら、社会へと歩み出していくのです。

①『伝統文化』の授業
①『伝統文化』の授業
総合学習の時間に『伝統文化』の授業を実施。中2で茶道・華道、中3で書道(SOAR探究コースのみ)が必修化されている。日本文化の基礎的な素養を身につけ、国際的な舞台で“日本人”としてのアイデンティティを発揮することがねらい。
②アメリカ研修
希望者が参加して実施する海外研修では、中学は分校の寮に寄宿するアメリカ研修(SOARグローバルサイエンスコース3年は全員参加)とタイ研修を隔年で行う。
③北欧研修
高校では、オーストラリアと北欧を隔年で訪れる海外研修を実施。特に北欧は教育先進国と呼ばれ、ウェルビーイングな生き方を追究する学びが注目されているが、中高の海外研修で取り入れている学校はめずらしい。文化や価値観の違いを体感して学び、視野を広げることが目的。

②アメリカ研修

③北欧研修

武庫川学院全体で共有する人材育成理念『MUKOGAWA COMPASS』は、多様性理解や協働力・論理性・創造性など、8つの項目で構成されている。これに基づく段階的な教育体制で、中高での学びを大学でさらに発展させる環境を目指す。
「女子校であることを維持しますが、これは、“女子だから”ということを意識した学びを行うのではなく、性差を気にせずのびのびと学べる環境を大事にするということです」と世良田校長。たとえば中学では茶道・華道が必修化されていますが、それは“女子のための教育”というよりは、グローバル化が進む社会の中で、日本の伝統文化を理解・体験するための教育なのです。
ほかにも、探究学習や大学との連携、理数教育への注力など、いずれも性差関係なく、将来社会で活躍するための学び。あくまで、生徒の興味・関心を喚起する学びとの出会いや、次代を担う社会人として必要なマインドを育むことが目的です。そのような自分らしさを発揮できる環境をつくりたいからこそ、女子校であることを継続するのです。
2024年に武庫川学院では、こうした包括的な教育方針をより明確にすべく、「自ら考え、動く」人物の育成を目標に『MUKOGAWA COMPASS』を人材育成理念に掲げました。この指針は、生徒が自分の人生を考え、歩んでいくための確かなよりどころとなっていくはずです。

④大学との連携(教育学部)
④大学との連携
武庫川女子大学のリソースを活用して専門的・学術的にも深い学びに踏み込めることが附属校の魅力。教育学部との連携では、地元の小学校の活性化や、幼稚園児の効果的なグループ遊びの手法研究などに挑戦している。(写真は異年齢交流会のようす)
⑤部活動
部活動は体育部が18、文化部が22の多彩なラインナップ。生徒の多くが武庫川女子大学に内部進学する特性を活かし、大学受験対策に時間を取られることなく、自分の好きなことに熱中する時間が多く取れることが魅力。バレエやスケートなど、校外での習い事に精を出す生徒も多い。
⑥理数教育
スーパーサイエンスハイスクール指定で培った理数教育を発展させ、全国の大学・研究施設との交流や、発表会への参加、最新の設備で高度な研究に取り組むなど、恵まれた環境のもと優れた理系人材の育成を目指す。
⑦探究発表会
中2~高3の希望者対象に設定された短期留学。2~3週間の滞在期間で、行き先はアイルランド・フィンランド・ニュージーランド・アメリカ・オーストラリア・タイから選択可能。
⑤部活動

⑥理数教育

⑦探究発表会