(前列左から)TCさん(中2)、KAさん(中2)、YEさん(中3)、TMさん(中3)
(後列左から)保健体育科/友繁翔一先生、社会科/城侑花里先生、国語科/横山勇正先生
生徒の当事者意識を促し、社会と自分とのつながりを育んでいくことが強みの京都橘の探究学習。
この学びを通して、生徒たちは何を感じ、どのような力を身につけているのでしょうか。
生徒のみなさんにお話をうかがいました。
●探究学習全般を通して、楽しかったことや印象に残ったことを教えてください。
TCさん
ラジオパーソナリティの方に「話す仕事」のコツを聞いたときのことです。僕はずっと「話す力」が大事と思っていたのですが、実は「聴く力」が大事だと教えていただき衝撃を受けました。そのとき学んだことは、さっそく『企業訪問』のヒアリングにも活かされました!
KAさん
先生が紹介してくださった、学外の起業家イベントに参加したことです。たくさんの中高生が集まって討論などをしたのですが、その中に「将来は起業したい」と言っている生徒がいて。それまで私は、そういうのはどこかの「すごい人」がやるものだと思っていましたが、その人はすごくフレンドリーで。起業することや起業家に対するハードルが下がり、身近に感じることができました!
YEさん
企業経営者の方の前でプレゼンテーションをしたとき、フィードバックと合わせて「人生で大切なこと」をたくさん教えていただきました。「君たちの若くて柔らかい頭を使えば何だってできるし、もっと色々チャレンジしてごらん」と。僕たちが提案する側だったのに、逆に僕たちのことを本気で考えてくれて、心から感激しました。
TMさん
『チェンジメーカープロジェクト』でのグループ活動で、問題解決策を議論したときのことが印象に残っています。自分の考えとメンバーの考えが重なり合って、一人では思いつけないようなアイデアへとブラッシュアップされていった経験がすごく新鮮でした。
●探究学習で大変だったことや、苦労したことはありますか?
TCさん
『企業訪問』で、ヒアリング中に質問がうまく出てこなくて、沈黙の時間ができてしまいがちだったことです。そのとき思い出したのが、ラジオパーソナリティの方に教えていただいた「バカになって何でも聞こう」という言葉でした。場を和ませる雑談も挟むようにして、なんとか会話を盛り上げることができたと思います。
KAさん
『ホンモノを探す』フィールドワークで、京都市内を散策したときのことです。気になったものの写真を撮影し、それが“ホンモノ”かどうか考えようというワークだったのですが、その中の一つに、それが何なのか正体がさっぱりわからない写真がありました。さんざん調べたのに、いまだに不明で(笑)。心残りではありますが、身近にそういうものがあふれていること自体が勉強になりました。
YEさん
『チェンジメーカープロジェクト』で、僕たちのグループは「今までにないようなユニークなアイデアを出すぞ!」と意気込んだものの、なかなか良い案が出ず…。「古材を使ったインテリア」というお題だったのですが、いろいろな家具を調べてそこからインスピレーションを得ながら、最終的には「葉脈」をデザインしたテーブルを提案しました。
TMさん
私はYEさんとは逆パターンで、アイデアが出すぎて、収拾がつかなくなってしまったことです。企画のどこに重点を置くべきか、どう
まとめるか、大変でした。そこで、皆の意見の共通項を探り、まとめられるものはまとめながら、何とか「情報量を絞って、かつ濃い内容にする」ことができました!
アイデアを考え、それを他者にどう伝えるのか。情報収集能力・編集力はもちろん、豊富なプレゼンテーションの経験を通して、「聴く」「話す」というコミュニケーションスキルも磨く生徒たち。
学びの場を校内だけに留めず、必要とあれば外部にもどんどん飛び出す姿勢が魅力の京都橘流・探究学習。学外のイベントやワークショップも先生方がどんどん紹介してくれる。
●では最後に、探究学習を通しての成長や感じたこと、その経験を今後にどう生かしたいかなどを教えてもらえますか?
TCさん
いろいろな経験をすることの大切さです。企業訪問で経営者の方から「失敗さえも笑いのネタにできるし、得るものがある」と教えていただきました。僕は人を楽しませるのが好きなので、動画配信に挑戦してみたいです。「失敗してもいい」というスピリットで!
KAさん
これまでは、自分の好きな分野のことにしか興味を持てないタイプでした。でも『企業訪問』で訪れた服飾関係の会社が、「古いものを活用して新しい価値を生み出す」ことに挑戦しておられて、話を聞くうちに新しい視点を持つことの楽しさを知りました。私は動物が好きで獣医師を目指しているのですが、その視点を得たおかげで、獣医師以外にも動物に関わる働き方はできるなと、別の可能性も考えられるようになりました。
YEさん
僕は「発表する力」です。もともと人前で話すことが苦手だったのですが、プレゼンテーションの経験を重ねるうちにだんだんと慣れてきました。だからこれからは苦手なことでも挑戦する姿勢を大事にしたいです。僕はスポーツが好きで今は陸上競技をしていますが、高校や大学では違うスポーツもやってみたいと思っています!
TMさん
自分の伝えたいことを伝えるには、どのような言葉・態度で相手と接するべきかを考えるようになりました。話をしているときも、自分の言動や姿を客観視するようになったと思います。将来の夢はまだ決まっていませんが、今後の探究での学びを生かして「自分は何がしたいのか、そのために何が必要か」をいろいろな角度から考えてみたいです。