2025年、創立100周年を迎える京都先端科学大学附属。これまでの歴史は、次世代を見すえた進化につながる軌跡にほかなりません。その根底にあるのは「挑戦し続ける学校でありたい」という熱い思いです。
節目の年を目前に、掲げたコンセプトは「2050年の世界をデザインする人財の育成」。かねてより『グローバルナビゲーター(GN)コース』では、グローバル教育と探究型学習『地球学』を軸に、どのような時代でも自ら未来を切り拓くことのできる人財を育む教育を追求してきました。2025年4月からは、そのコンセプトをより強く反映させた『先端グローバル(先端G)コース』を新設します。
「2050年といえば、現在、小学生の皆さんが、社会をけん引する立場になっている頃です。25年前にスマートフォンが存在していなかったことを考えると、25年後の社会がどのように変化しているかは、誰にも予測できないでしょう。そうした変化を恐れるのではなく、楽しむことのできる人財を育てたい。新コースでは、誰も見たことのない未来を創造するという志や、それを実現する力を育てるべく、本校だから可能な中高大一貫教育のメリットを凝縮したプログラムを充実させていきます」(山田尊文教頭)
伝統と大学附属校としてのメリットを凝縮した『先端グローバル(先端G)コース』。従来からの人気プログラム『地球学』や、文部科学省の『SGH(スーパーグローバルハイスクール)』指定校として構築してきたグローバル教育を、バージョンアップさせて展開。さらに高校の『国際コース』で培った長期留学のノウハウ、京都先端科学大学と連携したプログラムを取り入れた深い学びを追求します。中高大一貫教育を掲げたコースではありますが、高校でのコース選択は柔軟に対応し、海外大学を含む、幅広い進路を見すえた学びを展開します。
グローバル教育
●5カ月間のターム留学
中3の9月~1月に全員がカナダ・ターム留学に挑戦。これまでのカナダ研修旅行で築いた現地教育委員会との信頼関係のもと、1人一家庭でホームステイをしながら学びます。さらに高2では、シンガポール国立大学での入寮型短期研修を実施。現地の教員・学生とのディスカッションやプレゼンテーションなどを予定しています。
●ネイティブ教員主導の授業
ターム留学に向けて実践的な英語力を養うため、すべての英語の授業をネイティブ教員と日本人教員とのチームティーチングで進めます。“英語で学ぶ”『イマージョン授業』は、中学は保健体育・音楽・美術、高校は理数科目(数学や理科の一部)でも導入します。
STEAM教育
●サイエンス教育
京都先端科学大学の工学部・バイオ環境学部と連携し、サイエンス教育を展開。各学部の最先端の設備・施設や研究室を訪問します。
●学校設定科目『ドラマ』
高い表現力や発信力の向上を目的に、中1~高2は全員が美術または音楽を履修。高3ではアート教育の一貫として「ドラマ」(学校設定科目)の授業を導入。演劇を通して表現力・発信力を磨きます。
探究学習
●大学と連携した『地球学』
『地球学』は、『GNコース』との共通プログラムに加え、大学との連携のもと、食や農、環境、エネルギー、テクノロジーなどの専門分野について学びます。また、高校の『知究学』では、一人ひとりがテーマを設定して研究活動を行います。大学教員がメンターとしてサポートします。
●知の先端プログラム
高1では、「2050年の世界をデザインする」をテーマに、多様な分野の大学教員・専門家がオムニバス形式で授業を行う『知の先端プログラム』を実施。講師がファシリーテーターを務め、対話形式で進めます。
●大学先取授業
高3全員が週1回丸一日、大学のキャンパスで大学生や留学生と一緒に学ぶ大学先取授業を行います。経済学や生物学、第2外国語など幅広い科目群から選択が可能で、成績評価を受けると、京都先端科学大学入学後に単位として認定されます。
深泥池観察会
中1最初のフィールドワーク。氷河期からの生き残りとされる貴重な生物と、温暖地に生息する生物が共存する京都市北区の深泥池を訪れる。深泥池自然観察会の方のお話を聞きながら、目を輝かせて観察する生徒たち。
地球学特別プログラム
希望者対象の宿泊型フィールドワークとして、毎年夏休みに、テーマ・行き先を変えて実施。2023年度は長崎県。世界遺産の端島(軍艦島)・雲仙普賢岳・キリシタン関連施設をめぐり、南島原地方にて農漁村民泊を体験。
はちみつプロジェクト
2021年からスタート。遠心分離機で採取したはちみつを瓶詰めにし、生徒がデザインしたラベルを貼り、文化祭やオープンキャンパスで販売。2023年度は京福電気鉄道とのコラボレーション企画として、嵐山駅前で有志の生徒による販売会を実施。100個がわずか5分で完売!
農山村教育民泊
中1・中2合同の特別プログラム。京丹波地域を訪れ、農家に学年タテ割り班で宿泊し、農村ならではの暮らしや仕事を体験。この民泊での体験が『中3カナダ研修旅行』のホームステイへとつながる。
イマ―ジョン授業
英語で体育や音楽、美術を学ぶ『イマージョン授業』。英語に触れる機会を増やすことで、実践的な英語力を鍛える。
English Day
「英語はコミュニケーションツール」として、校内の全員が英語のみで過ごす日を設定。英語に不慣れな教員が苦心しながら話す姿を見て、「間違えても、上手く話せなくてもいいんだ」という気づきにつなげ、積極的なアウトプットを促す。
W担任制
中学3年間を通じて、ネイティブ教員と日本人教員が一つのクラスを担当する『W担任制』を導入。毎朝のボキャブラリービルディングなどで英語を楽しみながら、リスニングや会話力をアップさせる。英語での会話が“あたりまえのこと”として捉えられるようになる。
スウェーデン交換プログラム
スウェーデン・ストックホルムにあるヴィクトル・リュードベリ記念学校との交流プログラム。互いに生徒10名を派遣し、授業やホームステイを体験。英語のみならず、両国の歴史や文化に触れることでグローバルマインドを養う。
合唱コンクール
学外のホールで実施する、一年間を締めくくる恒例行事。歌う楽しさを体感しながら、クラスが一つになる瞬間を共有。
体育祭
『体育祭』の目玉は、一糸乱れぬパフォーマンスを披露する中3の集団行動。また学年タテ割りの応援合戦では、3年生が後輩をどのようにまとめるかを考えることで、リーダーシップや協働力を身につける。
地球学プレゼンテーション大会
『地球学』の集大成として、学年末にコンテスト形式で実施。一人ひとりが設定したテーマで発表を行い、クラス・学年の予選を勝ち抜いた各学年10名の代表者が臨む。
アートコンペティション
アートで自分の強みや個性を表現する校内アートコンペ。「美術」「写真」「音楽」「書道」など全14部門があり、Web上で作品を募集。昨年は中高で延べ800もの作品が集まった!2020年度からスタートし、人気行事として定着。
数学ハイレベル講座(超数学)
数学が大好きな生徒を対象とした、放課後のハイレベル講座。数学の超難問にチャレンジし、論理的思考力を鍛える。受講生の多くが『日本ジュニア数学オリンピック』などの外部大会に挑戦。この講座から京阪神医学部合格者も輩出している。
寺子屋
中学生専用の自習室で週3回行われる希望制の自習会。主体的に学 数学ハイレベル講座(超数学)習に取り組む姿勢を養うことを目的としている。19時まで開室しているため、部活動終了後の参加も可能。テスト前には約8割の生徒が活用している。