世界的なジェンダーレス化に対応し、
国際都市・神戸にふさわしい学校へ
2024年に創立100周年を迎えた神戸山手女子。2021年度より “進路満足度100%”を基本方針に掲げ、学校改革を推進してきました。なかでも注力してきたのが教育のグローバル化です。2023年度には『グローバル選抜探究コース』を新設し、ネイティブ教員と日本人教員の『担任2人制』や「技術・家庭」「情報」「音楽」を英語で学ぶ『イマージョン教育』などを導入しました。
2025年度からは、校名を『神戸山手グローバル中学校高等学校』と改め、共学校としてグローバル化をさらに加速させます。改革をけん引する平井正朗校長は、「共学化はグローバル化の一環」だと話します。
「2021年度の校長就任当初から、国際都市・神戸にふさわしい学校となることを目指してきました。現在、海外の学校ではジェンダーレス化が進んでいる状況を考えると、グローバル社会において共学化は必然。つまり共学化は“世界基準の学校になる”ということなのです。その実現に向けてこの3年間、教職員や卒業生の方との揺るぎない信頼関係を築き、準備を進めてきました。本校の歴史を紐解くと、外国籍の生徒が全体の2~3割を占めるなど、もともと国際色豊かな環境がありました。その土壌を活かし、校内に“小さな地球をつくる”という発想で、いずれは海外ルーツの生徒が3~4割在籍する、インターナショナルスクールのような雰囲気をまとう学校にしたいと考えています」
具体的には、中学・高校とも『未来探究コース』は女子のみとし、中学・高校の『グローバル選抜探究コース』と高校の『選抜コース』では、「地球人を募集する」という平井校長。校舎のリニューアルをはじめとして受け入れ体制を整え、伝統と進取を融合させた、多様性に満ちた学びの環境を目指します。
“進路満足度100%”を目指し「グローバル化」「DX 化」を推進
すでに同校では、中国、ロシア、フィリピンなどの海外にルーツを持つ生徒が約1割を占めており、授業では同時通訳機能付きイヤホンを導入し、学びを保障しています。また、生活習慣の違いに対する不安を払拭すべく、寮に代わる施設として、セキュリティ万全で管理人常駐の『学生専用マンション』を新たに用意。並行して、平井校長自ら中国に足を運び、深圳オックススタンド高校をはじめ複数の学校と協定を締結しており、2024年10月からこのマンションへの留学生受け入れがスタートします。
ハード面のみならず、学びのグローバル化も着実に進んでいます。2023年度より『グローバル選抜探究コース』では、夏期・冬期休暇に行うオールイングリッシュプログラム『グローバル探究キャンプ』が始動。
2024年度からは全コースの英語の授業に外国人教員が入り、今後校内での模擬国連も実施する予定です。
大きな強みは、そうした学校全体の「グローバル化」と、すでに確立されている教育の「DX化」の相乗効果にあります。2021年度に経済産業省『先端的教育用ソフトウェア導入実証事業』の実証校に承
認されたほか、2023年度には文部科学省『学びの保障・充実のための学習者用デジタル教科書実証事業』参加校、2024年度には『DXハイスクール( 高等学校DX加速化推進事業)』に指定されました。オンライン学習アプリを日常的に活用することで、生徒の学ぶ意欲を高めています。
「躍進する学校というのは、校長が把握しきれないほどに多彩な取り組みがあり、あちこちで生徒が楽しくイキイキと活躍しているものです。その実現には、学校力・授業力・生徒の学習意欲の融合が重要です。これからも関西国際大学との高大連携や、教科横断型・探究型学習の強化を図るとともに、クラブ新設など、男子生徒の要望にも様子を見ながら応えていく予定です。感動を与えられる学びの場を追求します」
AI教材を用いたアダプティブラーニング(個別最適化学習)を通して、一人ひとりのポテンシャルを引き出す。
「タイム・マネジメント・シートで学習計画を立て、担任によるコーチングのもと自己調整しながら取り組むことで、自立して学習を進められるようになります」( 平井校長)