国際交流の一環として、オーストラリアの提携校と交換留学を行っている開明。留学生が来校した際に、案内役を務めるのは「バディ」と呼ばれるホスト役の生徒たち。
今回は、4月にバディに挑戦した中3生2人にお話をしてもらいました。
実は英語が苦手。知らない間に母親がバディに申し込んでおり驚いたが、せっかくなのでやってみようと挑戦。
インターナショナルスクールの幼稚園に通っていた影響で海外への関心が強く、よいチャンスだと思いバディに立候補。
バディをやろうと思った理由を教えてください。
Kさん
私はインターナショナルスクールの幼稚園に通っていて、幼いころから異文化に触れる機会が身近にあったので、自然と留学や国際交流に興味を持つようになりましたが、簡単に海外に行くことはできません。でも、バディとして留学生を迎える立場なら日本にいながら交流できるので、絶好のチャンスだと思ったからです。
Sさん
僕は母が「英語の勉強になるから」と勝手に申し込みをしていて(笑)。それを聞いたときは思わず「ええっ⁉」と声に出して驚いてしまいました。そもそも僕は、英語の勉強が大の苦手だったので、「なんということをしてくれたんだ…」と(笑)。でも腹を括り、「せっかくだしやってみるか!」とポジティブに気持ちを切り替えて、挑戦することにしました!
活動内容は具体的にどのようなものですか?
Kさん
留学生たちは日本に約1カ月滞在して、国内のいろいろな都市や観光名所をめぐります。そのうち4~5日を開明で一緒に過ごすので、その際の案内役を務めます。約5~6人の留学生に一人、バディがつきます。
Sさん
学校にいる間は一緒に授業を受けたり、昼食を食べたり、茶道などの日本文化を体験してもらったり。食堂のラーメンにハマって、滞在中にメニューのラーメン全種類を制覇した子もいました (笑)。
来校時に留学生と生徒が初めて会った時の集合写真。この後、バディとして学校を案内したり,週末には観光に出かけたりした。
週末は一緒に出かけて、街案内もされたそうですね。
Kさん
大阪の文化や歴史を感じてもらえる場所がいいなと思って、通天閣と大阪くらしの今昔館を訪れました。「食べるのが好き」と聞いていたので、その後、ミナミに繰り出して食べ歩きをしました。自分の家に招いたバディもいたみたいですよ。
Sさん
最初は京都や奈良を候補にしていましたが、そんな超有名スポットはすでに訪問済みだとわかって。急いでプランを練り直し、大阪城・通天閣・神社などを訪れました。
コミュニケーション面で大変だったことは?
Kさん
“語い力”が足りていないことを痛感しました。勉強はしているはずなのに、会話のなかで「あれ、これって英語で何て言うんだっけ?」と、とっさに言葉が出てこなくて…。翻訳アプリを使うこともありましたが、会話力をつけたかったので、できるだけ封印していました。
Sさん
僕も、やっぱり英語で意思疎通することが大変でした。でもそこは、バディを引き受けたときと一緒で「気合いと勢いで!」。知っている単語をつなげたり、ジェスチャーを交えたりするだけでも意外と伝わりました。
文化の違いなど、驚いたことはありますか?
Kさん
日本では常識だと思っていたことも、外国ではそうではない場合があります。たとえば日本人は、大谷翔平選手のことを「世界の大谷」だと思っていますが、オーストラリアでは野球よりクリケットが人気らしくて、大谷選手もあまり知られていなかったり。逆に驚かれたのが「日本人は授業中、みんなこんなに静かなの⁉」ということです。オーストラリアの生徒たちは、授業中はもっと騒がしいそうです(笑)。
Sさん
意外な発見だったのが、みんな普通に「お箸」が使えるということです。“外国人=お箸が苦手”と思い込んでいたので。勉強になったという意味では、英語は「I」「You」など、主語を明確にして伝える言語だなと実感したことです。逆に、日本語は主語がなくても伝わることって多いなって。こういう気づきは、実際に会話したからこそ得られたことだと思います。あと予想はしていましたが、日本のアニメにはみんな詳しいので、好きなアニメの話で盛り上がることができました。
楽しかったことや、うれしかったことを教えてください。
Kさん
こちらがしたことに対して、ものすごく大きなリアクションで反応して(喜んで)くれることです。気持ちをきちんと表現することは大事だし、見習いたいと思いました。最後の別れ際に、日本語で「ありがとう」と言ってくれたのもうれしかったです。日本語で書かれたお礼の手紙をいただいたのですが、一生けんめい調べて作ってくれたんだなと思うと、心が温かくなりました。その子たちとは今でも連絡を取り合っています。「外国に友だちがいるよ!」と言えることが、何だかとても誇らしいです。
Sさん
通天閣を訪れたときに、そこに置かれていたゲームで遊んだのがいい思い出です。ストップウォッチを11秒11でぴったり止めるというゲームにみんなハマってしまい、30分くらいずっとやっていました(笑)。言葉がうまく通じなくても一緒に楽しめることはあるし、気持ちも通じ合えることがわかりました。
バディの経験を通して成長したことは?
Kさん
物おじせずに外国人と話せる度胸がついたことです。突然、駅で話しかけられてもあわてずに対応できると思います。来年は私たちがオーストラリアに留学することができますから、絶対に参加したいです。
Sさん
外国人や英語に対するイメージが変わりました。今まで、文法も含めて「正しい英語」でなければ伝わらないと思っていたんですが、英語が苦手な僕でも案外コミュニケーションが取れるものだとわかり、英語に対するハードルが下がりました。僕も来年は留学に参加したいです!
慣れない日本語で書いてくれた留学生からのお礼の手紙と、お土産のコアラ人形。うまく言葉が通じなくても、お互いに「伝えたい」という気持ちが大切だということが伝わってくる。