『学びの森』の中心となる、圧巻の超大型図書館
2014年の学校法人大阪医科大学(現・大阪医科薬科大学)との法人合併、2020年の学校創立80周年を見すえ、数年をかけてキャンパス整備プロジェクトを進行。“グローバルリーダーの育成~志を育む空間”を設計コンセプトとして、ついに完成した新校舎は、まさに生徒たちの知的好奇心と主体的学習意欲を育む仕掛けにあふれていました。同校ではこの学び舎を『学びの森』と称し、次世代リーダーたちを育てる種をまき続けています。技術的な先進性や意匠としての美しさはもちろん、子どもたちが「学びたくなる」環境をとことん追求したキャンパスです。
同校のサイエンス教育の充実度を体現している『サイエンスストリート』は、全長108メートルの廊下沿いに、物理教室×2、化学教室×2、生物教室×2、地学教室×1と、多彩な理科系教室が集約されている。さらに、廊下壁面は全面がホワイトボードになっており、ポスターセッションなどにも利用されている。
各理科室にはハイレベルな実験機材が設置されている。ガスなどを処理して建物外に排出するドラフト装置や、ゴミやほこりなどの小さな異物の混入を防ぎながら実験作業ができるクリーンベンチなど、中高ではめずらしい高価な機材が目白押し。薬品なども万全のセキュリティ体制で管理されている。
重厚感を放つ図書館は、イギリスのパブリックスクールを参考に完成させた。中高の図書館としては関西でも最大規模で、約6万4千冊もの蔵書を誇る。課題研究用のハイレベルな専門書、医学書、洋書(8千200冊)なども揃え、もちろん自習スペースも完備。大手書店とコラボレーションして同社の社員らが司書を務めており、図書委員と司書がともに店舗へ出向き、一緒に本を仕入れに行くなどの取り組みも行っている。この図書館に惹かれて入学を決める生徒も少なくない。
図書館と隣接して設置された学習空間。探究系の学習で使われることが多く、可動式の壁や机・椅子などを用いて、自由に配置を変えることも可能。中心に配置された学習スタジオは、まるでサロンのような雰囲気を醸し出す。円形に配置されたソファーも特徴的で、車座になって意見を交わせるなど、セミナーやカンファレンスにも最適。
最大300名程度が収容可能。大学から講師を招いて行われる大規模な講演会やセミナーなどに用いられている。インターネット回線も強固に整備されており、室内の300名が同時に接続しても通信環境は快適なまま。
“コナコピア”とは“豊饒(ほうじょう)の角”という意味で、古代ギリシアの時代に、食物や豊かさの象徴として用いられたツノに由来しており、「生徒たちの学びが実りあるものになるように」との願いを込めて名付けられた。ステージを中心に扇形に広がる座席と、計算され尽くした音響効果を持つ特殊な形状の壁面や天井も特徴的。文化祭でのパフォーマンスや各種講演会、学年集会、保護者集会などに用いられている。
静ひつな空気を漂わせる『日本文化室』は、大型の和室空間で、床を可変させて茶道スペースを作ることも可能。茶道部・華道部の活動のほか、同一法人である大阪医科薬科大学の学生が(華道の活動に)利用している。「グローバルリーダー」を育てる学びを推進する同校だからこそ、日本人として、日本文化に対する敬意と愛着を育てることを忘れない。
大学入試に関する資料やデータはもちろんのこと、自習スペース、面談スペースなども完備。ガラス張りで室内がよく見え、誰もが入りやすい雰囲気にすることで、生徒が受験情報を“主体的に取りに行く”姿勢を大切にしており、そのため進路“指導室”ではなく、進路“情報室”と称しているところにもこだわりを感じる。
ともすれば、生徒にとって「入りにくい」場所になりがちな職員室だが、同校にそれは当てはまらない。ガラス張りになっており、廊下側から室内が一目瞭然。学習の質問にも訪れやすい雰囲気となっている。
職員室前に設置されたフリースペース。職員室に隣接することで、いつでも気軽に先生とコミュニケーションが取れることが特徴。自習、あるいは先生への質疑応答の場に使われるばかりでなく、ときには授業で利用することも。