中学校検索

地域
学校区分
学校名
検索
閉じる

進学通信

2023年9月

この記事は1年以上前の記事です。

The Voice 校長インタビュー
生徒が輝ける場をより充実させることが使命。
個々が力を存分に発揮する「元気あふれる学校」へ

松村 湖生 校長先生

公開日2023/10/30

P r o f i l e

大阪府高槻市出身。大阪教育大学卒業後、大阪教育大学教育学部附属池田中学校(現 大阪教育大学附属池田中学校)、茨木市の公立中学校を経て、2009年に関西大学高槻ミューズキャンパスの開設準備委員として赴任。開校後、中等部1期生の学年主任を務め、思考力育成に特化した独自科目『考える科』を担当。SGH推進部主任、研究開発部主任、中等部教頭を歴任し、2023年4月より現職。

関西大学の学是「学の実化」に基づく教育

 本校の教育の根底にあるのは、関西大学の学是である「学の実化」です。1922年、総理事の山岡順太郎によって示された考え方で、「学理と実際との調和」「国際的精神の涵養」「外国語学習の必要」「体育の奨励」からなるものです。

 なかでも中心となるのが「学理と実際との調和」です。「学問や理論が現実社会とかけ離れたものにならないように、実際の社会に役立つようにすること」という意味で、提唱から101年が経ちますが、現在の学校現場にも通じる考え方です。本校はこの精神を受け継ぎ、2010年の開校以来、「確かな学力」「国際理解力」「情感豊かな心」「健やかな体」を育み、高い倫理観と品格を有する「高い人間力」を持つ人物を育成することを目指して教育活動を行っています。

中高大一貫校ならではの課題発見・解決型の学び

 「学の実化」の実現に向けた教育の一環として、6年間を通じて探究型の学びを実践しています。代表的なものは、すべての学びのベースとなる“思考力”を育む、中等部の独自科目『考える科』です。多面的思考をはじめ、さまざまな思考スキルの習得と活用を目的としており、公開ディスカッション、ディベート大会、調べるミッションなど多彩なプログラムを通して、最終的には自分の考えや判断を客観視する“メタ認知能力”の獲得を目指します。

 『考える科』で身につけた思考力を発揮する場の一つとなっているのが、課題解決型の学習に取り組む総合的な学習の時間です。本校の所在地である「高槻市」について調べ、地元の人々と関わり、高槻市への貢献活動を計画・実施する『MACHI プロジェクト』(中1)など、学年ごとに体験的、創造的な学びを展開しています。

 そして高等部では、課題解決のための実践力を身につける探究学習『プロジェクト学習』を実践しています。テーマの異なる10のゼミに分かれて活動しますが、大きな特徴は、高大連携の一環として各ゼミの講師を関西大学の教員が中心となって務める点にあります。専門知識に基づいた指導のもと、約1万字の卒業論文を執筆し、『卒業研究発表会』でプレゼンテーションを行います。

 これらの取り組みがスタートした本校開校時は“探究学習”という概念がまだ浸透していませんでした。ただ私自身は、教員になった当初から「問題を解決する力を育成しなければ」という思いがありました。理科教諭として「理科はそれができる教科だ」と考え、授業づくりを行っていたのです。本校への赴任時、「新しい学校でそうした学びを確立したい」という気持ちを抱いていたことを覚えています。

 そこから13年、より良い形を求めて進化し続けてきました。その姿勢はこれからも変わりません。『考える科』では、人の話を“聞く力”を磨く授業など、新たに取り入れたいものがいくつもあります。また『プロジェクト学習』では、進路を意識したゼミ選択や論文執筆ができれば、より魅力が増すのではないかと考えています。

海外研修と留学プログラムを拡充

 現在、海外研修・留学プログラムの充実化に力を入れています。中等部では従来の『カナダ研修』(中3)、『台湾短期交換留学』(中2希望者)に加えて、8週間の『ターム留学(オセアニア方面)』(中3希望者)を導入しました。また高等部では、これまでハワイを訪れていた高2の海外研修を、2024年度よりタイでの実施とします。さらに希望者対象のものは、既存の『夏期イギリス研修』、台湾・シンガポールの『短期交換留学プログラム』、単位互換が可能なアメリカ・カナダなどへの『年間留学プログラム』に加えて、新たに韓国での実践型研修・短期交換留学を導入予定です。

 国際交流、特に現地校での同じ年代の生徒たちとの交流は、自分の世界を広げることにつながります。たとえばアジアの国々の生徒たちの多くは、第二言語である英語が堪能です。カナダの生徒たちは、廊下で間食をとるなど休み時間のリラックスした姿からは想像できないほど、授業では高い集中力を発揮します。そうした海外の生徒の学ぶ意欲の高さや、自身の課題を肌で感じてほしいですね。

 そして今後は、海外大学を進路の選択肢の一つと位置づけ、コーディネーターや海外大学進学カウンセリング室の設置も進めていきます。海外大学とのパイプを築くとともに、説明会の実施、入学試験や提出書類の準備などのサポート体制を整えます。

一人ひとりが輝ける学校を目指して

 校長に就任して半年が経ちましたが、「もっと元気あふれる学校にしたい」という思いが強くなっています。

 きっかけとなったのは2023年7月、ICT委員会の生徒が全校生徒に向けて実施した「生成AIとの付き合い方」に関する研修です。わかりやすいだけではなく、「ここまでがChatGPT が作った文章です」と明かして皆を驚かせる演出など、大人も驚くほどの出来ばえで、パワーに満ちていました。 

 このときのICT委員会の生徒のように、持つ力を存分に発揮できているという生徒は少ないかもしれません。それはつまり、個々が活躍できる場面を増やせば、今以上に活気あふれる学校になるということ。前述した探究型の学びや海外研修・留学プログラムはもちろん、普段の授業も然りです。生徒ファーストを徹底し、できなかったことができる喜び、わからなかったことがわかる喜びを得られる、自然と笑顔になれるような授業づくりを追究していくことで、生徒一人ひとりが生き生きと輝く学校を目指します。